ナカムラクリニック

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2020年1月

癌の代替療法

2020.1.25

癌患者は、自分が癌にかかる前に、すでに自分の身内が癌によってどうなったかを見ているものである。
医者の言うがままにいわゆる癌の標準治療(手術、抗癌剤、放射線)を受けた。それで助かったのならまだしも、まず、治療の甲斐なく命を落としている。医者は「手を尽くしましたが、癌の病勢に打ち勝つことはできませんでした」と頭を下げる。そうして頭を下げられると、何も言えない。「いえ、こちらこそありがとうございました」と場を収める。
しかし内心は違う。「ほんまかいな」と思っている。抗癌剤治療をやりだしてから明らかに体調が悪くなった身内の姿を、すぐそばで見ている。「治療どころか、死期を早めたんじゃないのか?」それが心の奥深くに潜む本心である。
さて、今度は自分が癌の診断を受けてしまった。身内と同じ轍は踏むまい、と決めているから、とりあえず医者の勧める標準治療は拒否する。
問題はそこからだ。これから、どうしたものだろう?
代替療法の探索を始めることになる。

ビワの種には抗癌作用が確認されている(もっとも、これはビワに限らず、バラ科植物(リンゴ、アンズ、サクランボ、桃、梅など)の種全般に言えることである)。
『アミグダリンの抗癌・抗腫瘍作用は本物か』http://immunopathol.com/PDF/ipp-2-e22.pdf
この論文では、アミグダリン(ビワの種に含まれる成分)が抗癌作用を発揮する機序について考察されている。結論部分で、癌だけでなく、動脈硬化、糖尿病の治療にも有効だと述べられている。
こんなふうに、すでに有効性が実証されているビワの種だが、「ビワ 種」で検索してみるといい。トップに来るのは、なんと、日本医師会監修のこのサイトである。
https://www.med.or.jp/people/knkshoku/biwa/
実に丁寧な作りで、いかにビワの種が危険であるかが力説されている。これだけクソミソにけなされたら、杏仁豆腐の立場はどうなる^^;
すごくわかりやすいページ構成で、かつ、検索のトップに来るということは、相当なお金が動いてるに違いない。
お上が躍起になって「ビワの種、ダメ!絶対!」と強調するということは、つまり、ビワの種は癌に効くということです^^;
そもそもバラ科植物の種は昔から漢方や料理に使われている。桃の種はトウニン(桃仁)として漢方の生薬そのものだし、杏仁豆腐はその名の通り、アンズの種(アンニン)を風味付けに使っている。呼吸器内科には、咳止めにキョウニン水を好んで処方する先生もいる。メジコンやフスコデが全然効かない頑固な咳も、これ一発で治ったりする。
ビワの種も、漢方では枇杷仁として「肝臓病、浮腫、咳、関節痛、風邪予防」などに効果があるとされている。
大昔から利用してきた生薬なのに、いまさら日本医師会が「青酸が猛毒!」などと危険性をわめきたてても、説得力ないよね^^;
ビワの種がなぜ癌に効くかの機序までわかっているのだから、癌の人は上手に利用すればいい。
ただし「ビワの種で癌が治る!」みたいな過大な期待はしちゃダメだよ。癌になったからには、長らくの不摂生とか生活習慣のゆがみが背景にあるはずで、そこの改善に取り組むのは絶対の必要条件。
そのうえでプラスして、ビワの種とかその粉末がネットで売っているから、試してみるといい。

日本医師会も患者を民間療法に走らせまいとして必死やのぉ笑
でもね、このネットの時代、もう情報の拡散は防げないと思うよ。
患者は、自分の家族が抗癌剤で死んでいくのを間近に見ている。こんなもんが治療じゃない、ということはわかっている。
というか、国(厚労省の役人)だってわかっている。抗癌剤は実は増癌剤で、こんなもんで癌が治るわけがないって、わかっている。
アメリカではその嘘がばれてきて、医者に言われるがままに抗癌剤治療を受ける人が減ってきたから、癌死亡率が減ってきた。

行き場のない抗癌剤の在庫処分場として、日本はいいように使われている格好で、世界で唯一癌死亡率が上昇している。
情報をきちんと仕入れて、自分の命は自分で守る、という意識がないとダメだよ。

前のブログで紹介したけど、重曹を使うのも有効だ。
『癌治療における緩和手段:炭酸水素ナトリウム~バカげた考えか、賢明な治療法か』
https://serval.unil.ch/resource/serval:BIB_197D722EF7F0.P001/REF.pdf
「医学の進歩にもかかわらず、癌は先進国の主要な死因であり続けている。結果、ますます多くの患者が代替療法に注目している。こうした治療法のなかでも、相当な関心を引いているのが、重曹(重炭酸ナトリウム)による癌治療だ。インターネット上にある自己治療報告によると、多くの患者は重曹を、簡単で、安く、しかも有効な抗癌剤だと感じている。これまでのところ、重曹の抗癌作用を実証する臨床研究はないが、多くの患者が自分の体で試した報告が、重曹による癌の進行遅延効果を示唆している。本稿において、我々は癌治療において重曹を利用する理論的妥当性を検証し、さらに、重曹の抗腫瘍活性の実験エビデンスを列挙している。
最後に、癌治療において重曹が果たす今度の役割について推測した」

重曹による癌治療を提唱したシモンチーニ博士は、40年以上にわたって多くの癌患者を救ってきたが、医学界から追放の憂き目にあった。
しかしこの方法は極めて簡単なので、その気になれば患者が自分で試すこともできる。そのため、世界中の癌患者が実際に自分で重曹を試し、その治療効果をネット上に発信している。
もう、そういう時代なんだ。医療のウソがばれて、患者に本当の情報が伝わる時代。すばらしいことだね。
そこで、シモンチーニ氏の方法をここで紹介しよう。
そもそも重曹は適量であれば無害だから、量的に厳密である必要はないけど、静脈点滴で行く場合は、5%炭酸水素ナトリウム溶液500㏄の投与でもって1回とする、というのが一応の目安。
でも、たとえば画像のようなメイロン8.4%を500㏄で行っても無害であることが確認されている。

この投与を6日間続け、次の6日間は休止する(あるいはこの休止中にビタミンC点滴をするのもいい)。
これを4~6サイクル行うと、ほとんどの癌は消滅する。部位や癌巣の状態にもよるが、通常は3~4日で退行を始め、5~6日でコロニーが崩壊するという。
飲用で行う場合は、10~20%の重曹水溶液を100~200mlくらい飲む。ざっと、コップ一杯に重曹を中さじ一杯いれる具合だ。
注意点としては、
・アルミニウムを含まない調理用の重曹を使うこと。
・1日に1回でいい。
・6日続ければ6日休むこと。
・癌が治ったらやめること。

ひとつの代替療法に猛烈に期待するのではなくて、効果があるとされている方法をいくつか組み合わせて使うといい。「救われるにはこれしかない!」という視野狭窄は危ういよ(「癌を治すには標準治療しかない!」という思い込みも含めてね)。
当院でも、癌患者にはビタミンC点滴やら各種ハーブやら、いろいろなものを使って対応している。
でもこのやり方でちょっと困るのは、癌が治っても「一体何のおかげで治ったのかよく分からない」っていうね^^;

参考
『ガンの新しい治療法』(シモンチーニ監修 世古口裕司著)

アシドーシスと病気

2020.1.23

前回に引き続き、癌は重曹で治癒できる、という研究を挙げる。

『癌細胞は重曹(重炭酸ナトリウム)によって打ち負かすことができるのか』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5954837/
「巨大な肝細胞肉腫(HCC)に対する肝動脈閉塞療法(TACE)の改良版のやり方について、Chao et al.が報告している。これによると、抗癌剤に5%の重曹(重炭酸ナトリウム)を加えて腫瘍に注入するのである。
小規模な無作為比較試験では、重曹を加えたTACEによる客観的反応率(ORR)は100%だった。TACE単独投与群のORRは63.6%であり、有意な改善率が示された (Chao et al., 2016)。
著者らは重曹によって腫瘍の乳酸アシドーシスが是正されることを期待していることから、この方法は腫瘍内乳酸アシドーシス標的TACE(TILA-TACE)と命名された。
著者らは以前、in vitro(試験管内)の研究で、乳酸アシドーシスがあると癌細胞はグルコース飢餓の状態になっても能率的に生存し続けることを示した(Wu et al.,2012)
乳酸アシドーシスという現象は、酸性度の上昇(アシドーシス)と乳酸の蓄積(ラクトーシス。乳酸血症)が特徴である。腫瘍に直接重曹を注入するTILA-TACE法によって、腫瘍内部の微小環境で乳酸濃度は変化させず、pHを上げてアシドーシスを改善することが期待できる。
この方法のキモは、乳酸アシドーシスの改善というよりは、アシドーシスの改善である。in vitroの研究では、ラクトーシスではなく、アシドーシスこそが、グルコース欠乏下の癌細胞の生存期間を延伸させることが示された(Wu et al., 2012)。
腫瘍細胞の生存にとってアシドーシスのほうがより重要であることを考えれば、重曹を腫瘍に注入して腫瘍内のpHを上げるだけで、腫瘍のアポトーシスが劇的に増えたことは、特別驚くほどのことでもないだろう」

上記の研究は中国のもの。
重曹を抗癌剤と併用することで有効性が高まった、という研究だけど、重曹の単独注入でも十分効果が出たに違いない。しかしそういう研究デザインでやってしまうと、製薬会社から研究資金提供が受けられない、というジレンマがある。「薬いらんやん」という研究を、製薬会社はスポンサーしない。
しかし重曹の有効性を確認しようという姿勢だけでも立派というべきで、日本ではこんな研究は望むべくもないだろう。

癌と診断された人は皆、インターネットでいろいろと調べるものである。そして「癌に甘いものは大敵」ということを知り、砂糖菓子はもちろん、厳しい糖質制限をしたりする。ここまではいいとして、でもそれだけでは充分ではない、ということを上記研究は示している。アシドーシスの条件下では、グルコースの供給を断っても癌細胞は死なないわけだから。

甘いものをやめることに加えて必要なのは、体をアルカリに保つ生活習慣を意識することだ。
体液をアルカリにすることの重要性は多くの医療者が言っている。
以前ブログで紹介したDr.Sebiもそうだし、ゲルソン療法で有名なマックス・ゲルソン医師も言っている。”alkaline diet cancer”で検索すると、多くの本がヒットする。癌の背景に体液の酸性化があって、癌の改善にはアルカリが重要だというのは、欧米では相当広く認識されているようだ。

実はアルカリが大事なのは、癌の治療に対してだけではない。Dr.Sebiは「すべての疾患は、体液の酸性化から起こる」とさえ言っている。
これは極論だとしても、一般の医学でも重曹の有効性を認めている疾患はけっこう多い。
メニエール病にメイロン(炭酸水素ナトリウム)を点滴するのは耳鼻科医には当たり前の知識だし、潰瘍や胸焼けに重曹が効く機序は小学生にも理解できる(胃酸が中和されるわけだから)。
しかし、たとえば自己免疫疾患にも重曹が効く、とまでいうと、多くの医者は眉をそびやかすだろう。しかしこんな研究がある。
『重曹の飲用により、安く安全に自己免疫疾患を治すことができる可能性』
https://www.sciencedaily.com/releases/2018/04/180425093745.htm
「関節リウマチなどの自己免疫疾患による破壊的な炎症が、毎日重曹を飲むだけで軽快する可能性がある。本研究は、安価なOTC医薬品の制酸薬である重曹が、脾臓に作用することで抗炎症環境を作り出し、その結果、炎症性疾患に効果を発揮することを示した最初のエビデンスである」

「酸性になると病気になるのだから、重曹を摂取してアルカリに戻してやればいい」というのは議論としては乱暴すぎるけど、深く考察してみる価値のあるテーマだと思う。

シモンチーニ

2020.1.23

イタリアの医師トゥーリオ・シモンチーニは「癌はカンジダ(Candida albicans)が原因であり、重曹(sodium bicarbonate)の投与によって治療可能である」という考えのもと、多くの癌患者を治療したという。
癌が重曹で治るとすれば、副作用の多い抗癌剤(というか、副作用で患者を死に至らしめる抗癌剤)を使う必要がなくなるわけで、極めて画期的な発見である。
しかし日本では彼の業績はほとんど知られていない。
いや正確には、知っている人は知っていて、それを広く知らしめようとするのだが、そういうことをすると当局から様々な圧力がかかる。
たとえば最近、世古口裕司氏が著書『イタリア人医師が発見したガンの新しい治療法 重曹殺菌と真・抗酸化食事療法で多くのガンは自分で治せる』を上梓し、朝日新聞の広告欄に宣伝をしたところ、各所から「医学的事実に反する」との指摘が相次ぎ、朝日新聞は以下のような謝罪に追い込まれた。
https://www.asahi.com/shimbun/release/2019/20191114.pdf
この謝罪記事は、要するに、
・シモンチーニ氏はすでに医師免許を剥奪されているのに、そういう人物の呼称に「医師」と書いた点。
・「癌は重曹で治癒する」という科学的に認められていない事柄を宣伝した点。
この二点について謝罪してるんだけど、前者はゴミくずみたいに小さい問題だし、後者のせいで謝罪するくらいなら、もう本の宣伝なんて一切できないんじゃない?
既存の考えにとらわれない新しい治療法を考案しても、頭の固い学会はそれを認めなくて、「それでは広く世に問おう」ということで本を出版する、という先生はちょくちょくいる。こういう類の本は、今後宣伝できない、ということになるのでは?
朝日新聞は、南京大虐殺とか従軍慰安婦問題とか国際的に宣伝しまくって日本の国際的地位を貶めたことについてはいまだに全然悪びれる様子もないんだよね。謝罪すべき順番というか重要度が、ぐちゃぐちゃじゃないの?^^;

検索すれば、シモンチーニ氏の業績を紹介するサイトはたくさんヒットする(ボロクソにけなすサイトも同じくらいたくさんヒットする)。
しかしそういう二次情報ではなくて、シモンチーニ氏の生の声(一次ソース)に触れるのが一番説得力がある。
英語が読める人は、シモンチーニ氏の著作”Cancer is a Fungus: A Revolution in Tumor Therapy”(『癌は真菌である~癌治療における革命』)を読むといい。

しかし値段がとんでもなく高騰している^^;需要が大きいのに当局から出版を止められているものだから、こういうことになるんだね。
でもありがたいことに、ネットの時代である。
http://getmoldtested.com/uploads/Cancer_is_a_Fungus-Tullio_Simoncini_MD_Oncologist.pdf
なんと、無料で読めてしまう。英語が読めることが前提だけど、情報は開かれているんだ。

gogle scholarで「tullio simoncini 」で検索すると、シモンチーニ氏の論文も出てきた。
http://www.artikelkanker.com/download/Cancer/CANCER%20-%20Is%20the%20Cause%20of%20Cancer%20a%20Common%20Fungus.pdf

シモンチーニ氏の方法に対して、「既存の医学で認められていない」という生産性のない批判ではなくて、真っ正面から検証すればいい。それが科学者同士のやりあい方でしょ。
と思って調べていると、こういう論文があった。
『癌の治療戦略として腫瘍の酸性度に対するアプローチ』
http://cancer.cytoluminator.com/cancer-photodynamic-therapy/Manipulating%20pH.pdf
この論文では、「癌はカンジダによって起こる」ということは一言も言っていない。ただ、癌細胞周辺では乳酸産生が亢進して酸性になっているものだから、アルカリ性の重曹を投与してはどうか、という切り口からアプローチしている。
カンジダが関与しているかどうかはともかく、治療として重曹を使うという点はシモンチーニ氏と共通している。患者の治癒こそが最優先事項だから、理屈の違いは本質じゃない。あとですり合わせていけばいい。
要約をざっと訳してみよう。

「癌の治療として、腫瘍の細胞外(あるいは細胞内)のpHに介入することは、かなりのポテンシャルを秘めている可能性がある。ほとんどの腫瘍の細胞外液は軽度の酸性である。これは腫瘍が乳酸を大量に産生するためである。
腫瘍の低酸素状態や好気的解糖は、主に低酸素誘導因子-1(HIF-1)の慢性的活性化によって引き起こされるが、これらが腫瘍酸性化の背景にある。腫瘍の酸性度は癌の進行度と相関する傾向があるが、これは、ひとつには、HIF-1が浸潤や血管新生を促進する能力を反映しているためである。
細胞外液の酸性度それ自体が癌細胞の浸潤と転移を促進し、さらに、この酸性度こそが多くの抗癌剤(軽度のアルカリ性である)に対する耐性を高め、免疫系が腫瘍を排除する働きを阻害している、ということについて、近年ますます多くのエビデンスが出てきている。
従って、腫瘍に対して細胞外液のpHを高めるアプローチは、治療戦略として充分な有用性を持ち得るものである。ネズミの実験では、重曹(炭酸水素ナトリウム)の経口投与によって腫瘍の細胞外液pHが上昇し、転移抑制と細胞毒性因子に対する反応性改善に効果があった。この治療戦略を実際の臨床現場で適用することは充分可能であると思われる。
別のアプローチとして、癌細胞のプロトンポンプを抑制する薬によっても、腫瘍の細胞外液の酸性度を緩和することが可能かもしれない。というのは、癌細胞の細胞内pHも低下することで、腫瘍の増殖を抑制し、様々な癌細胞系のアポトーシスを促進することができるからである。ヒトのメラノーマを移植したヌードマウスでは、プロトンポンプ阻害薬(エソメプラゾール)の投与により、腫瘍の成長が抑制され、生存率が高まった。
最後に、癌の好気的解糖を利用した高酸性化療法(hyperacidification therapy)の可能性について紹介しよう。これは、高血糖状態にし、さらにプロトンポンプ阻害薬(場合によってはジニトロフェノールも一緒に)も合わせて投与し癌細胞の内部を強い酸性にすることで、癌細胞を直接殺そうとする治療アプローチである。化学療法の補助的な手段として使うことも可能だろう。
プロトンポンプ阻害薬を使わない同様のアプローチとして、腫瘍の細胞外液の酸性度を極限まで高めて、そこにpH感受性のナノ分子に細胞毒性薬を詰めて、腫瘍選択的に攻撃する方法もあり得るだろう」

この論文を読んで、食物の保存技術のことを思った。
生ものを保存する、つまり、細菌による腐食から守るには、どうすればいいか。細菌の生育に適さないような極端な環境を作ってやればいい。干物(水分の完全喪失下では、菌も活動できない)、砂糖漬けあるいは塩漬け(高濃度溶液のなかでは、菌体が浸透圧を保てない)など、人間の生活の知恵は様々な保存法を編み出してきた。
上記の論文は、カンジダについて一言も言及していない。でも、極端な環境(アルカリ状態あるいは強酸性状態)にすることが、結果的には、カンジダ(=癌細胞)を叩くことにつながっている。
シモンチーニ氏の理論と全然矛盾していないところが、おもしろいね。

ストロング

2020.1.22

『ストロング系チューハイに薬物依存研究の第一人者がもの申す 「違法薬物でもこんなに乱れることはありません」』
松本俊彦氏
「ストロングZEROは「危険ドラッグ」として規制した方がよいのではないか。半ば本気でそう思うことがよくあります。私の臨床経験では、500mlを3本飲むと自分を失って暴れる人が少なくありません。大抵の違法薬物でさえも、使用者はここまで乱れません。
結局あれは「お酒」というよりも、単に人工甘味料を加えたエチルアルコール=薬物なのです。そして、ジュースのような飲みやすさのせいで、ふだんお酒を飲まない人や、「自分は飲めない」と思い込んでいる人でもグイグイいけます。そうした人たちが、ビールの倍近い濃度のアルコールをビール並みかそれ以上の早いペースで摂取すればどうなるのか。ただでさえ人類最古にして最悪の薬物といわれているアルコールですが、その害を最大限に引き出す危険な摂取法です。
お酒はお酒らしい味をしているべきであり、公衆衛生的アプローチを考えれば、本来、酒税は含有されるアルコール度数の上昇に伴って傾斜すべきです。それなのに、「税収ありき」の国の二転三転する方針にメーカーが追い詰められて、確実におかしな事態を引き起こしています」
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/strong-1

僕自身酒はときどき飲むほうなので、アルコール全般を「人類最古にして最悪の薬物」と切って捨てているところには同意しかねるけど^^;、この記事にはおおむね共感できる。
僕の患者にもストロングを飲んでいる人は多い。
どれくらい飲みますか?
「寝る前に、缶チューハイ2本くらいですね」
さらっと答えるものだから、別にそれほど多くないですね、なんてスルーしちゃいそうになるけど、ここでしっかり銘柄を聞かないといけない。
缶チューハイって、ストロングですか?
「ええ、そうです。よくわかりますね」
350ミリ?
「いえ、500です」

一般のチューハイか、ストロングかで、アルコールの意味が相当に変わってくる。
まず、アルコール度数の高さ。9%どころか、12%のものまで出てきた。

もうひとつは、アルコールと人工甘味料を一緒に飲むリスク。

アセスルファムカリウムやスクラロースの毒性については以前のブログで書いたから繰り返さない。
これらは単独で摂っても有害だが、アルコールと一緒に摂取することで、毒性の相乗作用が起こる。つまり、アルコールの害と人工甘味料の害の掛け算が起こる。

たとえば、こんな研究がある。
『人工甘味料入りアルコールは、砂糖などの通常の甘味料入りアルコールよりも、胃内容排出とアルコール吸収を促進する』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16945619
「オレンジ風味のウォッカ(600ml中エタノール30g含有)で、通常のショ糖で味付けしたものを飲んだ場合と、人工甘味料で味付けしたものを飲んだ場合で比較した。
エコーで半減期(胃内容物が半分になる時間)を比較すると、人工甘味料が有意に短かった。
血中のエタノール濃度のピークと、0~180分の血中エタノール濃度のAUC(グラフ面積)は、いずれも人工甘味料群が大きかった。」

人工甘味料入りの酒は、普通の甘味料入りの酒と比べて、吸収が早いということだ。
論文の著者は「この研究結果は、学校教育で教えるなり缶のラベルに表示するなりして、人々に周知させる必要があると思います。消費者はアルコール度や飲む量を気にすることはあっても、吸収速度までは意識しないでしょうから」
しかしこの研究の出るずっと前から、酒飲みはこの事実に気付いていた。
「そう、吸収が早い。そんなことはね、学者さんがどうこう言う前に、とっくの昔からわかっている。だからこそ、じゃないか。だからこそ、ストロングを飲むんだよ。手っ取り早く酔っぱらえるからね。ストロング1本で、生ビール3本分くらいの酔い心地だね」

飲料メーカーも商売だから、売れるものを作る。
そして今、ストロング系が売れに売れている。相対的に酒税も安いし、企業側としては実においしい商品だろう。
しかし、これを飲む人の健康はどうか。高いアルコール度と人工甘味料の弊害とその相乗作用とで、相当なリスクにさらされることになる。
甘いジュースのようだから、CMのようにごくごくと飲めてしまう。
リスクを知っててなお「手っ取り早く酔いたいから飲む」という人は、自己責任で好きにすればいいけど、そういうリスクを知らない人は気の毒だね。

神戸

2020.1.21

神戸の地震が起こってから25年が過ぎた。
25年といえば四半世紀。干支が二周まわって余りある時間は、決して短くはない。
地震当時中学生だった僕は、大学で県外に出て社会人として働き、そして再び、神戸に戻ってきた。
うれしいこと、つらいこと、挫折、成功、いろいろな経験を積んだ25年である。

個人が大きく変貌するように、町だって大きく変貌する。この神戸の町も例外ではない。
僕にとっての25年は、成長の時間だった。世間知らずの中学生が、クリニックを開業し、一応曲がりなりにも生計を立てる術を得るに至ったのだから。
しかし残念ながら、神戸にとっては衰退の一途の25年だった。

神戸といえば港町である。
主要な国際貿易港(五大港)のひとつとされ、1970年代から80年代にかけて、神戸はニューヨーク、ロッテルダムと並ぶ世界有数の貿易港だった。
ところが地震によって港が大きな被害を受け、アジア各地から集荷していたトランシップ貨物が他の国の港にシフトすることになった。かつて世界2位だった国際順位は2000年以降20位以下となり、アジアでは釜山港にハブ機能を譲り渡す格好となった。国内においても、貿易額ランキングで東京港、横浜港、名古屋港に次々と抜かれ、神戸がかつての勢いを取り戻すことはなかった。

人口の減少も止まらない。
神戸市は人口数でかつて政令指定都市の「五大市」だったが、2016年福岡市に抜かれた。さらに2019年には川崎市にも抜かれた。
人口数、出生数、生産年齢人口の減少と老年人口の増大、都市部(東京、大阪)への人口流出、女性の非婚化が著明に進んでいる。
かつて神戸市は「株式会社神戸市」といわれた。都市開発に大成功し、全国の自治体から見学者が来るほどだった。
しかし、神戸=都会、というイメージは、もはや正しくない。少子高齢化のあおりをモロに食らって衰えゆく町。それが神戸の実態だ。

なぜ、こんなに衰退しているのだろう?その原因は?
大阪への対抗意識、三宮中心主義の失敗など、いろいろと分析されている。
https://kansai-sanpo.com/kobe-1/
個人的な実感としては、単純に、住みにくいんじゃないかな。税金が高いし、家賃も高い。
神戸の人口は減っているけど、周辺の明石や西宮の人口が増加している理由はこのあたりにあるんじゃないかな。明石に住んでてても新快速一本ですぐ大阪に出られるし、何も神戸在住っていうブランドこだわるメリットが、もはやないのかもしれないね。

でも正直、どこに住もうが、日本に住んでいる限り、大差ないんだろうなとも思う。
神戸港が衰退していると言ったけど、じゃあ現在日本トップの貿易港(東京港)が国際的にどうなのかというと、箸にも棒にもかからない。
アジアでは中国や韓国の存在感が強くて、北米やヨーロッパとアジアを結ぶ基幹航路は、もはや日本を素通りしている。
神戸が失墜したんじゃない。世界の中で、日本自体が落ち目なんだ。

人口減少も同じことで、神戸の衰退というか、日本の衰退なんだと思う。
でも僕は、全然悲観的になっているわけじゃない。それどころか、一度しっかり落ちればいい、とさえ思っている。経済的成功が幸せに直結しないことをきちんと認識し、内面の豊かさこそ、幸せにつながる唯一の道なんだと気付くきっかけになればいい。
まぁどういう価値観で人生を送るにしても、「健康であること」は最初の前提条件だ。病気で伏せっていては、成功も挫折もあったもんじゃないからね。
健康管理のためには、どうぞ当院をご利用ください^^