院長ブログ

本当の死因

2020.3.17

心臓発作で急に亡くなった政治家や有名人、といえば誰が思い浮かびますか?
これは、普通の亡くなり方ではない。健康な人は、急に心臓が止まったりしない。なぜ、こんなことが起こるのか?
人間の病態生理には必ず理由がある。心疾患による死亡であれば、死亡診断書には具体的にその死因(心不全以外)が記載されるべきだけど、多くの場合、心不全の背景は不明である。
なぜ「不明」に終わってしまうのか?
医者の無知がその一因だと思う。

たとえば、放射線被爆によって心疾患や糖尿病が起こり得ることは、現在の医学部教育では教わらない。
動物実験で明らかに示されているのに、広島や長崎、チェルノブイリの被爆者の研究で明らかに示されているのに、放射能によるそういう毒性は「ないこと」になっている。
ストロンチウム90が体内に取り込まれれば、ベータ崩壊して(放射線を放出して)イットリウム90になり、骨、肺、心臓、生殖器などに移動するが、最も高濃度に蓄積するのは膵臓である。
各臓器に取り込まれたイットリウム90はさらにベータ崩壊を起こし、各臓器の内部被爆を引き起こす。
骨の異常は白血病、心臓の異常は心停止、生殖器の異常は不妊や奇形児、膵臓の異常は糖尿病、膵臓癌という具合に、様々な症状として現れる。
ストロンチウム90の物理学的半減期は30年、特に骨に取り込まれたストロンチウムの生物学的半減期は50年である。体内からなかなか排出されず、ゆっくり体をむしばむことになる。
年単位で仕込まれた時限爆弾である。なるほど、「ただちに影響はない」かもしれない。
しかし、その長期的な毒性を軽視すべきではないし、そもそも毒性について「医学部で教えていない」なんていうデタラメがあってはならない。
しかしそのデタラメがリアルなのが、日本の医学部教育である。だから日本の医者は急な心停止を見ても、死因として「放射線被爆」という鑑別診断を挙げようがない。
「教えられていないから、わからない」まぁ当然の話だな。

なぜ教えられていないのか?
この理由は様々だろう。政府の意向、製薬会社の思惑などもあるだろうが、ここでは、軍事的な観点から考えてみたい。
そう、「かつては軍事機密に属したが、後に一般に公開された技術」は数多い。
有名どころではインターネット(中枢が存在しないことにより、一部の通信経路が破壊されても迂回して情報伝達ができる)、医療用エコー(潜水艦の場所を探索するソナーの技術を応用)、電子レンジ(軍事用レーダーを転用。実際アメリカで販売当初の商品名は『レーダーレンジ』だった)、カーナビが挙げられる。
もちろん、公開されずに軍が機密として秘匿している技術も無数にある。
ただ、さすが民主国家アメリカだなと思うのは、情報公開請求に対して、ときどきびっくりするようなカミングアウトをすることである。
2006年12月、アメリカ陸軍は極秘にしていた電磁波兵器の存在を、以下の文書(“Bioeffects of Selected Nonlethal Weapons”)のなかで公表した。
https://www.wired.com/images_blogs/dangerroom/files/Bioeffects_of_Selected_Non-Lethal_Weapons.pdf
電磁波によって幻聴やてんかんを起こしたり、果ては殺すことさえできる。
当局にとって不都合な言動を行う人物を、あからさまなやり方で殺すことは、見せしめの場合を除いて、近年ではほとんどない。
たとえばジョンFケネディーがパレードの場で暗殺されたが、VIPをああいう衆人環視のもとでの殺すということは、21世紀においてはまずあり得ない。
なぜか?
そういう殺し方は、「合わない」んだ。
多くの関係者が動いて殺人のおぜん立てをするとなっては、秘密保持が難しい。どこでぼろが出ないとも限らない。真相に迫ろうとするジャーナリストが後を絶たない。
つまり、派手な殺し方は、当局にとって、後処理が何かとやっかいで、わずらわしいことこの上ない。
何もそんな殺し方をすることはない。もっとスマートな方法がある。
たとえば、対象者を癌に罹患させることもできるし、心臓発作を起こさせることもできる。自然死を装うことができるわけだ。
『心臓発作や癌を人為的に起こして対象者を暗殺するCIAの手口』

CIA Targeted Assassinations by Induced Heart Attack and Cancer

たとえば、アーロン・ルッソ(911の秘密を曝露)は膀胱癌で、金子勇(ウィニー開発者)は心筋梗塞で、安保徹(「薬をやめると健康になる」と主張)は大動脈解離で亡くなった。
そういうことになっている。
そういうことにしておいたほうが、世の中はきっと丸く収まるだろう。
ただ個人的には、そんなふうに丸く収めたくないと思っている。
「静かな反乱」が起きればいい、と思っている。そしてそういうことは可能だと思っている。つまり、こういう知識が多くの人にとっての常識になるといい。
自然死のように殺す兵器がすでに存在し、実際に使用されているのだという事実が、多くの人の知るところになれば、当局としても手を下しにくくなる。つまり、大衆の知識が抑止力として働くことになる。
勇気のある告発者が、こんなふうに殺されてはいけない。
安保先生みたいな本物の医療者が殺されてしまったことが、僕はほんまに許せへんのよ。

結局、一番効いたサプリは、1

2020.3.16

「先生にいろいろなサプリをお勧めしてもらって、試してみたんですけど、結局一番よかったのは、、、」
この言葉に続く答えは、患者によってそれぞれ異なる。
患者が悩む病気はそれぞれ異なるし、不足している栄養素も人それぞれなのだから、当然のことだ。
そこで今回のブログでは、それぞれの患者の結論、「結局何が一番効いたのか」について紹介しよう。

40代男性
「それはもう、なんといってもビタミンDです。幼少期から悩んでいたぜんそく症状が、ビタミンDのサプリを朝に1錠飲むだけで、ずいぶん軽快しました。
自分でも信じられないんです。こんな、言ってはなんですけど、たかがサプリでよくなるなんて。
それで、あえて朝飲まずに過ごしてみる。すると、息がヒューヒューいう。それで再確認するんです。やっぱりDが効いてるんだなと」

もちろん、食事の改善指導も併せて行っている。「甘いものは控えましょうね」「小麦や乳製品は少なければ少ないほど体調がよくなりますよ」
どの程度自分に厳しく守るかは患者次第だが、そこに加えて、適宜サプリを勧めている(この点は以下のどの患者についても同じ)。
たりていない栄養素がドンピシャはまれば、手放せないと思い込んでいた薬をやめることもできる。

10代女性
父が語る。
「何が効いたか。ひとつには絞れません。二つ挙げさせてください。まず、CBDオイルです。
ときどきけいれん発作が起きたり、家の中を落ち着きなくうろつき回ったり。CBDオイルを飲み始めて以後、そういうことがなくなりました。
家族は当然本人の改善に気付きましたし、高校の先生からも言われました。『以前は授業中、何となくぼんやりしているようだったのが、最近は明らかに集中力が増しています』と。
これだけでも感謝なのですが、親の欲目と言いますか、もっと良くなってくれたらな、と思っていました。
いろいろ試していたのですが、もう一段、高みに引き上げてくれたのが、ヤマブシタケです。これでもう、改善は決定的になった、と感じました。
端的に、日常生活で笑顔が増えました。『こんなに笑う子だったのか』と、父親の私でさえ驚きました。コミュニケーションもうまくなって、高校の同級生とも仲良くやっているようです。
私も自分でいろいろとサプリを試しているのですが、個人的にイチオシのサプリはルンブロキナーゼですね。
血圧を毎日測っているのですが、ルンブロキナーゼを飲み始めてから明らかに下がりました。でもナットウキナーゼは微妙ですね。
一度、ルンブロキナーゼの代わりにナットウキナーゼを始めたら、血圧がまた上がりましたから」

先日、近所のスーパーでヤマブシタケを見つけた。
食材として入手可能なくらいだから、安全性はまず問題ない。気楽に試してみるといい。

50代女性
「睡眠薬を何年も飲み続けていて、もう薬なしでは眠れません。でも、だんだん効かなくなってきて、飲んで眠っても2、3時間で目が覚めてしまう。
それで先生のアドバイスを参考に、いろいろとサプリを試しました。ナイアシン、マグネシウム、アシュワガンダ、ケイ素など、皆、それなりの効果は感じました。
特に、私冷え性ですから、ナイアシンのホットフラッシュの感覚は苦痛どころか、楽しんでいます。
でも一番効いたサプリ、と言えば、、、何かしら?未だにマイスリーやドラールを手放せないのですから、睡眠薬依存が改善したとは言えません。
ただ、効果のすばらしさに驚いた、という意味では、ケイ素水ですね。先生は眠りの改善を期待してケイ素水を勧めてくれましたが、効果を感じたのは睡眠ではありません。
私、爪が薄かったんですけど、ケイ素水を飲み始めてから爪が割れることがなくなりました。はっきり違いを感じたという点では、ケイ素水が一番ですね。
ただ、もう少し眠れるようになれるといいんですけど、、、」

ベンゾの依存性と耐性に対して栄養的な面からアプローチするべく、いくつかのサプリを勧めた。
そもそも、脳は「ケイ素食い」である。他のどの組織よりも大量のケイ素を必要とする。逆に、認知症患者では脳中ケイ素濃度が著しく低いことが分かっている。ベンゾ依存症者では認知症の発症率が高いことが疫学的に知られているが、ケイ素の多寡が関与している可能性がある。
そこでケイ素を(マグネシウムと一緒に)勧めた。残念ながらベンゾを手放すことはできていないが、小康状態の維持に一応の貢献をしていると思う。
「爪が健康的になった」「肌の色つやがよくなった」という人は多く、特に女性の場合、効果を実感してケイ素に惚れ込む。


当院では格安18000円にてご奉仕させて頂いております^^興味のある方はぜひ当院へ!

50代女性
「何が一番効いたか?うーん、ちょっと絞れないですね。いくつかあるので。
逆に、まったく効果のないサプリなら、山ほど試してきました。鉄とかビタミンB群とか。ある本でオススメされてたので試したんですけど、全然効かなかったです。
先生のブログで、ビタミンDとKとAは相乗的に効く、というのを読んで、試してみました。それで初めて、サプリの効果を実感しました。
Dだけ飲む、とかダメですね。私の場合は、脂溶性ビタミンをまとめて摂らないと効きませんでした。
あと、もうひとつは、有機ゲルマニウムです。
娘がこれを飲むようになってから、風邪を引くことがなくなりました。それで私も飲み始めたんですが、翌日にすぐ効果を実感しました。体が軽くなるようでした。こんなに効いたサプリはありません。
試行錯誤の末にたどり着いたのが、脂溶性ビタミン(D、A、K)と有機ゲルマニウムです。これだけはずっと続けたいと思っています」

「このサプリを飲んで劇的に治った!」という、一撃必殺的エピソードは、他にもけっこうある。長くなりそうなので、また稿を改めます。

酵素風呂

2020.3.15

「もうオリンピックはないと思うよ。少なくとも、今年はね。
世界的なパンデミックで、スポーツを楽しもうっていう空気じゃない。でも中止ではなくて、延期になる。
では、いつに延期になるのか?
来年はアメリカで行われる世界陸上と重複するから、属国日本はアメリカ様に忖度して開催を遠慮する。
再来年はサッカーワールドカップとかぶるからダメ。
というふうに考えれば、東京オリンピックは2024年に延期、となるのが自然だろう。
これはカジノ利権の動きとも密接に関わっている。
恐らく2024年までには、IRに慎重派の小池百合子が更迭されて、IR積極派の橋下徹が東京都知事になっている。当然、東京にカジノを持ってくるためだよ。
これは数年前からの既定路線なんだ。
市場が築地から豊洲に移転されただろ?あれは、ラスベガスの意向を汲んでいる。築地は銀座から歩いてすぐ。カジノの立地として、あんなに理想的な場所はない。80年以上にわたって愛されてきた築地市場を、外国の賭博屋のために移転してやるというのだから、日本の政治家が誰のために活動しているか、察せられようというものじゃないか。
もちろん、日本としても利益がないわけじゃない。海外からのインバウンドが見込めるからね。2024年の東京オリンピックまでには、カジノの開業を間に合わせるに違いない」

今日酵素風呂に行く車の中で、ごうちゃんが言っていた。
おもしろい推測だね。この予言が当たるかどうかは、2024年になってからのお楽しみ。
個人的には、もっと暗い未来もあり得るんじゃないかと思っている。このまま新型コロナウイルスの感染拡大がずっと続いて、数年間ずっと収束しない、という可能性もある。
幸いなことに、致死的なウイルス、というわけではない。かかったとしても、ゆっくり休んでいればちゃんと回復する。ただ、妙に感染力が強いものだから、人々を怖がらせるには十分で、このまま自粛ムードや渡航制限が数年間にわたって続く可能性もあると思う。
そうなれば、来年の世界陸上も再来年のワールドカップも微妙、ということになってこないかな?そういう最悪の可能性を思えば、上記のごうちゃんの予言は、まだしも楽観的予測だと言えなくもない。
『東京五輪、実は「中止」で決定済み? 安倍政権の都合で発表は5月か』

東京五輪、実は「中止」で決定済み? 安倍政権の都合で発表は5月か=江守哲


こういう記事もある。
そうだよね。今のところ2024年のオリンピックはパリで開催予定で、パリの都合を考えれば、4年ずれ込むよりも、中止かなぁとも思う。
しかし、、、パリ(フランス)は、現時点では新型コロナウイルスの感染者数としては日本よりもやばいわけで、2024年にはちゃんと収束してるかなぁ。

酵素風呂で隣り合わせた50代男性。
ひどいかすれ声で話す。風邪で喉を痛めている、という感じではない。僕は一応医者だから、彼の声を聞いてすぐに、病気の見当がついた。
「喉頭癌でね、それでここの酵素風呂に通っています。
発症したのは7年前。ヘビースモーカーで、酒もたくさん飲む。ひどい生活してたからなぁ。
手術をして、治ったと思ったら、数ヶ月も経たないうちにまた再発。今度は抗癌剤と放射線を受けた。
ほら、ここ(耳下腺のあたり)、触ってみて。固いやろ?
放射線治療を受けると、こんなふうに固くなってしまうんだな。
抗癌剤が体に合わなくてね。39度以上の熱が出る。それでも抗癌剤治療をやりきったんだけど、また再発。医者にもサジを投げられた。『もうできることはありません』と。なんだよそれ、って思ったよ。
再発はしたけど、まだ生きる意欲はある。
それでいろいろ癌に効く治療法を探しているうちに、この酵素風呂を見つけた。
2年前から、週3回通っている。通い始めて以後、癌は進行していないよ。
2年も通っていると、いろんな人と知り合いになる。僕と同世代の癌の人とも知り合った。白血病の人だけどね、その人もここの酵素風呂に通ってるおかげで進行が止まってる。
僕の場合、特に食事療法とか、変わったことはしてないよ。パン?基本はご飯だけど、小麦製品も普通に食べるよ。甘いものはもともと別に好きじゃないけど、食べるときは食べる。
ただ、さすがにタバコと酒はやめた。こういう状態にでもならなければ、絶対やめなかったと思うな」

僕は今日が2回目の酵素風呂だった。
前回、管理人氏から癌治療のために通っている人がいるというのは聞いていたが、癌患者さんから直接話を聞いたのは初めてのことだった。やはり、酵素風呂は効くようだ。
初めての酵素風呂を終えたときには、僕はひどい吐き気を感じた。でも今日の酵素風呂を終えた後は、サウナに入った後のようにスッキリしていた。また来よう。

ベンゾ依存1

2020.3.14

松本俊彦先生も、多分、本当はわかっている。
「ベンゾの離脱症状が2ヶ月でよくなるはずがない」と。
でも、立場上言えない、ということだと思う。

そう、僕も臨床をやっていて痛感する。というか、現場の精神科医なら、みんな知っているんじゃないかな。ベンゾ依存を形成した患者の減薬・断薬が、どれほど難しいことか。
急に抜けば、えらいことになる。たとえゆっくり抜いても、心身の不調は必発。
触らぬ神に祟りなし、である。「薬を減らしたいんです」という患者の要望にも、つい及び腰になってしまう。

医者は、知っている。「医療をうまくこなすコツは、ヒットを打つことじゃない。エラーをしないことだ」と。患者を真に回復させたからといって、特別なボーナスが出るわけでもない。それどころか、病院の収益が減少してしまう。
ベンゾ依存の患者は、病院の”固定資産”である。彼らは、必ず来院する。こんなに「必ず」と断言できる事象は他にないくらいの確率で、「必ず」である。
患者のほうでも、「減薬したい」などと思う人は稀で、ほとんどは「現状維持でいい」と思っている。つまり、通常、医者・患者双方にとってwin-winの関係が成り立っているということである。

ただ、たまにいる減薬希望の患者に、どう対応するか。まず、ヒットは狙わない。医療の基本は、「エラーをしないこと」である。
仮に、患者の要望通りに減薬すればどうなるか?離脱症状は必発である。離脱の苦しさに身もだえして、患者はどうにかしてくれと泣きつくが、治療法はない。増薬を除いて。せっかく保たれていたwin-winの均衡が、一瞬にしてlose-loseになってしまった。
上記松本先生のように、珍しく減薬を表看板に掲げている病院でさえ、離脱に治癒には難渋する。彼らとて、「答え」があるわけではない。
できないことは、はなからするもんじゃない。だから、医者はこう結論する。
「減薬は、愚策である」と。

2ヶ月ドラッグフリーでいられました、で終わりじゃない。2年経っても5年経っても、離脱症状が残存する人もいる。
ベンゾジアゼピン依存の根は、恐ろしく深い。

以下に、立ち直るためのヒントがある。
『薬物依存症から回復して菜食主義のアイアンマン(トライアスロンをやる人)になり、しかも豚を飼い始めた話』
https://www.livekindly.co/recovered-drug-addict-vegan-ironman/

菜食主義者のアスリートについては、以前のブログでカール・ルイスについて紹介したが、彼一人ではない。
メーガン・デュハメル(平昌五輪のフィギュアスケートでメダル獲得)、スコット・ジュレク(ウルトラマラソンの”レジェンド”)、ティモシー・ブラッドリー(プロボクサー)など、世界的な結果を残しているベジタリアン・アスリートは数え切れない。
トッド・クランデル(Todd Crandell)もその一人だが、彼の経歴はいささか変わっている。
彼はかつて13年もの間、薬物依存地獄の真っ只中にいた。ヘロイン、コカイン、アルコール、抗不安薬など、入手可能なあらゆるドラッグの快楽に耽溺していた。
定食もなければ、収入もなく、住む家さえもない。人生に希望なんて、何一つなかった。早く死にたいと思っていた。

3歳のときに、薬物依存の母が自殺した。ろくに言葉も話せない幼児にとって、衝撃的な出来事だった。成長するにつれ、この心の傷は癒えるどころか、ますます疼いた。
13歳で飲酒を始めた。心の空白を埋めるために。「母は僕のせいで死んだ」という心の声をかき消すために。3年後にコカインを始めたのをきっかけに、坂を転げ落ちるように薬物依存の泥沼に落ちて行った。
ドラッグを買うための金欲しさに、犯罪にも手を染めた。逮捕され、釈放され、またドラッグ欲しさに罪を犯し。
三度目の逮捕のあと、あるドキュメンタリー映像を見た。無邪気な動物が屠殺され、食肉として販売される様子が淡々と描かれていた。
希望も何もなく、死にたいと思いながらドラッグにふける自分と、「殺されるために育てられる」無邪気な動物たちと。彼は、自分とその動物たちの落差に、引き裂かれるような矛盾を感じた。
母がドラッグの海におぼれて死んだように、自分もそうやって死んでいくのだと彼は信じていた。しかし、この動物たちはどうだろう?何の抵抗も許されないまま、叫び声をあげて殺されていく。
動物が哀れでならなかった。そして同時に、このとき初めて、自分の堕落を許しがたく思った。「少なくとも、俺には戦うチャンスが与えられているんだ」
もう動物の肉は食べまい、そして、必ず立ち直ろう、と心に誓った。

野菜ジュースは彼に信じられないほどの力を与えた。心と、体と、魂が、野菜によって癒やされていくのを、彼ははっきりと自覚した。
みるみるエネルギーが沸いてきて、人生を熱く生きるんだという思いがこみ上げた。
あふれるエネルギーは、行き場を求めて、走り始めた。走り、自転車にのり、泳いだ。
そう、彼はアイアンマンレース(ウルトラ・トライアスロン)に参加するようになった。

彼は、28回のウルトラマラソン(6大陸15か国)を完走した。しかも単に走り切っただけではなく、非常に優秀なタイムだった。
彼は自分のスタミナと健康は、野菜を食べることによってもたらされたと考えている。
2001年、薬物依存症者のための治療組織を立ち上げた。ドラッグにおぼれる人を救うためである。
彼の体験は二冊の著書として出版された。また、彼は豚(ミロ)を飼っている。
「ミロのおかげですべての生き物に対する愛がわいてくるようです。すべての生き物は、生き物として輝いている。そういうことをミロは教えてくれます」

いい話だ。
しかし情緒的にではなく、医学的に考えてみよう。
上記クランデル氏は、13年間もの長期にわたりドラッグ依存に苦しんでいたが、いまや、すっかり立ち直っている。ドラッグの後遺症はない。
一方、僕らが臨床で毎日のように見かけるベンゾ依存患者は、少し減薬しただけで、離脱症状にのたうちまわり、断薬をして2か月経っても、苦しさは晴れないまま。
この違いは何なのか?
ベンゾ系に限らず、薬の多くは脂溶性である。脂溶性であるから、たとえ薬物の血中濃度がゼロになったとしても、ドラッグの成分が脂肪のなかにしっかり溶け込んでいる。一般に、脂肪のなかの毒物を出し切るのはなかなか困難である。
そこで、発汗である。
クランデル氏は、トライアスロンという、世界一苦しいスポーツを行うようになった。当然、レース中の汗の量は尋常ではない。つまり、脂肪に溶け込んだ毒物のデトックスも、尋常ではないペースで進む。
クランデル氏が後遺症もなくすっかり立ち直った秘訣は、このあたりにありそうだ。

また、そんなトライアスロンに挑戦しようという意欲を沸き立たせたのが、野菜であるということにも注目すべきだろう。
そう、草食動物に注目するといい。ガゼルでもシマウマでも、群れで長距離移動をすることがある。つまり、彼らはけっこうな長距離を走ることができる。
草食動物だから、基本、葉っぱしか食べてない。動物性食品は当然摂取していない。それでも、かなりの長距離を走る。
植物にはそれだけのパワーが秘められている、ということだ。

野菜ジュースの積極的摂取を主体とするゲルソン療法は癌に効くことで有名だが、薬物依存にも著効する。回復した症例は枚挙にいとまがない。

要するに、、、
食事の改善指導を伴わない減薬は、離脱症状の出現は必発。
しかし、食事の改善と並行した減薬は、離脱の苦痛が軽減するということだ。

ブログの有料化

2020.3.13

以前挙げたブログを再掲する。
去年の9月頃に一度公開したものの、思うところがあって、すぐ非公開にしたのだが、やはり公開しよう。

↓再掲

「ブログの有料化に興味はありませんか。先生のブログは、人から十分お金をとれるクォリティだと思います」
そう言ってもらえるのは光栄です。でも僕はパソコン音痴で、課金の手続きとかややこしそうなので、別にいいかなって、、、
「先生、どういうフォーマットで文章書いてますか。ああ、WordPressですか。だったらすごく簡単です。PayPal のアカウントとプラグインがあればすぐにできます。あるいはnoteの有料記事に誘導する手もありますし」
うーん、まぁ別にブログでお金もうけしようとは思ってないんですね。
小銭程度の金が入ってくる程度なら、無料でたくさんの人に読んでもらったほうがいい、とも思いますし。
「小銭程度、になるかどうかはやってみないとわかりません。たとえば月額1000円で読者が100人なら、月10万円。まぁ先生にとっては小銭かもしれません。
しかし読者が千人なら?1万人なら?ちょっと、小銭とは言いにくい額だと思いませんか?
もっと言うと、先生の更新頻度で、かつ、あのクオリティなら、月額1000円は破格です。もっと低い更新頻度でもっと高い購読料をとっているブロガーは山ほどいます」
うーん、いや、金をとるってなると、プレッシャーなんですよ。
僕の記事すべてが有益な医療情報かっていうと全然そうじゃありません。しょうむない、アホみたいなことを書くこともある。
でも金をとりだしたら、僕のほうで妙に緊張してしまって、そういうの、書けなくなってしまいそうです。
「いや、私、先生のブログはほぼすべて読んでますけど、医学的記事以外のほうがむしろおもしろいです」
うわー、複雑やわぁ、、
「いえ、これは失礼しました!どちらもおもしろいです。
先生のブログの読者は二通りいると思います。まず、自分に何らかの病気があって、その回復の手段を求めて読む人。一方、そういう実用性から離れて、先生のブログを普通の読みものとして読んでいる人。読む動機が違うんですね。
前者の人は健康になろうとして必死ですから、そういう人が求めているのは『具体的情報』です。でも後者は、エンターテイメントを求めています。そういう人の鑑賞に耐える文章を書くのは、相当難しいことですが、先生はそれに成功していると思います。
ブログで情報発信をしている医師は多いですが、後者の意味合いを満たすブログは多くありません」
そういうふうに言ってもらえるのはうれしいですけど、ブログを書く他の先生と競い合ってるわけでもないですから。
それに、個人的には『ブログを読むのにお金を払う』っていう考えに、どうしてもなじめないんですね。本を買うのならわかりますよ。手にとって触れられる、実体のある本にお金を払うのはわかります。でも、ブログですよ。ネットサーバー上のどこかに浮かぶ、実体のない文字情報に金を払うというのが、よくわかりません。
僕自身が、誰かのブログに金を払って読むということをやったことがないせいもあって、そういうの、うまくイメージできないんです。『こんなことでホンマにお金もらっちゃってええの』、みたいな。
「今やネット上にどんな情報でも出揃っていると言われますが、違います。 無意味なジャンクが山のようにあふれていますし、誤解を招くような危険な情報もあります。『本当に有益な情報を得られるのであれば、お金を払ってでも読みたい』そう考える人はたくさんいます。
また、『情報に対してお金を払う』という、そのこと自体が、読者のモチベーションを高めます。『金を払っている』というその意識が、読者と先生の両方に、いい緊張感を生みます。
先生も経験ないですか。有料の図書館や有料の自習室だと『払った分だけ、元を取らないと』という気持ちになって、集中して能率が上がります。同様に、お金を払っているブログ読者は、タダで漫然と読んでいる人に比べて、同じ情報ソースからでも、得るものが断然違います。
先生は課金収入を得て、かつ、お金を払う読者は多くの知識を得る。win-winの関係です。『こんなことでお金をもらってええんやろうか』どころではありません。しっかりもらってください。
質の高い情報を発信する人には、そうするだけの権利があります。月額の課金制にしましょう。有益な情報を垂れ流してはいけません。きっちりと読者を選別してください」

言ってることは納得できたし、妙に自尊心をくすぐられる言葉もあって、一瞬本気で有料化を考えたけど、、、
上記のような会話を公表していること自体からわかるように、月額課金制にするなんて、もちろんあり得ないよ。
なるほど、金を払う払わないで読者のモチベーションや理解力が変わることもあるだろうけど、そんなことは相手の事情だ。僕としては、「わかる人にだけ、わかればいい」。
そもそも「有益な医学情報を発信する」なんて、そんな大義を背負ってブログを書いてない。勝手な頻度で、書きたいことを書いてるだけ。だからこそ、気楽なんよねぇ。

↑再掲ここまで

最近、某氏からまたブログの有料化を勧められて、気持ちが揺れている。

なぜ、有料化しないのか。
そもそも、なんのためのブログか?
クリニックの宣伝という目的はもちろんある。でもそれだけではない。僕の情報発信が多くの人の目に触れ、そしてその情報により少しでも救われる人がいれば、という思いで、ブログを書いている。
フィードバックがないため(コメント欄などを設けていないため)、どの程度の影響があるのか、まったくわからない。
ただ、実質的な手ごたえを感じるときももちろんある。
ブログを読み、僕を頼って来院してくれる患者がいる。『安心』の編集者氏やNHK文化センターの担当者氏が声をかけてくれたのも、ブログを公開にしていたからこそだった。フリーの気軽さゆえに生じる縁も、あるに違いない。
某氏がいう。
「コロナウイルスの影響で患者数が減って、大変でしょう。こういうときに副業があれば強みですよ。
ブログを書いて収入を得ている人は世の中にたくさんいます。先生、優れた情報発信というのは、それだけで”資産”です。先生は無欲だから無料公開しておられますが、まったくもったいない話です。
ちょっとした一工夫で、換金することができます。そういうメカニズムが、ちゃんとあるんです。
先生が一年以上にわたって続けておられるブログ、これを生かさない手はありません。
たとえばnoteのマガジン機能。これを使って、たとえば『有機ゲルマニウム』について先生がこれまで書かれた記事をひとつにまとめて、パック販売すればいいんです。需要は確実にあるでしょう。
こんな具合に、各種ビタミンや栄養素について、パック販売すればどうなりますか?一財産作ることも十分に可能だと思います。
クリニックの経営がしんどいからといって、休日にバイトする必要なんてないんです。先生がすでに作り出した”眠れる資産”を、しっかり活用する。それだけでずいぶん生活にゆとりが生まれるでしょう。
勉強熱心な先生のことだから、そうして生じた余暇も、ブログの執筆にあてるだろうと思います。ますますいい循環が生まれる、というわけです。
読者から金をもらうとなれば、先生のほうにもある種の緊張感が生まれて、ブログの質も上がる。そういう効果もあろうかと思います」

答えはまだ出ていない。しかし、正直、揺れています^^;
近々、有料化するかもしれない。
ただ、某氏に一言反論したい。
僕の場合、金銭的インセンティブに比例してブログの質が上がるだなんて、絶対にあり得ない。
すでに本気でブログに取り組んでいるのだから、これ以上の本気になんて、なりようがないじゃないの。