2020年3月9日

真菌、コレステロール、癌26

2020.3.9

忌避すべきマイコトキシン毒物源として、James Yoseph氏は以下の5つを挙げている。
1.マイコトキシン(カビ毒)に汚染された食材および建物
2.薬
3.職業曝露
4.血液の酸性pH(特にコーラなどの炭酸清涼飲料)
5.過剰なアルコール

具体的に見ていこう。
1.について。
神経難病(ALS(筋萎縮性側索硬化症)、パーキンソン病、多発性硬化症)の患者は、誤診を受けている。彼らの真の病名は、マイコトキシコーシス(真菌中毒症)である。
医者がしたり顔にいう「遺伝性疾患です」などという説明を、患者本人も家族も、真に受けて不安に思うことはない。
治療は、まず何よりも、カビ毒を含む食品を摂らないことである。

2.について。
カビ毒から作られる薬は多い。「毒を以て毒を制す」ことを意図したアプローチであるが、その結果は、治癒するどころか、「カビ毒にやられるだけ」である。
具体的に挙げるとなれば70種類以上にもなるが、特に以下のものである。
コレステロール降下薬(スタチン系)、降圧薬(メチルドパ、ヒドララジンなど)、抗菌薬(スルファジアジン、ミノサイクリン、イソニアジドなど)、抗不整脈薬(キニジンなど)、麻酔薬(プロカインアミドなど)、免疫抑制剤(シクロスポリンなど)、抗精神病薬(クロルプロマジンなど)

3.について。
マイコトキシンは「真菌由来生物学的防除剤(FBCA)」として、除草剤や殺虫剤として一般に流通している。
FBCAは「天然」の殺虫剤と銘打たれている(なるほど、カビ毒由来のものだから、天然と言って言えなくもないが)。
過去数十年にわたって、収穫後の作物に虫除けのために、果物の賞味期限を延ばすために、運動場の除草のために、我々はあらゆるところにこのカビ毒製品を噴霧している。
当然、FBCAと神経疾患の関係性を示唆する研究は多い。
『イタリアのプロサッカー選手間でのALS発症リスクの大幅な増加について』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15634730
1970~2001年にイタリア1部、2部リーグに所属した男性プロサッカー選手7325人を追いかけたコホート研究。
1980~1989年と1990~2001年にプレーした選手で有意にALSの発症が多かったが、1970~1979年にプレーした選手ではそのような傾向は見られなかった。
この統計をどう読むべきか?
「サッカー選手はヘディングをするせいで、後年神経疾患にかかりやすい」などと言われる。確かに、接触・転倒などでフィジカル面に激しい負担のかかるアメフトの選手ではそういう傾向があるようだ。
しかし、この傾向に、スタジアムの芝生管理に噴霧する除草剤が関与している可能性は?
「1970~1979年にプレーした選手ではそのような傾向は見られなかった」というのが大きなヒントで、80年代以降、けったいな除草剤が導入された可能性は?
スポーツが悪いのではなく、その周辺的な要素が病気の可能性を高めている可能性は、けっこう高いと思う。川渕チェアマン、そのへんも選手に気を遣ってあげて!

『スウェーデンにおける職業とALS』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1887762
オフィスワーカー(会社員)、農業従事者、医療従事者、いずれも職業環境からカビ毒に曝露する可能性はあるだろう(会社のエアコン、農業なら殺虫剤・除草剤、病院など)。

『イタリアフェララ州における農業従事者とALSについて(1964~1998)』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15995797
農業をやっていた人では有意にALSの発症率が高かった。
農家よりもまず、一般の消費者の意識改革が必要だろう。
一般消費者が「虫食いのない、きれいに大きく育った野菜が欲しい」などと言うものだから、農家のほうでも、売れる野菜を作るため、農薬や化学肥料を山ほど使う。
結果、そういう野菜を食べて一般消費者が健康を害するのはもちろんだが、農家のほうでも悪影響を受けずには済まない。
木村秋則さんは、奥さんがリンゴに散布する農薬で体調を崩すことをきっかけに、有機栽培の道を模索し始めた。この話から僕らが汲み取るべき教訓は多いと思う。

『職業曝露とALS~集団ベースの症例対照研究』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9199537
農業従事者におけるALSと農業化学物質(agricultural chemicals)曝露によるALSの増加がはっきり示されている。疫学の威力がこれでもかというくらい説得力を持った研究だと思う。
しかし、誰もこの研究のことを知らない。「これでもか」というくらい黙殺されている。消費者もだけど、農薬の害をモロに受けるのは農家さんだよ。

4.血液の酸性pH
厚労省は、日本国民の健康を思うのなら、妙な薬を許認可するよりも先にまず、コーラの販売を禁止すべきだろう。ダイエットコーラもあかんぞー。
コーラに含まれるリン酸の含有量は飛びぬけていて、健康な血液の1万倍の酸性度である。そもそも心臓はアルカリ性の血液を供給されて機能するアルカリ電池のようなものである。
甘い炭酸飲料を、特にすきっ腹で飲めば、胃壁からすばやく吸収されてすぐに血流に乗る。
「胃液の酸性度はコーラよりも高いんだぞ」などと得意げに説いてコーラの危険性を軽視する人がいる。まったくわかっていない。空腹時に飲むコーラが恐ろしいのは、膵液が分泌されないことだ。
普通の食事を摂りつつコーラを飲むのであれば(それも関心しないが)、消化管の蠕動運動が刺激されて、胃酸が分泌され、次いで膵液が分泌される。膵液は強いアルカリ性酵素を含み、コーラや胃酸などの酸性物質を中和する。
そういうバッファーなしに血中に一気に酸性物質が流入すれば、骨や筋肉に蓄積されているミネラル(カルシウム、マグネシウム)を切り崩して中和に努める。この状態が慢性的に続けばどうなるか?
ミネラルが骨から流出して骨粗鬆症に、筋肉から流出して線維筋痛症を来す。骨や筋肉がダメになって、神経は大丈夫という道理がない。糖尿病からくる末梢神経障害や多発性硬化症、果ては癌も起こり得る。
大人はともかく、子供は癌にならないだろう、と思いますか?とんでもない。身近に白血病のお子さんがいれば、尋ねてみるといい。「一日にどれくらいコーラを飲んでいましたか?」と。
コーラを10秒で一気飲みするハイキングウォーキングのあの芸人さんとか、絶対ヤバいと思うんよね(´Д`)

5.過剰なアルコール
これは僕のことですね^^;機会飲酒者だけど、飲むとなればとことん飲んでしまう。
アルコールの代謝プロセスでビタミンB群や各種ミネラルが消耗するリスクはもちろん、たとえば穀物から醸造したアルコール(ビールなど)であった場合、穀物に付着するカビ毒がそのまま製品に混入している可能性がある。

James Yoseph氏が提唱する「防御」法は以上である。
次回は、「攻撃」、つまり、積極的に摂取したい栄養成分について紹介しよう。

参考
“Proof for the cancer-fungus connection”(James Yoseph著)

真菌、コレステロール、癌25

2020.3.9

マージャンで勝つコツは、いかに大きな役を上がるか、ではない。
それは、「振り込まないこと」である。
自分の手を作ることも大事だが、それ以上に、相手に手を作らせてはいけない。
マージャンは4人でプレーする。だから、自分が上がる確率は、ざっと4分の1だ(流れることも多いけどね)。
たったの25%、である。全然高くない。
だから、基本、マージャンというのは、「上がれないものなんだ」と認識しておかないといけない。
もちろん攻めの姿勢は重要で、それが根幹ではある。しかし、まずマスターすべきは、降り方のほう。
いかに相手に振り込まず、かつ、自分の手作りもおろそかにせず、回し打ちするか。
誤解されがちだが、マージャンの強い人は、「デカい手をよく上がる人」ではない。確率的にいって、幸運な配牌やツモに恵まれ続けるはずがない。
基本は、苦しい状況をしのぐ防御である。かつ同時に、一方的に殻に閉じこもるわけではなく、ここぞというときには激しく攻める。
その使い分けが、マージャンのうまさなんだな。

このあたりの呼吸は、将棋も似ている。
プロの棋譜を見ていると、玉の守りをおろそかにしている棋士はいない。
美濃囲いや船囲いで玉を固めてから、攻め始める。ときには居玉で殴り合うような将棋もあるが、例外的だ。
もちろん、棋士には個性がある。攻め主体の棋風の人もいれば、受け将棋が持ち味の人もいる。
「相手の玉を詰ませるのが将棋なのだから、受けてばかりでは勝てないのでは?」と思うかもしれないが、もちろん全く攻めないわけではない。
相手の攻めを受けきってから(これを「受け潰す」という)、じっくり反撃に転ずる、というスタイルがあって、やられてみるとけっこう厄介なんだ。

ギャンブルには人生の縮図のようなところがある。
マージャンや将棋から人生に生かせる教訓があるとすれば、そのひとつは、攻めと守りのバランスだろう。(※マージャンも将棋も、リアルのお金を賭けてはいけません^^)
金をかせぐこと(攻め)も重要だが、ムダな出費を抑えること(守り)も重要だ。
健康についても、同様のことが言える。
体にいい健康食材を積極的に食べること(攻め)も重要だが、そもそも体に悪いものを口にしないこと(守り)のほうが、はるかに重要だったりする。
近年ブームの高タンパク食では肉を食べまくり、ベジタリアンでは野菜を食べまくり、オーソモレキュラーでサプリを飲みまくり、という食事法(「何を食うべきか」)がある一方、逆に、糖質制限、グルテンフリー、果ては断食など、忌避を主体とした食事スタイル(「何を食わざるべきか」)もある。
極端に徹すればチンイツや国士無双ができるように、状況によってはバランス派よりも極端派のほうが成果をあげることもあるだろう。

食事に関して、個々人の体質の違いがあることは当然だが、それでも、健康という目標を達成する上で万人に有効な戦略があると、個人的には思っている。
それは、まず、砂糖をはじめとする精製糖質と小麦(有機全粒粉も含め)を摂らないことである。
複合炭水化物(果物、サツマイモなど)も含めた一切の糖質を摂らない「断糖」スタイルは、low T3症候群が起こる可能性があって、さすがに極端すぎる。ときどき適量の米を食ったからといって、バチは当たらないよ。
小麦については、数十年前にロックフェラー財団が大幅な品種改良によりパンコムギを作ったが、今やこれが世界に流通する小麦の99%を占めている。以後、グルテン不耐症など、腸・免疫系機能の破綻に由来する疾患が激増した。もはや小麦の品種自体がアウトなのだから、有機であれ何であれ、基本、「もう小麦は食えない」と諦めることだ(実は、古代種のヒトツブコムギやフタツブコムギなら問題ないが、ほとんど手に入らない)。
実際、小麦を食べないという、ただそれだけのことで、多くの身体不調が改善する。小麦断ちは、一生心がける食事スタイルとして、採用する価値は充分ある。
子供たちが毎日給食で半強制的にパンと牛乳を食べさせられているけど、あれはどうにかならないものかな。

多くの先生が、それぞれの立場から牛乳の危険性を唱えている。
疫学(癌などの慢性疾患の発症率が上昇)、内分泌系(ホルモンバランスの異常をきたし性腺(前立腺、卵巣、乳房)の癌が増加、骨粗鬆症の増加)、食育(「給食でごはんのときも牛乳を飲ませるのは、食事のセンスとしてどうなのか?」)など、どれも一理ある。

James Yoseph氏の主張は、「穀物と牛乳はカビ毒汚染の最大のリスク食材」というもので、この着眼もおもしろい。
「穀物(トウモロコシ、小麦、ナッツなど)にカビ毒(fumonisin、penetrem、territrem)が含まれていることは珍しいことではなく、それどころか極めてありふれたことである。
特に飼料を大量に食べる家畜ではマイコトキシコーシス(真菌中毒症)の罹患率が高く、そうした畜牛のミルクが体に悪影響を及ぼすのは当然のことである」

そう、同氏が提唱する健康法は、まず、「攻撃よりも防御」である。つまり、何かを摂取して治療に努めよう、というよりも、毒物を摂取しないことである。
忌避すべきマイコトキシン毒物源として、彼は以下の5つを挙げている。
1.マイコトキシン(カビ毒)に汚染された食材および建物
2.薬
3.職業曝露
4.血液の酸性pH(特にコーラなどの炭酸清涼飲料)
5.過剰なアルコール

長くなったので、これらの毒物源についての説明は、次回にしよう。

参考
“Proof for the cancer-fungus connection”(James Yoseph著)