2020.1.15
今日の昼食は、浅井ゲルマニウム研究所の中村宜司さんと同社営業マンの人とご一緒にさせていただいた。
食事の折、「最近、独自配合したキノコ茶(霊芝、サルノコシカケ、カバノアナタケ、ヤマブシタケ、朝鮮人参を細かく砕いたものをお茶パックに詰めたもの)を患者に勧めているところ、評判がいい」ことについて話した。
すると中村さんが、「そこに有機ゲルマニウムを併せてお勧めすると、ますます効果的かもしれません。たとえば、こんな論文があります」
『ヒメマツタケ(Agaricus blazei)熱水抽出物の、有機ゲルマニウム化合物Ge132と組み合わせたときの抗腫瘍効果』
https://www.researchgate.net/publication/281257804_Antitumor_Effect_of_a_Hot_Water_Extract_of_Agaricus_blazei_Himematsutake_Combined_with_an_Organogermanium_Compound_Ge-132
要約
ヒメマツタケ(Agaricus blazei)の子実体から得た抽出物の抗腫瘍効果を、二重移植腫瘍システム(double-grafted tumor system)で検証したところ、ヒメマツタケ抽出物は右側の原発腫瘍の成長を有意に抑制したが、左側の転移腫瘍に対しては効果を示さなかった。ヒメマツタケ抽出物を腫瘍内に注入することによる腫瘍転移抑制効果は、0.05% Ge132(ポリトランス-[(2-カルボキシエチル) ゲルマセスキオキサン])を含むエサを経口で自由摂食で与えたときに増強した。活性化マクロファージによって免疫抑制性酸性タンパク(IAP)が産生されることが発見された。ヒメマツタケ抽出物を皮下注射するとすぐに、血中IAP濃度が一時的に増加した。ヒメマツタケ抽出物とGe132を組み合わせて使うと、CD4陽性ヘルパーT細胞が体内で増加した。
「霊芝やサルノコシカケにも抗癌作用があることが知られていますが、この研究に見られるように、ヒメマツタケにも抗癌作用があります。一方、有機ゲルマニウムにも抗癌作用があります。
これらのキノコによる抗癌作用は、作用機序としては似通っています。つまり、併用しても相加作用が望めるだけですが、作用機序がまったく違う有機ゲルマニウムを併用することで、抗癌作用が相乗的に増加した可能性があります」
なるほど、おもしろい指摘だ。「違うものが協調すれば、効果が相乗的に高まる」ということか。
類似の作用機序のリガンドを併せて使っても効果は相加的(足し算)だが、違う作用機序でありながら同じ作用をもたらすリガンドを併用すれば効果が相乗的(掛け算)になる。
上記に引用した研究では、ヒメマツタケと有機ゲルマニウムの併用により抗腫瘍効果が増強することが示されたわけだけど、僕の配合したキノコ茶を有機ゲルマニウムと併用しても、抗腫瘍効果が増強する可能性はあると思う。
以前のブログに、慢性疲労症候群に有機ゲルマニウムが効く、という論文を挙げた。
http://orthomolecular.org/library/jom/1988/pdf/1988-v03n01-p029.pdf
この論文中、有機ゲルマニウムを飲んでも効かない難治症例に対して、コエンザイムQ10やDMG(ジメチルグリシン)を併せて投与することで、ほぼ全患者が改善したという。
このメカニズムは、一体どのようなものだろうか。それぞれ分子構造がまったく違うのだから、当然作用機序も違うだろう。しかし、疲労改善という共通の目的に対して、3剤は協調的に働いたようなんだ。
「有機ゲルマニウムの投与量に対して、コエンザイムQ10、DMGをどの程度の割合で使ったのか、残念ながら論文中に記載がありません。この3剤の最も有効な投与量割合を決めるためにマウス実験をするとなれば、けっこう大変です。2剤ならともかく、3剤というのはちょっと。。このあたりの数字がクリアになれば、当社としても新商品が作れそうですが」
「違うものが調和することで、単なる相加作用だけではなく、相乗的な作用が生じる」という現象は、案外あちこちにあると思うんだな。
「悟空だけでも、ピッコロだけでも、ラディッツには勝てなかったけど、二人が協力して戦うことでラディッツを倒すことができた、みたいな感じですかね」
「すいません、その比喩はちょっとわかりません」
ジェネレーションギャップは仕方ない^^;
僕も、下の世代の人が何かのたとえで『ワンピース』をネタに使っても、全然反応できません^^;
2020.1.15
先月のこと。
朝、クリニックに行くと、スタッフから「今NHKから電話がありました」
言われた瞬間、頭がフル回転した。
NHKから電話?どういうこと?受信料の取り立て?いや、家にテレビがないんだから、払う義務はないだろう。しかしスマホを持っているだけで払わないといけないって話だっけ?だとする未払いだけど、クリニックに督促の電話があるかな?
不吉な予感が駆け巡る。まったく、心にやましいところのある悪人は、ささいなことにも始終このようにビクついているものである。「で、NHKが何やて?」
「コウザの依頼をしたいそうです。詳しいことは、後で院長に直接メールでお伝えする、とのことでした」
コウザというのは、講座だろう。僕は落語家ではないから高座ではないだろうし、どこそこに受信料を振り込めという口座の話でもないだろう。
青天の霹靂とはこのことである。どうせロクでもない電話だろうという予感は、まったく裏切られることになった。天下のNHKが、僕に講座を依頼するとは!
驚きとともに、ちょっとしたニヒルな思いも込み上げる。
よくわからないけど、NHKで講座を担当する先生というのは、何というか、もっと「ちゃんとした人」でないといけないのでは?笑
つまり、恐らくはオーソモレキュラー栄養療法の入門的な講座をして欲しい、ということだろうけど、オーソモレキュラー療法というのは、決してスタンダードな医療スタイルではない。というか、一般的な医療の側からは「ビタミンで病気が治ってたまるか!」とむしろ毛嫌いされている(保険医療が崩壊しそうな今、もうそんなこと言ってる場合じゃないだろうにね)。何事に関しても”正統”を好むNHKである。”異端”の僕に講座を依頼するなんて、本当に気は確かなのか?
数時間後、NHK文化センターの担当者氏から送られてきたメールには、時候の挨拶、自己紹介とともに、僕に講座を依頼したいと思った経緯が丁寧に綴られていた。まったくの正気だった。
たまたまブログで健康情報を検索していたところ、僕のブログがヒットし、読んでみると「あまりに面白く、またおひとつおひとつの記事が大変興味深く、その後一週間ほどで過去までさかのぼってすべての記事を読ませて頂きました。ちょうど多忙でストレスを感じていた頃だったのですが、記事を拝読してさっそくナイアシンアミドやロディオラを購入し服用を始めたところ、寝起きがよくなり、集中力も高まって、自分の変化に本当に驚きました」
ふむ、分かる人には、ちゃんと分かるのだね。栄養素のすばらしさが。そして、僕のブログのおもしろさが^^
「浜学園で講演をされたことがあるとのことですが、弊社でも一度お話を伺えれば、と考えています。
ただ、子供を持った親御様向けの講座では対象者が限られてしまうことと、弊社にお越し頂いている受講生は50~80代の女性が多く健康・美容、教養・文化的なことに対する知的好奇心の高い方々でいらっしゃること、また、先生が『オーソモレキュラー医学入門』の翻訳本をご出版されたタイミングでありますので、ぜひオーソモレキュラー医学の何たるかについて入門的な内容の1日講座をお願いできれば、と思っております。講座企画書をお送りさせて頂きます。
謝礼等条件面で厳しいところがあり、大変恐縮ではございますが、ご検討だけでもして頂けましたら大変幸いです」
いや、謝礼とかゼニカネの話じゃない。ノーギャラでもやらせてもらう。僕に声をかけてくれて、こんなに名誉なことはない。
最近のNHKはすごく柔軟だね。朝の帯番組で芸人(華丸・大吉)が司会してるとか、ひと昔前には考えられなかった。「私たちNHKには出れなかったの」っておすぎとピーコが言ってたけど、昔はオカマが出ることさえNGだった。ところが最近のNHKはお笑い番組があったりドラマがあったり、いい感じに”民放化”しているような雰囲気があって、これはすばらしいことだと思う。
NHK文化センターの担当者氏が、オーソモレキュラー栄養療法という”異端”を取り上げてくれたことは、こういうNHKの柔軟化と無縁ではないと思う。
さて、そういうわけで、NHK文化センターで1日講座を担当することになりました!
日時:令和2年4月19日(日曜日)13:00~14:30
場所:NHK文化センター青山教室(東京都港区青山1-1-1新青山ビル西館4階)
受講料は会員4004円、一般4697円、定員は50人前後。
予約は、青山教室にて、窓口、電話、ホームページにて受付。
WEB先行受付開始:2月14日(金)9:30~(NHK文化センター青山教室のHPよりお申込み※クレジット支払いのみ)
一般受付開始:2月19日(水)9:30~(都内の新聞朝刊各紙に折込し電話・窓口にて受付開始)
内容は、ごく初歩的な話(どのビタミンにはどういう働きがあって、どうのこうの)をしようと思っています。
東京にお住まいの方はぜひご参加くださいm(_ _)m