2020年2月16日

コロナウイルス対策3

2020.2.16

新型コロナウイルスが日本でも流行の兆しが見え始めたという。
適切な食事を心がけていれば、基本的には恐れることはないと思う。
以前のブログで有効と思われるビタミンやエッセンシャルオイルなどについて書いたが、今回は別の予防法を紹介しよう。

数日前にネットでこんな記事を見かけた。
『武漢から帰国したインド人に感染者はゼロ?カレー効果は本当か』
https://www.recordchina.co.jp/newsinfo.php?id=780941&ph=0&d=0148

内容を1行でまとめると、
「武漢からインドに帰国したインド人700人にはコロナウイルス感染者が一人も確認されなかったが、これは彼らが毎日食べていたカレーのおかげでははないか?」という記事。

これは当然あり得る話である。
カレーに含まれる各種スパイスに抗ウイルス効果があることは、すでに多くの研究が示しているところである。
たとえば、八角。
抗インフルエンザ薬のタミフルは八角(学術的にはトウシキミ。別名スターアニス、とも呼ばれる)を原材料に作られている。より正確には、トウシキミに含まれているシキミ酸がタミフルの合成材料のひとつ、ということである。
中国で新型インフルエンザが流行ったとき、この事実を聞きつけた中国人が八角を買いあさり、スパイス屋の店頭から八角が消えた、というニュースがあった。
この騒動を受けて御用学者は「単なる香辛料であって、インフルエンザの予防効果はありません」とコメントした。
なるほど、「八角を食っとけば新型インフルエンザにかからない」とは言えないだろう。しかし八角(およびその他の香辛料)に様々な免疫賦活作用があるのもまた、事実である。

たとえば、クルクミン。
ウコンに含まれている成分として有名で、日本人はウコンと聞けば「二日酔い対策のあれね」という感じだろう。
しかし結局のところ「ウコン(日本語)=ターメリック(英語)」で同じものなんだけど、ターメリックと聞けば、急にインド感が漂いませんか?^^
そう、カレーには多くの香辛料が使われているが、まず間違いなく含まれている香辛料のひとつは、ターメリックである。
そしてターメリックの成分のクルクミンには、抗ウイルス効果が確認されている。
このような論文がある。
『クルクミンはインフルエンザウイルス感染および血球凝集活性を抑制する』
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0308814609010553
「クルクミン(ジフェルロイルメタン)は広く利用されている香辛料であり、食品の着色にも使われている。多くのエビデンスが、クルクミンに多様な薬理活性(抗菌作用など)があることを報告している。本研究では、クルクミンに抗インフルエンザ活性があるかどうかを調べた。
細胞培養試験の結果、30μモルのクルクミンの投与により、ウイルスの産生が90%以上減少した。プラーク減少テストを使って50%効果濃度を調べると、約0.47μモル(選択指数92.5)だった。
薬剤付加時間実験によって、クルクミンにはウイルス分子の感染力を直接的に抑える作用があることが示された。この機序は、血球凝集の抑制によるものである。この作用はH6N1型に対してのみならず、H1N1型に対しても確認された。アマンタジンの場合とは異なり、ウイルスはクルクミンに対しては耐性を生じなかった。さらに、構造アナログの抗ウイルス活性との比較から、クルクミンのメトキシ基はヘマグルチニンとの相互作用にさいたる影響を与えていないことがわかった」

薬には耐性を生じたのに、クルクミンには耐性を生じなかった、というところがいかにも天然成分ぽくて、いい研究だ。
こういう研究に対して、「インフルエンザウイルスに効いたとしても、新型コロナウイルスにも効くとは言えないだろう」と言われれば、お説ごもっとも。効く、と断言はできない。
効くと主張するためには、in vitro(試験管レベル)なりin vivo(実験動物レベル)なり疫学研究(「カレーを週三回以上食べてる人とそうでない人とでは新型コロナウイルスの罹患率が何倍違う」みたいな)なりの科学的データがいるが、そういうのは今のところまったく存在しない。新型ウイルスなんだから、当然のことだけど。
しかしウイルスの増殖機構はおおむね共通していることが多いものである。
科学的データが出そろうのを悠長に待つよりは、効く可能性のあるものを一応試してみる、という柔軟な姿勢のほうが、実際的かつ賢明だと思う。
カレーを意識的に食べるようにしたり(ただし市販のルーを使ったカレーは粗悪な油を使っていることが多いから、お勧めしないよ)クルクミンやウコンのサプリを摂ることで、少しでもウイルスの罹患率を下げられれば、もうけものだよね。

真菌、コレステロール、癌12

2020.2.16

アスペルギルス・テレウスの産生するカビ毒territremsは、実験動物に振戦を起こす(振戦とは、手足などの不随意運動のこと)。
それだけの現象ではあるけれど、ここから様々な仮説を立てることができる。
「territremsで起こる振戦は、たとえば癌の化学療法を受けた患者に見られる振戦と違う機序によるものか。それとも同じか」
「多発性硬化症やパーキンソン病、ALS(筋萎縮性側索硬化症)に見られる振戦はどうなのか?あるいはそもそも、これらの疾患は神経疾患というよりは、真菌中毒症によるものではないか」
「これらの疾患には遺伝性があるとされているが、本当か?あるとしても、それは結局、カビ毒に対する免疫能の強弱、という可能性は?」

研究を進めるうちにわかってきたことは、territremsが酵素アセチルコリンエステラーゼ(AchE)に不可逆に結合する、ということである。
AchEの作用は、その名の通り、アセチルコリン(興奮性神経伝達物質)を分解することである。
つまり、territremsがこの酵素の働きを阻害することで、アセチルコリンが分解されないままシナプスに増加し、副交感神経の過剰興奮が起こる。
可逆性のAChE阻害は薬にしばしば利用されていて、ドネペジル(認知症)、クロルプロマジン(統合失調症)などもこの類である。
しかし不可逆性のAChE阻害となれば、その用途は兵器か殺虫剤、いずれかである。サリン、タブン、ソマン、VXガスなどの毒ガスはすべて、このカテゴリーに属する。

こういうことは、医学部で教わらない。
癌になって化学療法を受けて手足の振戦が出現したとして、主治医に「これは治療薬のなかに含まれる毒素がリダクターゼをブロックしているせいでしょうか。それとも、何らかの別の酵素をブロックしているのでしょうか」などと聞いてはいけない。
たとえば医者は学生時代にペニシリン(カビ毒)の作用機序として、「細菌の細胞壁合成を阻害する」と習う。細菌には細胞壁があり、ヒト細胞には細胞壁がない。従って、ペニシリンは細菌には有害だがヒトには無害なのだ、と。
本当?
ではなぜ、ペニシリンの静注で突然死する人がいるのか?製薬会社はこれを「アレルギー」と説明している。
しかし亡くなった人を死後解剖すると、大量の溶血(赤血球の破壊)が起こっている。これは、アレルギーというよりは、カビ毒の作用そのものである。

ペニシリンが細胞壁に作用しているのではないのなら、一体何に作用しているのか?医学部の授業で習わない、本当の作用機序は?
これについて話すには、少々の回り道が必要である。つまり、ライフ(Royal Raymond Rife 1888~1971)の業績に触れないわけにはいかない。

1920年代にライフはユニバーサル顕微鏡(the Universal Microscope)を発明したが、これは現在の電子顕微鏡に比肩するほど高性能だった。
あらゆるタイプの光(偏光、白色光、暗視野、赤外線)を使えることはもちろん、さらにすごいのは、微生物を生きたまま拡大できることである。
電子顕微鏡においては、標本は冷凍し、薄くカットされてプレパラートが作られる。つまり、死んだ標本しか観察することができない。
しかしライフは微生物を生きたまま観察できたのである。彼は、微生物が様々に形態を変えることに気付き、また癌細胞の観察によって、癌細胞の内部に微小な有機物が存在することにも気付いた。
さらに彼は、共鳴周波数音波(resonance frequency sound waves)を用いて微小な”癌ウイルス”を殺す方法を開発した。彼はこうしたすべてをビデオに記録した。

音波で癌細胞を殺す、とは突拍子もない発想に思えるが、なんと、超音波を使った癌治療はすでに有効性が確認されている。
『癌治療のための低出力超音波〜レビュー』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4362523/
これは2015年の論文(レビュー)である。レビューが出るということは、少なくともその数年前から各所で音波を使った癌治療が行われていたということだ。
ライフが音波による癌細胞破壊効果を確認したのは1920年代から30年代にかけてのことだから、現代医学はライフの発見から90年を経て、彼の正しさをようやく証明した格好である。
このレビューによると、音波による癌治療と一口に言っても、ソノダイナミック療法、超音波介在化学療法、超音波介在遺伝子送達、抗血管新生超音波療法など、いくつかのタイプがある。
ただ共通するのは、どれも超音波による熱作用と慣性キャビテーション(空洞現象)による生体効果であり、かつ、どれも癌細胞を死滅させることに成功したことである。

すべての物体にはその物体固有の振動数がある、というのは物理学で認められているところである。だとすれば、癌細胞には癌細胞固有の振動数が、正常細胞には正常細胞固有の振動数があるはずで、その違いを利用すれば、癌細胞に対してだけ選択的に作用する治療が可能だということである。

うろ覚えだけど、昔ナイトスクープで、歌手が声でワイングラスを割るのを見たことがある。声という単なる空気の振動で、ワイングラスという、れっきとした個体を本当に壊せるというのは、なかなか衝撃的だった。
音波にそれだけの実際的な力があるのなら、癌細胞くらい破壊できても不思議はないようにも思える。

ライフの評判を聞きつけた医師らが、彼のもとに難治患者(合計17人)を紹介したが、その17人全員が完治したことで、ライフの名声はさらに高まった。
1931年11月20日、カリフォルニア在住の医師ミルバンク・ジョンソンの邸宅にて、「すべての病気の終焉」(The End of All Disease)を記念して祝宴が開かれた。ライフの功績を讃えるために、44人の医師が参加した。
しかし彼の栄光はここまでだった。
ロックフェラーが、いよいよ本気で彼を潰しにかかった。アメリカ医師会および州当局はライフに対して医学的根拠のない治療を即刻停止するよう警告してきたが、話が噛み合わないため、当局は実力行使に出た。
ライフの研究資料を没収し、顕微鏡の提出を拒否したことから医師免許を没収した。
数年のうちにライフは破産し、彼の顕微鏡は破壊され、ニュージャージーにあった研究施設は焼き払われた。
ライフの顕微鏡はだいたい6000個の部品からできていたというが、今日に至るまで、その一部品たりとも見つかっていない。ただ、彼の音波マシンが3台だけ残っているが、これだけでは意味がない。というのは、ライフの顕微鏡(the Universal Microscope)で生きた微生物を確認しながらこの音波マシンを使ってこそ、初めて有効に使えるからである。

ん百年前の話とかではないですよ。20世紀前半の、民主主義国家のアメリカで、医学史に燦然と輝くべき偉大な研究業績が徹底的に潰され、完全に抹消された。個人の所有物(研究資料、顕微鏡など)を破壊し、研究施設を焼き払ってまで。こんなに野蛮なことが、本当に行われたんだよ。
ロックフェラーはライフを殺さなかった。失意のどん底に陥ったライフはアルコールに耽るようになり、二度と研究に打ち込むことはなかった。一科学者をあっさり殺してしまうよりは、自分に楯突いたこの反逆者に惨めな晩年を送らせるほうが、周囲への見せしめになると彼らは考えた。
ね、ロックフェラーを敵に回すと怖いでしょう?( ´Д`)

参考
“Proof for the cancer-fungus connection”(James Yoseph著)