2020年2月22日

タングステン酸ナトリウム

2020.2.22

タングステン、などと聞いても、普通の人は特にピンと来ないと思う。「まぁ何かの金属なんだろうな」という程度だろう。
ちなみに周期表では、第6族第6周期、原子番号74、元素記号はWである。元素記号Wは、タングステン(tungsten:英語)のドイツ語名Wolframの頭文字にちなむ。
第6族は、上から、クロム、モリブデン、タングステンと続く。クロムは糖尿病、モリブデンは貧血への効果が知られている。となれば、その下のタングステンにも何らかの健康効果があるような気がするが、、、

患者からこんな知識を教えてもらった。
「タングステン酸ナトリウムを飲むと、すごく調子がいいんです。いろいろと効果がありますけど、私の場合、一番助かったのは白内障です。先生、タングステンのこと、ご存知ですか?」
もちろん知らない。診察後、いろいろと調べてみた。

タングステン酸ナトリウム(タングステン酸ソーダともいわれる)のベネフィットについては、数多くの研究報告がある。
お固い論文はあとで紹介するが、タングステンの健康効果を紹介した一般向けの書籍もいくつかあるようだ。
たとえば、『胃かいようが治るタングステン酸ソーダ』(加瀬薫 著 朝日ソノラマ出版 1991/06刊)
注文しようと思ったが、すでに絶版だった。ただ、本の内容紹介には、このようにある。
「胃潰瘍をはじめ胃癌・糖尿病・白内障・アルコール中毒・歯槽膿漏・皮膚病・痔・水虫等に驚くべき効力を発揮。
副作用皆無、安く手軽に、誰でも服用できる。著者50余年の体験から推奨するタングステン酸ソーダ健康法」

船井幸雄氏も自著『船井幸雄がいままで口にできなかった真実』(徳間書店2012/06刊)のなかでタングステン酸ソーダを推している。
内容をざっとかいつまむと、
・飲み方は、水100㏄にタングステン酸ソーダを2~3gの割合で溶かす。それを1日1回空腹時に20㏄ほど飲む。なお、水虫、やけどなどの皮膚症状には塗布してもよい。
・効果のある症状として、癌、潰瘍、糖尿病、リウマチ、皮膚症状(水虫、やけど、フケ、皮膚病)、白内障・老眼、認知症、パーキンソン病、ふらつき・歩行障害、フケ、二日酔い、自律神経失調症、肥満、手足のしびれ、痔など。
・メリットは、効果の著しさのわりに、値段が極めて安価なこと。この治療法が広まれば医療費は驚くほど低下するだろう。

でも、パーキンソン病に効く、というのはちょっと微妙じゃないかな。
船井さんは晩年パーキンソン病に苦しんでいたわけだから。健康法の提唱者は病気できないねぇ^^;

しかし、タングステン酸ナトリウムが体にいいとして、一体どこで買えばいいんだろう?普通にサプリとして売っているわけではないだろうし。
これについては、上記の患者が教えてくれた。「薬局アットマーク、というところで販売しています。郵送で送ってくれます」
http://blog.livedoor.jp/kikukusuri/archives/53796642.html
新潟にあるこの薬局を開局した人は、志のある薬剤師さんのようだ。
この薬局では、なんと、「医療用医薬品を処方箋なしで販売」している。
これがどういうことか、わかりますか?
たとえば「シナールが欲しい」「マグミットが欲しい」となった場合、普通はどこかの病院に行かないといけない。
病院で医者から処方箋を出してもらって、次に薬局に行ってその処方箋を提示して、薬を買う、というのが通常の流れだ。
しかしこの薬局アットマークでは、本来処方箋のいる処方薬を、処方箋なしに買えるという。よく知らないけど、法律的に大丈夫なの?^^;
そしてこの薬局では、タングステン酸ナトリウムを取り扱っている。

効果を実感した患者の直の声や、一般向けの書籍から得る知識も大事だが、説得力としては少し欠ける。できれば、きちんとした医学的な文献が読みたい。
google scholarで”sodium tungstate”で検索してみると、ほとんどが工業用の用途についての論文だが、健康関連の論文もいくつか出てきた。たとえばこんな論文(レビュー)。
『タングステン酸ナトリウムの臨床研究~ヒトへの投与』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4435618/
「多くの抗糖尿病薬があるが、理想的な血糖調節因子はいまだに見つかっていない。現行の糖尿病薬やインスリンの最大の問題点は、肥満を引き起こすことである。肥満になると、血糖コントロールがますます悪化し、糖尿病の進行リスクが高まることが示されている。
タングステン酸ナトリウム(NaW)は、メタボリックシンドロームや糖尿病の動物モデルにおいて、血中グルコースの正常化や体重増加の抑制に有用であることが示されている。しかも、低血糖症状などの副作用は観察されなかった。
タングステン酸ナトリウムの作用機序として、肝臓が研究されたが、好ましい効果は肝臓だけではなく、筋肉、膵臓、脳、脂肪組織、腸にも見られた。これは、タングステン酸ナトリウムが副作用のない抗糖尿病薬の候補として有用である可能性を示している」

上記論文は糖尿病についてのレビューで、その他の疾患(癌、皮膚病など)についての効果を検証したものではない。
ただ、血糖調整の異常は万病のもとである。
血中グルコース濃度の異常(高すぎたり、低すぎたり、乱高下したり)は、動脈硬化(およびそれに起因する血管系疾患)はもちろん、精神症状さえ引き起こす。
タングステン酸ナトリウムが糖尿病を副作用なしに治療してくれるとなれば、糖尿病だけでなく、様々な症状に有効な治療薬として使えるかもしれない。
しかし、このミネラル塩が製薬会社の治療薬として実用化される日は、恐らく来ないと思う。
医療の裏側を見すぎてしまったせいか、今の僕には、製薬会社の良心を素直に信じることが、もうできないんだよ^^;
本当にすばらしい薬ならば、その本当のすばらしさゆえに、一般処方薬として採用されることはない。にわかに信じがたいことだけど、これが悲しい現実なんだよね。

真菌、コレステロール、癌17

2020.2.22

公共の水さえ、毒物で殺菌消毒されている。
血液より1万倍酸性度が高い液体を日常的に飲むわけだから、この現代社会で健康を維持するのは大変なことである。
先進国では自己免疫疾患が急激に増加している。これは、いわば、私たちの体が内側から”腐り始めている”ためである。
危険な飲み水、ワクチン、農薬、食品添加物、有毒な薬などによって、CWDsが毒素を産生し、それによって血管が腐敗するのである。

自己免疫疾患というのは、白血球が暴走し自分の組織を攻撃する病気、ということになっているが、これは違う。白血球は何も間違っていない(「免疫は常に正しい」)。
白血球は、CWDsの産生する毒素によって変性した細胞を排除しようとしているだけのことである。
自己免疫疾患において、白血球、カビ毒、毒素産生CWDs、これらの三つは必ずワンセットである。
体内環境の悪化 → CWDsの毒素産生 → 毒素による組織変性 → 白血球による変性組織の除去

すべては理にかなった流れである。
「白血球は、僕らの体を守ってくれる免疫部隊」などという表現は、かえって本質を見誤らせる。妙な擬人化はやめておくがいい。
カビ毒によって腐敗した組織は、守るも何も、体にとって純粋に”ゴミ”である。白血球は単に、ゴミ掃除をしようとしているだけである。
しかし一般の医療は、この本質を理解していないのだから、治療に成功する道理がない。

たとえば関節リウマチに対して、一般の病院では、ステロイド、メトトレキサート、インフリキシマブなどが投与される。これらはいずれも免疫抑制剤である。
根本の原因に目を向けず、白血球による清掃作業を邪魔することで「治癒」を目指している。
治癒どころの話ではない。むしろ薬の副作用にむしばまれて、状況はますます悪化することだろう。たとえば以下のような副作用が起こる。
感染症(風邪、肺炎、インフルエンザ、B型肝炎再活性化、蜂窩織炎、結核、肺真菌症、尿路感染症、胆道感染症、腸管感染症、細菌性心内膜炎、敗血症など)
癌(悪性リンパ腫など)
その他(狭心症、心筋梗塞、間質性肺炎など)

体内環境の悪化(酸性化)を放置して、そこに得体の知れない毒物をさらにぶちこむのだから、ますます血液が汚れることになる。CWDsがカビのように菌糸を伸ばして増殖し、いっそう繁茂する。
関節リウマチ患者には、悪性リンパ腫や心血管疾患の発症率が何倍高いなどという疫学があるが、こうしたことはCWDsの挙動を考えれば当然のことである。

結局、すべて、カビ毒である。
由来や形態は違えど、慢性疾患の病因はすべてここに帰結する。
たとえば癌の原因は、以下のようにまとめられる。
・食品中に含まれるカビ(江戸時代や明治時代の癌はこのタイプ)
・真菌様CWDs(体内環境の悪化によりCWDsが真菌様に分化し、カビ毒を産生する)
・抗生剤(カビ毒そのもの)
・スタチン(カビ毒そのもの)
これらはいずれも、正常な細胞機能を狂わせ、細胞周期を破綻させる。こうして癌が発生する。

癌の予防のために心がけるべきは、まず、薬を飲まないことである。
癌の発生率はアフリカで5%、イギリスで27%であることを思い出すとよい。西洋医学へのアクセスが悪いおかげで、アフリカは”救われている”。

カビ毒から抗生剤(antibiotic)が作られるというのは、文字通りの意味である。
読んで字のごとし、抗生剤はanti-bio(=life)、つまり、「生命へのアンチ」である。有機物を腐敗させ、土に返すのが、カビ毒の任務である。
「”生命へのアンチ”だとしても、病原微生物を殺してくれるのなら、ありがたいことではないか」これがパスツール流の発想である。
しかし根本原因を見据えない治療は、必ずしっぺ返しを食らう。
1928年にペニシリンを開発したフレミング自身、薬剤耐性菌の出現を予言していたし、実際その通りになった。

薬剤耐性とCWDsの関係は、生命の本質についての重要な示唆を与えるものである。
次回はこのあたりについて、考察しよう。

参考
“Proof for the cancer-fungus connection”(James Yoseph著)