2019.7.20
「世界から貧困をなくし、みんなが等しく豊かな生活を享受できる社会を目指そう」という共産主義の理想は間違っていないと思う。
労働者がとことん搾取され、一部の資本家だけが笑う。マルクスはそういう状況が許せなかったんだな。
しかし悲しいことに、国家が本腰入れて共産主義の理想を実現しようとすると、全然ダメだった。
それは優秀な人を潰すシステムだからだ。
世の中には有能で100稼ぐ人もいれば、10しか稼げない人もいる。国が「個人の能力に関係なく、とにかく労働に対して一律に50支給します」と方針を決めれば、稼げない人にとってはありがたい話だけど、有能な人にとってはバカバカしい。マジメにやってられるか、となって、有能な人は手を抜いて働くようになる。結果、全体の生産が低下し、やがてシステムとして破綻する。
かといって、資本主義が正しいかというと、全然そうとも思えないのよ。
今の日本を見てみなよ。派遣社員が安い賃金で搾取されている。たとえ正規雇用でも過労死するほど働かされ、っていう状況を見れば、もう少し何とかならないか、と思う。
山本太郎の政見放送を見た。
確かに、障害者や経済的弱者が住みよい社会は、万人に住みよい社会だと思う。消費税を廃止し、奨学金の返済をチャラにしてくれるという。実に魅力的な提言だね。
しかし消費税を廃止したら、財源をどこから持ってくるのか。累進課税の強化、と彼はいう。
個人的に、自分がなんぼ稼いでいるのかよく知らない。金の管理はごうちゃんに全部任せているから。しかし累進課税が強化されれば、僕は多分、ダメージを受ける側の人間だと思う。
それでも、山本太郎の語る理想の社会を見たいと思った。
強者と弱者の格差が、富める者と貧しい者の格差が、少しでも解消して、この世にある笑顔が少しでも増えれば、という夢に賭けてもいいような気がした。
『NHKから国民を守る党』の政見放送もおもしろいんだけどね。
僕は家にテレビがないから受信料払ってないんだけど、今後NHKはスマホ持ってるだけの人からも受信料徴収する方針らしい。これはNHK国民なめとるなって思ったから、ここに入れようかなって思った。
けど、山本太郎と比べるとイロモノなんよねぇ^^;
理想の美しさ、というのは確かにある。
冷静に見て、実現は不可能だろう。しかしその実現に向けて、懸命に努力する。そのこと自体、その努力自体に意味がある、という側面もある。
数学には未解決問題がある。多くの数学者がその解決を目指したが、あえなく破れ去った。しかしその過程で、多くの系が生まれた。問題の解決には至らなかったものの、数学の世界をより富ませるような発見が生まれたということだ。
同様のことは哲学でもある。「人はなぜ生きるのか」もちろん、答えはない。しかしこの問いに真剣に向き合うことで、人間の何たるかが浮かび上がり、多くの思想が、小説が生まれた。
答えは、なくてもいい。
その努力が、実現しなくてもいい。
しかし答えに向けて努力する、そのプロセスに意味があるのだ、ということ。
こういう例にならっていうと、僕には夢がある。
普段はこんなこと、言わない。でもこの文脈だから、あえて言おう。
僕の夢は、この世から病気をなくすことだ。
「何をバカなことを言っている。病気がなくなるわけないじゃないか」
多くの人はそう言うだろう。
しかし僕は、全然そう思わない。普通に可能なことだと思っている。
人間は生来食べるべきものを食べ自然に生活していれば、病気にかからないようにできている。
プライス博士が言っている。西洋文明と接触する前の原住民社会では病気らしい病気がまったく存在しなかった、と。先祖代々、古来の知恵が生きた伝統的社会では、現代の難病奇病は存在しなかったのだ。
「西洋文明を一切放棄して、大昔の生活様式に戻れ」と言っているわけではない。
西洋文明の恩恵を生かしながらも、病気にならない方法があるはずだと、僕は考えている。
まず、教育を変えることだ。小学校中学校の義務教育の時点で、便利な文明の利器にはメリットだけではなくてデメリットがあることをきっちり教える。これだけで防げる不幸は相当多いはずだ。
さらに、製薬会社に牛耳られた大学の医学部教育を変えることは絶対的に必要だろう。医者が変わらないと、医学は変わらない。
もちろん僕個人に、そんな巨大なシステムを変える力は到底ない。
しかし、僕は患者に言い続ける。クリニックに来てくれた患者に、健康への道を示唆する。
そうして回復した患者一人一人の意識が変わって、社会が少しでもいい方向に変われば、と思う。
妙な話だけど、明日の選挙、一応の民意として僕もどこかに投票する気でいるんだけど、誰が勝ってもいいと思っている。
結局世界を本当に変えるのは、当選した議員じゃなくて、個々人の意識なんだよね。
2019.7.19
『グルタミン酸ナトリウム(MSG)の神経系に対する影響』という論文(1954年)がある。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kjm1952/3/4/3_4_183/_article/-char/ja/
抄録を訳してみよう。
(1)イヌ、サル、ヒトの運動野の灰白質に高濃度のグルタミン酸ナトリウム(アスパラギン酸ナトリウムでも同様)を作用させると、潜伏期のごく短い間代性けいれんが起きる。
(2)イヌの循環器系に少量のグルタミン酸をいれると、投与から20分間、条件反射(唾液分泌)を促進し、その効果は数時間続く。
(3)グルタミン酸ナトリウム(MSG)に関する上記の二つの効果は、MSGが高等動物の中枢神経系に対して直接的な生理作用を有していることによるものと考えられる。
この論文は、グルタミン酸というごくシンプルな形をした単なるアミノ酸が、大脳皮質に対して強い興奮作用を持つことを初めて示したもので、当時なかなか画期的だった。
その後の研究で、グルタミン酸は学習・記憶に重要な働きをしていることが示された。学習した新たな記憶が側頭葉で長期記憶に移行する際に、神経伝達物質としてグルタミン酸が不可欠だということがわかったのだ。
この論文の著者は、こうした知見を踏まえて「グルタミン酸ナトリウムを摂れば、頭が良くなる」と唱えた。
味の素社にとって、これほどありがたい学説はない。そこらへんの三文学者が言っているのではない。天下の慶應大学医学部の教授が、緻密な研究に基づいて主張しているのだから、自社製品を売り込むのにこれほど心強い援軍はない。
同教授はテレビ出演や全国での講演に引っ張りだこになった。
受験戦争が加熱し始めた頃のことである。子供のご飯の上にふりかけ代わりに味の素をかけて食べさせることが、教育熱心な親の間で一大ブームとなった。幼稚園の園児に味の素を食べさせ知能指数の変化を測定する研究さえ行われた。
もちろん無意味である。
味の素ふりかけのおかげで成績が上がった子供はいないし、IQが上がった園児もいない。
無意味どころか、当初の研究論文を素直に読めば、MSGは興奮毒そのものである。唾液分泌を促進させ食欲を増進させる作用はあっても、動物にけいれんを起こさせる。しかしこの興奮毒性はなぜか「神経の働きを高めてくれる」と好意的に解釈され、味の素の普及を後押しする宣伝に使われた。
1957年眼科医のルカとニューハウスは、幼いマウス(授乳中)と成人マウスにグルタミン酸やアスパラギン酸がどのような眼疾患を引き起こすかを調べた。
MSGを投与したマウスを解剖すると、網膜全体の神経細胞が損傷されていた。最もひどいダメージが見られたのは幼いマウスだったが、成人マウスにも重大な損傷が見られた。グルタミン酸ほどではないが、アスパラギン酸の投与でも同様の損傷が認められた。(アスパラギン酸は、人工甘味料のアスパルテームに含まれている。)
この発見は医学界からも食品業界からも完全に無視された。
当時すでにベビーフードには大量のMSGが添加されていた。
MSGを添加するだけで、まずい粗悪な食品がすばらしく美味しいごちそうに早変わりするのだから、食品業界にとってはMSGはなくてはならない存在になっていた。
ルカらの論文から10年後、この論文の重要性に気付いたのが、ジョン・オルニー博士である。
1968年オルニー博士はルカらの実験を再現し、同様の結果を確認した。しかしこの追試にあたって、彼は新たな事実も発見した。MSGによって損傷されるのは網膜だけでなく、脳室と隣接する視床下部など脳室周囲器官の神経細胞が全体的に破壊されていることに気付いたのだった。
脳室周囲には血液脳関門(BBB)がないため、MSGの毒性を強く受けるのかもしれない、と彼は考えた。
彼の仮説はその他の動物を使った実験で何度も確認されたが、この重大な発見に注意を向ける人はほとんどいなかった。
食品業界はベビーフードにMSGを添加し続け、母親たちは我が子がそのベビーフードを食べるのを見て喜んでいるのだった。
視床下部は指先ほどのごく小さな器官であるが、人間の恒常性の維持に果たす役割は極めて大きい。成長、性行動、内分泌、食欲、睡眠覚醒サイクルだけでなく、意識そのものにも影響を与えている。
オルニー博士は、別段高用量のMSGを実験動物に投与したわけではない。人間が食べるのと同等割合の量を投与し、そして視床下部に重大なダメージが生じることを確認したのだ。そして、幼いときに視床下部がMSGで損傷された動物では、低身長、肥満、生殖系異常が起こることを確認した。
後の研究では、MSGによって性ホルモン(特に黄体ホルモン)の過剰分泌が促され、思春期早発症を引き起こすことがわかった。性ホルモン系、内分泌系の異常は、すぐには現れず、ある程度成長してから現れる。
味の素が無害だというのであれば、原材料のところに堂々と『味の素』と書けばいい。なぜ『調味料(アミノ酸等)』などとボカしたようなあいまいな表現を使うのか。
会社は当然気付いている。自社製品なんだから、強みも弱みも充分把握している。
消費者がそれを知って食べる分には問題ない。「まずい飯を食うぐらいなら、味の素入りのうまい飯を食って早死にする方がマシ。健康のために味気ない飯を食い続ける人生に何の意味がある?」という人も一定数いるはずだから、そういう人は好きにすればいい。
問題なのは、この添加物の有害性が周知されていないところにある。
我が子が喜ぶ顔見たさに、手料理に味の素を入れまくるお母さんも世の中にはいると思う。
それは多くの場合、時限爆弾だ。よほどの大量使用ならともかく、一般的な使用量では毒性はすぐには出ない。
しかし子供がある程度成長し、内分泌系や神経系の病気を発症してからでは、もう遅い。子供に興奮毒を食べさせ続けたのはお母さんだから、その病気はお母さんのせいなんだけど、子供がおいしそうに食べる顔が見たい親心がアダになるなんて、こんなデタラメが起こってはいけない。味の素の毒性は、義務教育でしっかり教えるべきだと思う。
「危険性を示すデータは充分にあって、良心的な研究者が警告を発するが、政府はまったく規制に乗り出そうとしない」という構造は、電子レンジによる健康リスクとほとんど相似形をなしているようだ。
現代社会は毒にあふれている。
悲しいことだけど、「国が認めてるものなんだから、大丈夫だろう」という性善説では自分や家族の健康を守れなくなっている。いつの間にか、国民の健康よりも企業の利益が優先されるようになったんだな。
無知による悲劇を防ぐには、知識を仕入れて自分を守るしかない。
参考
“Excitotoxins”(Russel Blaylock著)
2019.7.18
世の中には定説というものがある。定説は、基本的にはくつがえらない。
それが定説の定義のようなものだ。
誰にも否定しがたい重大な新事実が明るみに出るとか、革新的な理論が既存のパラダイムにとって代わるとか、よほどのことがない限り、定説は定説であり続ける。
たとえば「911事件はウサマ・ビンラディン率いるイスラムテロ組織が起こした同時多発テロである」というのが定説で、これは将来、歴史の教科書にも事実として語り継がれていくことだろう。
「癌がビタミンCの静注で治るなどというデマが横行している。このようなデマにだまされて、癌の標準治療(手術、抗癌剤、放射線)で救われたはずの命が失われている」というのも定説。医学部でビタミンの効用が教えられることはない。ただ、欠乏症(壊血病、脚気、くる病など)に対するビタミン投与が説かれるのみである。
旅客機が突っ込んだWTCビルが垂直に倒壊したり(建築工学的にあり得ない)、そもそも旅客機が衝突してない第7ビルがやはり垂直に倒壊していることについて、アメリカの建築家グループが疑義を呈し政府に再調査を求めたが、もちろん再調査が行われることはない。定説だからだ。
ライナス・ポーリングが癌に対するビタミンCの有効性をRCTによって示し、その後も他の研究者によって同様の報告がされているが、医学部教育が変わることもなければ癌の標準治療が変わることもない。定説だからだ。
「大気中のCO2濃度の増加のため、地球はますます温暖化している」ということは、小学校でも教えられている定説。
しかしこれに異を唱える学者もいる。
https://www.express.co.uk/news/science/954841/ice-age-sun-nasa-noaa-space-weather-forecast-sunspot-solar-minimum-maximum
1940年代から1970年代にかけて、人間活動によるCO2排出量は増えたが、この30年間で地球の平均気温は低下傾向にあった。また、CO2排出量が増えたとはいえ、そもそも産業革命以前と現在とで大気中のCO2の割合を比べると、1万分の1%しか増えていない。
本当に地球の気温に影響を与えているのは、CO2濃度ではなく、太陽の活動度ではないか。太陽黒点の減少とそれに付随する磁気波の減弱には周期性があり、この周期性のほうが地球の気温とよほど相関が強い。
そこから推測すれば、太陽活動は現在がピーク。あと数年から数十年のうちに地球気温は次第に低下し、小氷期に突入する可能性が高い。
地球温暖化説を是が非でも推進したい人たちがいる。「CO2排出は地球温暖化の元凶である」という前提に立てば、人間の産業活動は地球の未来に対する罪悪であり国家間で規制すべきだ、という話が出てくる。発展途上国の産業を規制する大義名分にもなるし、CO2排出権なる権利を生む出す錬金術にもなる。
地球は温暖化しているのか、寒冷化しているのか。
御用学者の定説は温暖化を、異端の学者は寒冷化を、予測している。
この問題がおもしろいのは、911テロの真相やビタミンCの癌に対する有効性の話とは違って、誰の目にも否定しようのない形で真偽が明らかになるところだ。
夏が全然暑くならず、東京の冬が北海道並みの寒さになれば、世間はちょっとしたパニックになるだろう。どちらの説が正しいのか、世界中の人が肌で体感することになる。
そのとき、政府は、マスコミは、御用学者は、どう弁明するのだろう。小中学生に地球温暖化を刷り込んだ教科書はどうなるのだろう。
多分僕が生きているうちに答えが出るだろうから、今から楽しみなんだよね。
If global cooling will come soon – scientists will lose trust.
2019.7.16
一般の医者が認知症を治癒させた例はない。
日本の保険医療はデタラメで、効果がないとわかっている抗認知症薬がいまでも普通に処方されている。
フランスは賢明で、今年から抗認知症薬が保険適応からはずれた。
「効果がないものに、国のお金は使えません。やりたい人は自費でどうぞ」ということだ。
国民の健康を預かる機関としては当然の姿勢だよね。日本が異常なんだ。
そう、一般の医者には、認知症は治せない。
医学部教育でビタミンなどの栄養のことをろくに学んでないし、ある種の毒性物質が脳神経系に及ぼす悪影響のことも教わらない。
認知症は長年の誤った生活習慣(特に食生活)が作り出す病気だ。
生活面での改善を指導できない医者が、この病気を治せないのは当然だ。
逆に、そのあたりを適切に指導すれば(摂るべきものを摂り、避けるべきものを避ける)、認知症は改善する。
症状が大幅に進行していた場合、治癒は難しいが、少なくとも症状の進行を遅らせることは可能だ。
具体的にどうすればいいのか。以下に見ていこう。
・動物実験、疫学研究などで認知症を引き起こす可能性が指摘されている物質がある。
脳神経系を刺激する興奮毒(グルタミン酸ナトリウム(MSG)、植物タンパク質加水分解物、アスパルテームなど)だ。
まず、こういう物質を避けること。
・認知症の発症機転にはフリーラジカルによる神経系の損傷が関わっている。
ある種のビタミンやミネラルには、フリーラジカルを消去する働きがあることがわかっている。
ビタミンでは特にC、E、βカロテンが重要だ。ミネラルではセレン、亜鉛、マグネシウムが有効だ。
・アスピリンなどの抗炎症作用のある薬(NSAIDsなど)を定期的に服用している人では、認知症の発症率が低いことがわかっている。
興奮毒によって脳神経系がダメージを受ける機序には、プロスタグランジンなどの炎症物質の生成が関与している。
NSAIDsはこの炎症を鎮めることで、同時に認知症の発症も抑制しているようだ。
ただし、NSAIDSは副作用の多い薬でもある。認知症予防のために飲んで、胃潰瘍や消化管出血を来たしてはバカらしい。
要するに、ポイントは抗炎症作用、ということだ。
栄養成分でいえば、オメガ3系脂肪酸には抗炎症作用があることが知られている。
魚(特に冷たい海域に住む魚)に豊富に含まれているから、積極的に食べるといい。
週に3回以上食べるように努めれば、脳のオメガ3系脂肪酸の濃度が上がることが期待できる。
・脳というのは特殊な器官で、脳内にどんな物質を取り入れるべきか、大いに選り好みする(この点、ひとまず何でも取り込んで分解や合成を行う肝臓と対照的)。
これを、血液脳関門(Blood-Brain Barrier; BBB)という。
認知症患者ではこのBBBが破綻し、関所の機能を果たしていない可能性が指摘されている。
腸のバリアの破綻は、リーキーガット症候群として知られているが、これにならっていうと、認知症は『リーキーブレイン症候群』といえる。
近年、腸と脳が密接な関係にあることが言われている(腸脳相関)が、認知症患者では腸の状態が好ましくない可能性がある。
腸や脳がリーキー(漏れている)であることによって、体内(脳内)に炎症物質が侵入しやすくなることが認知症の病態の一端であるかもしれない。
・脳はグルコースを取り込んで、それをエネルギー源にしている。しかしグルコースを取り込む際、血中のグルタミン酸がその取り込みを阻害する。
つまり、MSGが毒性を発揮する機序のひとつは、脳でのグルコース代謝阻害によるものだ。
そう、世間一般で言われるように「グルコースは脳の大切な栄養素」というのは正しい。
しかし、だからといって「脳の栄養補給のために、甘いものを食べましょう」となっては危うい。ビッグシュガーの宣伝文句に乗せられてはいけないよ。
精製した白砂糖は反応性低血糖を引き起こす。ソフトドリンクのような液状で摂ると、特に危険だ。
個人的には、認知症患者で「自分は甘いものは苦手で、ほとんど食べません」という人は見たことがない。例外なく、甘党ばかり。
グルコースの供給は米を食べていれば十分。砂糖は嗜好品。人間の生存に必須ではない。
血糖値を安定させ、反応性低血糖を防ぐには、定期的な運動が有効だ。
別に激しい運動でなくてもいい。散歩するだけでいいから、体を動かすようにしよう。
(続く)
参考
“Excitotoxin”(Russel Blaylock著)
2019.7.14
「NOW社のナイアシンよりも、SOLARAY社のナイアシンのほうが、効くんです。
最初は気のせいかなって思いました。でも、何度か自分の体で試しているうちに、確信に変わりました。明らかにソラレー社のほうが効いていると」
患者からこのような声が二、三寄せられたことを受けて、うちではナウ社のナイアシンはオススメしないようになった。
患者から学ばせてもらうことは多いと、つくづく思う。
しかし、なぜだろう。
どちらのメーカーもナイアシン500mgで、成分に違いはないはず。
それなのに、利用者の体感が全然違う。一体何がこの違い生み出しているのか。
裏の原材料表示を見てみる。
まず、ナウ社のナイアシン500mg。
次に、ソラレー社のナイアシン500mg。
英語のわかる人は、ナウ社のほうには添加物として、ステアリン酸マグネシウム(植物由来)との記載があるが、ソラレー社のほうにはその記載がないことに気付くだろう。
どうやらこのあたりにヒントがありそうだ。
『サプリの中の毒』という、なかなか刺激的なタイトルのサイトを見つけた。
ざっと訳してみよう。
ステアリン酸由来の塩(ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなど)はサプリの製造過程でしばしば潤滑剤として用いられている。
サプリの栄養成分の原料そのままでは、機械で加工するときに手間がかかるが、ステアリン酸を混ぜることで栄養分子がコーティングされた形になり、機械での製造スピードが上がるのだ。
ただ、危惧すべきは、このとき用いられる油の質だ。
ステアリン酸は菜種油かヤシ油に水素添加して作られているが、菜種油はすべての商業作物のうち、最も残留農薬濃度が高い穀物として知られている。大量の農薬を散布されて育っているためだ。この油は水素添加の過程で、金属触媒の存在下、数時間ほど加熱加圧され、水素添加飽和脂肪となる。
水素添加された植物油は脂肪酸由来箇所に変形した分子があって、これには毒性がある可能性がある。
また、水素添加の際に使われる金属触媒も、生成したステアリン酸塩を汚染している可能性もある。
こうした毒性の問題がある一方、吸収率低下という問題がある。
Pharmaceutical Technology誌に発表された研究によると、ステアリン酸塩で加工した栄養素とステアリン酸塩で加工してない栄養素で、20分あたりの溶解率を比べたところ、前者では90%、後者では25%だった。ステアリン酸塩による加工によって、溶解率が65%低下した形となった。
当然、栄養の吸収率も落ちる。消化吸収力の落ちた人ではなおさらのことだ。
まとめてみよう。
結局、ステアリン酸マグネシウムの何が良くないのか。
具体的には、
・ステアリン酸塩を作る際の菜種油に含まれる残留農薬のリスク
・水素添加した植物油のリスク(これって、トランス脂肪酸みたいなもんでしょ)
・水素添加の際に使われる金属触媒からコンタミがあるリスク
・サプリの栄養素をステアリン酸塩で加工することによる吸収率低下
といった問題が挙げられる。
『ステアリン酸マグネシウム(植物由来)』なんて記載を見たら、
「ほう、マグネシウムがオマケで入ってるのか、しかも植物由来で健康に良さそうじゃないか」って、思ってしまいかねない。業者側もこのミスリーディングを狙ってるんじゃないかな。
事実は真逆だっていうね。
健康のためによかれと思ってサプリを飲んでいるのに、それで体を害するなんてことは絶対に避けたい。
みんなが使ってるメーカーだから安心、有名な先生が勧めてるメーカーだから安心、とは限らないから、気をつけよう。