2020年3月25日

コロナウイルス検査

2020.3.25

罹患率の低い疾患(10万人あたり数人とか)に対して、感度や特異度がすごく高い検査を行なったとしても、あまり意味がない。検査で仮に陽性だったとしても、偽陽性の確率が高いからだ。
特にこういう新型ウイルスで陽性の患者が出ては、現場が混乱する。偽陽性だったとしても、陽性であることを前提に対処せざるを得ない。ベッドが瞬く間に偽陽性の健常者で埋まって、本当に必要な患者が入院できなくなるかもしれない。

罹患率の低い疾患に対する検査の無意味さは、医者なら誰でも知っている。このあたりは国家試験に頻出だから、みんな学生時代に勉強するんだよね^^
だからテレビで「できるだけ多くの人に検査をして感染拡大を防ぐべきだ」みたいな主張をするコメンテーターは、医者じゃない人(文系の人)が多いでしょ。まずは疫学の基本を勉強してから発言したほうがいい。

今回の新型コロナウイルスについて、実際にどの程度偽陽性が出ているのか、中国から論文が出た。2020年3月5日発表の論文だから、ごく最近のものだ。

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コロナと大麻

2020.3.25

大麻(Cannabis sativa)に抗炎症作用があることは有名で、十分なエビデンスがある。
たとえばこんな論文。『新たな抗炎症薬としてのカンナビノイドの可能性』https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2828614/#!po=0.877193

抗炎症作用がある、までは理解できるとして、なんと、大麻はインフルエンザなどの感染症に対しても有効ではないか、という説がある。
ただし、この説はあくまでin vivo(試験管レベル)や動物実験レベルか、せいぜいanecdotal(“効いた人がいるよ”)あるいはempiric(“わしの経験からいうのだから間違いない!”)程度のエビデンスである。具体的なRCT(無作為化比較試験。エビデンスレベル高い)があるわけではない。
そのことを念頭に置きつつ、以下の話を紹介しよう。

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