院長ブログ

スタチンと認知症

2018.5.28

コレステロールを下げる薬のうち、スタチンと呼ばれるタイプのものがあります。具体的には、クレストール(ロスバスタチン)、リピトール(アトルバスタチン)、ローコール(リピトール)、リバロ(ピタバスタチン)などです。

スタチンと認知症の関係は、スタチンが一般臨床で使用されるようになって以後、長らく言われ続けてきました。
危険性を裏付ける臨床データは無数にあります。FDAも、認知症になる危険性がある、との文言を添付文書に盛り込むよう声明を出しています。しかし決定打がない(危険だと断言できるだけのRCTがない)ということで、いまだに臨床では広く使われています。

僕の個人的な経験から言っても、認知症の人でスタチンを飲んでいる人は非常に多い印象を受けます。
処方している主治医の意向もあるでしょうから、無理に服用をやめさせることはしません。
こういうのって、医者同士の暗黙の仁義、ってところがあります。たとえ危険性を示すエビデンスが万全だったところで、向こうのお医者さんからすれば、「俺の処方にケチつけようってのか」って感じなわけで、僕も好き好んで波風立てたくありません。
しかし、不利益をこうむり続けるのは、他ならぬ患者さんです。
だから、僕なりのささやかな抵抗として、患者さんにはさりげなく伝えます。「別にそんなに無理してコレステロール、下げようとしなくていいんですけどね」と。
「いや、私はね、もうこの薬を○○先生から何年も出してもらってて、何の問題もありません。これで健康保ててます」と言われるようであれば、素直に引き下がります。
認知症患者の治療となれば、可能性のある芽は少しでも摘んでいきたいんだけど、実際の臨床現場って、そういう「データがものをいう」だけの単純な世界じゃなくて、いろんな人のいろんな思惑があって、なかなか難しいものなんだなぁ。

https://www.youtube.com/watch?v=aeJKA8XDAi8

認知症は治る病気

2018.5.28

デール・ブレデセン著『アルツハイマー病 真実と終焉 認知症1150万人時代の革命的治療プログラム』(ソシム出版 2018年3月)についての解説動画をyoutubeに上げました。

認知症の原因は、炎症か、栄養不足か、毒素か、のいずれか(あるいは複数)であり、これまで一般に認知症の原因とされてきたアミロイドβは、原因というかむしろ脳の正常な防御反応だ、と著者は説いています。

内容自体は『アルツハイマー病は脳の糖尿病だった』(森下竜一、桐山秀樹著 青春出版社 2015年1月)など、すでに類書を読んでいれば、とりたてて新味は感じませんが、認知症研究で世界をリードするまさにその人の手になる著書ということで、非常に説得力を感じます。

認知症は誰もがかかり得る恐ろしい疾患、ではもはやありません。原因はしっかりと特定され、予防法(および対処法)がすでにあります。
ご家族に認知症患者がいる人は、まだ発症しないうちからブレデセン氏の方法を意識して生活に取り入れるのもよいかと思います。生き生きとして活動的な高齢者になれますよ。

解説動画では総論的な説明に終始せざるをえませんでしたが、ブレデセン氏の認知症改善プログラム『リコード法』の詳細(どんな食事を心がけるべきか、どんなサプリメントをとるべきか、どんな脳トレをすべきか)については、ご自身で著書を読んでみてください。

https://www.youtube.com/watch?v=VbwgfsFMQXM&t=2s