2019.11.26
僕の言っていることは、一般的ではないことが多いと思う。
普通の病院の普通の医者が言っていることとは、ちょっと違うことを言っている。
どの病気に対してどのビタミンが効くだとか、ワクチンは打つな、とか、そういうことは普通の医者は言わない。
世間一般の医者のほうが「正統」で、僕のほうが「異端」だということになるだろう。僕の主張の多くは、医学部で一般的に教わらないことだから。
ただ僕としては、デタラメを主張しているつもりはない。論文や参考文献など、それ相応の根拠に基づいて言っている。
しかし下記の記事によれば、僕が発信している情報は、「ニセ医療」情報ということになるのだろう。
『「ニセ医療」情報の拡散防止、プラットフォーマー各社の対策進む ツイッター、note、はてなも』
https://www.j-cast.com/2019/11/24373301.html?p=all
どういうニュースか、ざっくり説明すると、、、
各プラットフォーム(ツイッター、note、はてななど)が、科学的根拠の乏しい情報の温床になってはいけない、ということで、情報統制を始めますよ、という話。
たとえば「ワクチンには自閉症を引き起こすリスクがある」という主張など、デタラメの最たるもの。人々を不安に陥れるような情報発信は、厳に取り締まらなければならない。
かわりに、子宮頸癌ワクチンを推進する村中璃子医師や、癌の代替療法による被害に警鐘を鳴らし標準治療を推進する大須賀覚医師のような、良質な医療情報を発信する専門家の投稿は積極的に拡散を支援しましょう、というのが今後のプラットフォームの流れとなる。
すでにフェイスブックでは、内海聡医師のアカウント(フォロワー数14万人以上)が停止されるなど、言論統制は仮定の話ではなくなっている。
困った。僕にも一応、表現の自由があって、自分の主義・信条を表明する権利はあるはずだとは思うんだけど、、、
僕のブログは、彼らの基準に照らし合わせれば、「有害情報の満員電車やぁ~!」「根拠のないデタラメの宝石箱やぁ~!」(←彦摩呂風)という感じだろう。
むしろ、そういう記事しかないと思う。「抗癌剤治療のすばらしさについて」とか「ワクチンで救われた!ありがとう!」みたいな「正統」派の話は、僕には書けない(し、僕が書かずともネット上にあふれている)。
グーグルのアルゴリズムが僕のブログを「有害サイト」として認定し検索上位に上がってこないようにする、ということも将来起こり得るだろうか。
欲しい情報に自由にアクセスできる、というのが、ネットのもたらした革命的な恩恵だった。
しかし情報へのフリーアクセスは、一部の人たちにとっては、極めて不都合でもあった。
「庶民は何も考えなくていい。お上の言われるままに、ワクチン打ってればいいし、癌の標準治療を受けてればいい」と考える人たちがいる。
彼らにとっては、人々は管理のしやすいsheeple(羊のように従順な人々)であることが好ましく、妙な情報に接して自分の頭で考えるようになっては厄介だ。
特に、反ワクチンの動き、抗癌剤の有効性に対する疑問など、現代医療への不信感の増大は、もはや彼らに看過できないレベルにまで達した。
そこで彼ら、いよいよ本気で情報の取り締まりに乗り出した、ということだろう。
今のところ、僕はフェイスブックを使った情報発信はしていない。
それは、僕の文章は長文になりがちでフェイスブック向きじゃないから、ということもあるし、「イイね!」の応酬とか、投稿にコメントをくれた人への対応とか、そういうもろもろがめんどくさい、というのもある。読者と双方向のやりとりではなく、一方通行の情報発信で行こうと決めたんだ(でもそのうちフェイスブックに投稿し始めたりして^^;)
だから自分のブログに、淡々と、書きたいことを書いている。
莫大な量の情報量が行き交うネット空間である。僕がここに一文を投じても、大河の一滴で、何ほどの影響力もない。アクセスカウンターとかもつけてないから、どれほどの人が見てくれているのか、わからない。
文を書き終えた後、虚無感にとらわれることがある。「一体自分の言いたいことは、皆に伝わっているのだろうか」と。
「どうせ誰にも伝わってないって」「アホばっかりやぞ」「もうやめとけ、長い文書いて、恥ずかしいのぉ」
自己嫌悪に近いような感情にとらわれても、それでも「今日もブログを書こう」と思う原動力になっているのは、くさい言葉だけど、信じる力だと思う。
そう、僕は信じている。「僕の発信する情報によって、救われる人は必ずいるはずだ」「僕のメッセージは、届く人には届くに違いない」と。
アメリカの大統領がワクチンに対して危惧を表明してもなお、「ワクチンの危険性」について書くことは「ニセ」医学情報と認定されてしまうし、HPVワクチン報道の裁判で村中璃子氏は池田修一教授に敗れた今も、ワクチンの推進をやめない。
ウソも百回言えば真実になる、とすればこんなに怖い世の中ってないと思う。
2019.11.25
60歳女性Aが早朝に腹痛を訴えて近医救急外来を受診。対応した当直医は、冷や汗を流す患者の痛がり方が尋常ではないと思った。
CTを撮ったところ、腹腔内に明らかな異常所見があった。Aに詳しく聞くと、盲腸の手術歴があることがわかった。
これを聞いた当直医は、腑に落ちた。虫垂炎の術後、小腸と卵管が癒着し、イレウスを起こし、そこから穿孔、反発性腹膜炎、という流れだな。
すぐに消化器外科に照会し、即日入院となった。BがAの主治医として、オペ(回盲部切除術、腹腔ドレナージ術)を行った。
Bは腕のいい外科医で、手術は無事に成功に終わった。しかし不幸だったのは、Bにビタミンに関する知識がまったく欠けていたことである。
もっとも、これは一人Bの責任とばかりは言い切れないだろう。現在の医学部においてビタミンの教育に割かれる授業時間など、ほとんどないに等しいのだから。
Aは手術後完全絶食で、高カロリー輸液の点滴が継続された。ビタミン剤の混入投与は行われなかった。
数日して嘔気・嘔吐が見られるようになり、便秘がちとなった。Bは上部内視鏡検査を実施したが、どこにも異常がなかった。
さらに数日後、病棟のナースがAの意識が消失していることに気付いた。すぐさま救命措置(人工呼吸器の装着、心臓マッサージ)が行われたが蘇生することなく、そのまま死亡した。
死因は脚気衝心、つまり、極度のビタミンB1欠乏に起因する急性心不全である。つまり、主治医Bのビタミンに関する無知が引き起こした悲劇だった。こういう医療ミスは病院においては日常茶飯事である。
テキトーな理由をつけて「この死亡はやむをえないことでした。私の力が及ばず申し訳ありません」とBが無念そうな表情をして謝れば、遺族は素人である。何も言い返せない。
しかしこの遺族は、どうしも納得できなかった。なぜ俺の妻は死んだんだ、なんで私のお母さんが死ななきゃいけなかったの。無念の遺族は、Aの入院から手術、手術から術後の経緯を、徹底的に調べあげた。
そしてついに、高カロリー輸液にビタミン剤を混入投与しなかったBの過失を発見し、損害賠償請求をするに至った(大阪地裁堺支部平成12年2月25日判決)。
現在の医学部教育は、製薬会社に完全に首根っこを押さえられている。
ビタミンで病気を治す栄養療法など、言語道断。薬が売れなくなってしまう治療法は極めて不都合である。
そんな治療法が医学部で教えられることがないよう、医師会や医学界に手をまわしている。
しかし現場で働く医者は、上記のように、栄養に関する無知が悲劇を招いたとしても「教育が悪いんです。医学部でビタミンのことを教えてもらわなかったので」と言い訳することはできない。
インターネットの普及によって、医学的知識がもはや医者の専有物ではなくなったし、西洋医学がいかにデタラメかということも広く知れわたるようになった。当の医者のなかにも、投薬一辺倒の医療に疑問を感じる人が出始めている。
医学部で教えてくれないのだから、医者はビタミンのことを自分で勉強するしかない。でないと本当に患者から見放されてしまうと思う。
(お医者さんの皆さん、「ビタミンについて自学自習したい」ということであれば、拙訳『オーソモレキュラー医学入門』の出番ですぞ!)
ビタミンB1についての知識は、精製糖質や精白した炭水化物が多食される現代において、ますます重要になっている。
隠れ脚気は相当数いるはずで、こういう人は要するに、甘いものをやめれば回復するはずだけど、B1を補給すればさらに回復が早いだろう。
僕は大学時代、山岳部に所属していた。そこである先輩から、こんな話を聞いた。
「ある男が山で遭難した。食糧の持ち合わせはなかったが、ただ、氷砂糖が一袋だけあった。空腹を氷砂糖で紛らわして救助を待っていたが、五日後に発見されたときには失明して半死半生の状態だった」
本当の話か、都市伝説か、わからない。
脚気で失明するというのは考えにくいから。ただ、話としてはおもしろいと思う。精製糖質の摂取は、その代謝プロセスでむしろビタミンやミネラルを奪う。つまり、マイナス栄養ということだ。
なまじっか氷砂糖をなめるよりは、何も食べずにじっと耐えてるほうがマシだった。
せっかく才能のある選手なのだから、誰かこの人に栄養の重要性を教えて、しっかり食事を管理してあげたほうがいい。
お菓子を多食する選手で、大成した人なんていないよ。
2019.11.25
B’zに『愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない』という長いタイトルの曲があるけど、上には上があるもので、BEGINの曲にこういうのがある。
『それでも暮らしは続くから 全てを 今 忘れてしまう為には 全てを 今 知っている事が条件で 僕にはとても無理だから 一つずつ忘れて行く為に 愛する人達と手を取り 分け合って せめて思い出さないように 暮らしを続けて行くのです』
なぜこういう話をするかというと、下の論文のタイトルをみて、何かそういうのを思い出したんだ。
『ビタミンD欠乏によって腸内細菌が変化し腸内でのビタミンB産生が低下する。その結果パントテン酸が欠乏することで、動脈硬化や自己免疫疾患と関係する”前炎症”状態となり、免疫系に悪影響が生じる』
英語タイトルも添えておこう。
”Vitamin D deficiency changes the intestinal microbiome reducing B vitamin production in the gut. The resulting lack of pantothenic acid adversely affects the immune system, producing a “pro-inflammatory” state associated with atherosclerosis and autoimmunity”
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0306987716303504
タイトルのなかにそこそこ長いセンテンスが二つも入った論文は初めて見た。
「タイトル長すぎるやろ!」ってツッコミ待ちの雰囲気がある論文だけど、内容はおもしろいので、紹介しよう。
【要約】
【研究の目的】
ビタミンDの血中濃度が60~80 ng/mlだと通常の睡眠が促進される。しかしこの効果は2年ほどで弱まり、関節痛が増悪するが、なぜこういうことが起こるのか、という機序を調べることが、本研究の目的である。パントテン酸はコエンザイムA(補酵素A)になる。これはコルチゾルやアセチルコリンを産生する際に必要な補因子である。
1950年代に行われた研究から、パントテン酸欠乏、自己免疫性関節炎、不眠症の間には関連性があることが知られていた。
血中ビタミンB群には腸内細菌の産生由来のものと食品由来のものがあることが示されているが、腸内細菌叢こそがビタミンB群のメインソースである可能性がある。文献のレビューによると、パントテン酸は食品には含まれておらず、腸内細菌叢によってのみ、供給されるのである。
ビタミンD補充によって徐々に二次的パントテン酸欠乏が誘導される可能性を検証するために、B100(ビタミンB12とビオチン100㎎と葉酸400mcgを除くすべてのビタミンB群を100㎎)をビタミンDのサプリに加えた。
【方法】
神経系疾患の患者1000人以上にビタミンDとB100を勧めた。睡眠、神経痛の具合、神経学的症状、腹部症状を定期的に記録した。
【結果】
ビタミンDとB100を3か月続けると、睡眠が改善し、痛みが軽減し、腹部症状が解消した。こうした結果は、ビタミンDとB100を組み合わせて使うことで、ヒトの通常の腸内細菌叢を構成する4つの特異的菌種(アクチノバクテリア、バクテロイデス、ファーミキューテス、プロテオバクテリア)に好ましい腸内環境になったことを示している。
【仮定】
1)ビタミンDの血中濃度は季節によって変動し、それによって腸内細菌叢も変化する。このことが冬季の体重増加傾向に影響している。しかし、ビタミンD欠乏が年単位で持続すると、腸内環境が永続的に固定化してしまい、「健康腸内細菌4人組」をもはや取り戻すことはできない。
2)ヒトは自身の腸内細菌叢と常に共生的な関係を持っている。我々が彼らにビタミンDを供給し、彼らが我々にビタミンB群を供給する。
3) 正常な腸内細菌叢を構成する「健康腸内細菌4人組」は、彼ら自身が共生的でもある。つまり、それぞれの菌種が、「他の三菌種には作れないが、しかし生存に必要なビタミンB」を少なくとも一種類以上分泌している。
4)睡眠が改善し、体内の細胞修復が更新することで、体内に貯蔵されているパントテン酸の消費がますます亢進する。そのせいでコルチゾールの産生が低下し、関節痛が増悪したり、免疫系に対して広範囲の”前炎症”を引き起こす。
5)パントテン酸欠乏はアセチルコリンを減少させる。アセチルコリンは副交感神経系の神経伝達物質である。つまり、パントテン酸欠乏により副交感神経系の働きが弱まり、相対的に交感神経系が優位になって、高血圧、頻脈、不整脈などの高アドレナリン状態となり、これが心疾患や脳卒中などの原因となり得る。
「腸内細菌が僕らの腸に住んでいるのは、ビタミンDが欲しいからである。そして腸内細菌は、ビタミンDを得るお返しに、ビタミンB群を供給してくれる。実際、血中に存在するビタミンBのほとんどが食品由来ではなく、腸内細菌の産生物由来である」。
おもしろい仮説である。
以前のブログで、ある種の抗生剤によって中性脂肪が低下することを紹介したが、この現象の背景にあるのも腸内細菌だった。腸内細菌と脂質プロファイルは、決して無関係ではない。
一方、ビタミンDはコレステロールをもとに産生される。つまりビタミンDは、ざっくり、「脂質のようなもの」である。腸内細菌が何らかの形で関与していても不思議ではない。
ビタミンDが、ビタミンDとして作用する面は当然ある。
骨、小腸、腎臓などの細胞にはビタミンD受容体(VDR)があって、そこにビタミンDがリガンドとして作用してどうのこうの、という話はもちろんある。
ただ上記の論文が指摘しているのは、ビタミンDの働きはそれだけではなく、腸内細菌のエサとなって彼らを養い、ビタミンB群を作らせている、ということである。
うつ病患者にビタミンDが効くこともあれば、ビタミンB群が効くこともあるのは、こういう腸内細菌の働きが影響しているのかもしれない。
もうひとつ、興味深いと思った指摘は、上記の【仮定】4)。
「よく眠ると、かえって調子が悪くなる」という患者をときどき見る。たとえば、よく眠った翌日には、統合失調症の症状が悪化する、とか。
その理由がいまいち分からなかったけど、よく眠る→パントテン酸の消費亢進→交感神経興奮→炎症増悪、というメカニズムで説明がつくように思う。
あるいは、うつ病に対して断眠療法というアプローチがある。この機序も、眠らない→パントテン酸の消耗抑制→副交感神経優位→穏やか、ということかもしれない。
2019.11.24
1962年京大霊長類研究所の杉山幸丸はハヌマンラングールの驚くべき行動を発見した。
ハヌマンラングールは1匹のボス猿が多数のメスを引き連れて、ハーレムを形成する。このボス猿に対して若いオスが挑み、追放に成功すると、新たなボスとしてハーレムを乗っ取る。そしてこのボス猿は、なんと、群れのメス猿が抱える乳児の首を噛み切って、皆殺しにしてしまう。
この「子殺し」の報告は、発表当初、学会の通説(「種の保存則」)に反するとして、相手にされなかった。しかしその後、ライオンや他の霊長類(30種類ほど)でも同様の行動が確認され、次第に認められるようになった。
ハヌマンラングールのこの残虐な行動は、一体どのように説明できるだろうか。そのためのキーワードのひとつが、プロラクチンである。
プロラクチンは脳下垂体から分泌されるホルモンで、母乳の生成を促したり、排卵を停止させ発情を抑制する作用がある。
通常ではほとんど分泌されないが、哺乳類のメスの妊娠時に分泌され、出産後も赤ん坊の乳首への吸引刺激によって分泌が継続される。
つまり、授乳中の子猿を抱える母猿ではプロラクチンの血中濃度が高く、発情が抑制されており、新たなオスを受け入れることはない。
ハヌマンラングールのボス猿が、次のボス猿に取って代わられるまでの平均期間は27か月である。新しいボス猿にとっては、将来他のオスに取って代わられるまでの間に自分の子をメスに産ませなければならない。ところが、プロラクチンの影響で、授乳中のメスは子猿が乳離れするまで発情しないのである。
そこで新たなボス猿にとって、先代のボス猿の血を引く子猿を殺し、できるだけ早くメス猿の発情を促すことが、自分の遺伝子を広げる適応的な戦略ということになる。
プロラクチンは当然人間にも見られ、女性のみならず男性にも存在する。
というか、前回の「賢者タイム」の話でいえば、射精後の男性では血中プロラクチン濃度が上昇している。つまり、発情が抑制され、非常に穏やかな気持ちになっている。
この状態のときに、女性から「ねぇ、もう一回!」などとさらなる発情を求められても、それはホルモンの生理に反したことである。むしろ不愉快を感じても不思議ではない。
授乳中のお母さんでプロラクチン濃度が高いのは当然のことである。女性は子供が乳離れするまでは、いわば「女賢者」になっている。
子供が乳離れすると(つまり、乳首への継続的刺激が終了すると)、女賢者モードも終了である。プロラクチン分泌が低下し、排卵が再開して発情が可能となり、次なる子供に備えることになる。
プロラクチンの生理作用という観点で見れば、性交後にもベッドの上でいちゃついている人間の男女は、動物界ではむしろ異端である。
犬科の生物では、オスには亀頭球という構造があって、交接後も長時間結合することが可能であるが、しつこいオスに対していらだったメスがオスを攻撃することがしばしばあるという。
野生では、性交のような無防備な状態は、短時間であることが好ましい。行為を終えれば、すぐに正気に戻って、日常に立ち返る、というのが生存上のメリットなのだろう。
しかし人間の場合、セックスは繁殖の意味合いだけではなくて、コミュニケーションの手段であったりする。
「ねぇ、もう一回」とねだられて、本音としては「勘弁してくれよ」であったとしても、「しょうがねえなぁ」ともう1ラウンド頑張ったりする^^;
「ちょっと待ってくれ。授乳中は発情が抑制されて、女賢者になっている、ということだが、それ、本当か?うちのかかあは、授乳中にも普通に俺とエッチしてたぞ」というお父さんもいるかもしれない。
「ボインは赤ちゃんが吸うためにあるんやで。お父ちゃんのもんとは違うのんやで」と月亭可朝が歌っているが、統計によると、産後1~1.5か月以内に13%のカップルがセックスを再開しているという。
つまり、赤ちゃんのためのボインを、横取りして吸ってしまうお父ちゃんがいる、ということだ^^;
そう、ここが他の霊長類にはない、人間の特殊性なんだ。
ヒトにおいては、授乳中でも発情して交尾が可能になったため(ただし妊娠確率は低い)、オスは子殺しをする必要がない。メスの進化による賜物だと考えられている。
だから人間においては、ハヌマンラングールのような悲劇は起こらない、はずなんだ。
しかし例外ずくめなのが人間である。
血のつながりはなくとも我が子のように愛情を注いで育てられるのが人間のすごいところだし、我が子を虐待の末に殺して逮捕された、というニュースが珍しくも何ともないところが、人間の恐ろしいところである。
神と悪魔、崇高な愛と野蛮な残虐さ、そういう両極端が同居するのが人間の精神である。
ただお固いことはさておき、今の僕には2ラウンド連チャンでやるのは、もうできません^^;
2019.11.24
『生理をオープンに――大丸梅田店「生理バッジ」に批判も』という記事を読んだ。
なるほど、女性の月々のものが変にタブー視されているところは確かにあって、言われてみれば妙な話である。「体の自然なこと、それこそ生理現象なのだから、もっとオープンにできないか」そういう主張はわからなくもない。
しかしネット上では軽く炎上の様相を呈している。しかもこの「生理バッジ」を批判しているのは、当の女性のようだ。
大丸梅田店は僕もよく利用する。せっかくなので、この炎上の「出火元」に実際に行ってみた。
このマンガを見ると、大丸自身、批判は想定内のようで、ある種の炎上商法かもしれない。
しかしフロアスタッフの胸元を見たけど、僕の見た限り、誰も「生理中」のバッジはつけてなかったね^^
男と女は、同じ生き物のようでいて相当違うところがある。体も違えば、心も違うだろう。しかし少なくとも体の違いについては、解剖学、生理学などの学問がかなり解き明かしているところもある。
分かり合えないのが男女の常ではあるが、学問的知見が多少なりとも男女の摩擦解消に役立つのなら、知っておいて損はない。
個人的には、女性がわかっていないなと思うことのひとつとして、男性の”賢者タイム”を挙げたい。
仲睦まじくベッドの上でいたした後、まだ余韻の残る女が、男の股間を見て「まだ大きいね。もう一回、する?」なんて言いながら手を伸ばしてこようものなら、「おい、やめろ」と男がその手を冷たく払いのけたりする。
「さっきまであんなに激しく求めてくれたのに、、、」女は、男の打って変わった素っ気なさに拍子抜けする。
ありがちなすれ違いである。女性は、男性のこの豹変を理解しておいたほうがいい。
男性はオーガズムの後、性欲が急速に低下するもので、この状態は「賢者タイム」と呼ばれる。
この言葉はもちろんスラングで、医学的には不応期(male fractory period)という。
しかし個人的には、この正式な用語よりも「賢者タイム」のほうが実態をよく反映していて、しかもユーモアがあって、好きだな。
果てた後に、本来の理性的な自分が戻ってきて、それまでお世話になった風俗嬢に
「こんなはしたない仕事して」なんて急に説教を始める男もいたりする。
一体、この現象は何なのか?
理性をかなぐり捨てて感覚の世界に惑溺したかと思えば、夢から覚めたようにいつもの自分に戻る、この現象は?
男のこの矛盾を、科学はどのように説明しているのだろうか?
こんな研究がある。
若い男性被験者にいくつかの女性の写真を見せ、その魅力度を評価してもらう。その際、事前に女性の膣の匂いとよく似た化学物質(copulins)を嗅がせると、すべての女性の顔に対する評価が有意に上昇した。
https://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1177/1474704916643328
どういうことか、わかりますか?
普段は理性的な男性、つまり、女性の美醜を冷静に判断する男性が、copulins を嗅ぐことで、ある意味、”吹っ飛んだ”。豹変したことで、女性の魅力の差異がかすんだ。
いうなれば、この研究は、賢者タイムの逆の現象、”やる気スイッチ”の存在を示している。
女性の膣から分泌されるこのフェロモンcopulinsは、sがついて複数形になっているが、これはcopulinsが5種類の揮発性脂肪酸の混合物だからだ。
copulinsの分泌は卵胞期に増加し、黄体期に減少する。copulinsに曝露した男性は、テストステロンの分泌が亢進し、女性の顔の美醜に対する分別が低下し、さらに協調性が低下する。つまり、やる気スイッチが”オン”になるわけだ。
これは人間のみならず、哺乳類全般に見られる現象のようだ。哺乳類の繁殖において、オスのほうがメスよりもコストが低く、かつ、メリットが大きいことは、多くの理論が示しているところである(異形配偶子理論、性淘汰理論、親の投資理論)。つまり、オスにとっては、排卵する女性を見抜き、それに応じて行動を変化させることが、自身の繁殖機会を最大化する上でメリットがある、ということだ。
閉経後の女性では、膣からのイソ酪酸の分泌が減少することが知られている。繁殖期を終えたメスにとっては、繁殖よりは個体の存続が優先事項である。オスの繁殖行動を惹起するフェロモンが出て自分にアプローチされることはむしろ不都合だから、これは理屈にかなったことだ。
しかし、上記研究で使われた「女性の膣に似た匂いの物質」って一体何なんだ^^;
男性を引きつける女性用フェロモンとして商品化されているようだけど、本当に効果があるのなら、世の男性は警戒すべきだね^^;
レビューに「吐物のような匂い」とあるから、香水としてはイマイチのようだ^^;
難しい理屈をこねなくても、「電気消して布団に入ってしまえば、女の顔なんてどれも同じものよ」という男性は昔から一定数いるもので、そういう心理を、科学が後から追いかけてるだけなんだよね。