院長ブログ

HPVワクチンの副作用に対するオーソモレキュラー治療1

2020.2.12

前回、ワクチン接種後に起こる様々な症状は、”ワクチン後遺症”という疾患概念として認識すべき、という内海先生の話を紹介した。
しかしこの話には、具体的な対策(「もし自分や自分の子供がワクチンのせいでひどい後遺症が残ったら、どうしたらいいか」)が含まれていなかった。
内海先生はオーソモレキュラー療法に対して、どちらかといえば懐疑的なようである(あるいはそもそも、何々療法支持、という固定のスタンスを採られていないようだ)。

栄養療法が”代替療法原病”という薬害を生み出している、との指摘を受け、新たに気付かされる点もあったが、僕もオーソモレキュラー療法実践医の端くれである。もう少し、オーソモレキュラーの弁護がしたい。このままでは、言われっ放しの感がある(内海塾に参加するということは、「言われに行っている」わけだからそれでいいんだけど^^;)。懇親会で内海先生に直接言えばいいようなものだけど、酒の席でする話としては固すぎる。
そこで今回のブログでは、ワクチンの後遺症に対して、オーソモレキュラー療法が著効した症例について紹介することにしよう。

以下、国際オーソモレキュラー医学会会長の柳澤厚生氏(僕の大親分にあたる人です^^)の論文『HPVワクチンの副作用に対するオーソモレキュラー治療』(The Orthomolecular Medicine News Service, May 7, 2015)から。もとは英語論文なので、翻訳が変だとすれば僕の責任です^^;
「思春期の女性へのヒト・パピローマ・ウイルス(HPV)ワクチン接種は、子宮癌および子宮頸癌を予防するために開始された。
最初のHPVワクチン(ガーダシル(メルク社))は2006年に承認され、続いて二番目のワクチン(サーバリックス(グラクソ・スミスクライン社))が2007年に承認された。2013年末までに、およそ1億3千万本のガーダシルと4千4百万本のサーバリックスが世界中に供給された。いずれのワクチンも、日本では2010年から接種が行われ、2013年4月より、両HPVワクチンは厚労省推奨ワクチンとして接種スケジュールに加えられることになった。

高い有害事象発生率
2013年6月(HPVワクチンの接種推奨に関する法律が発行してわずか2か月後のことである)、日本政府はこれらのワクチン接種の推奨を停止した。研究報告によると、ガーダシルやサーバリックスによる有害事象は、その他のワクチンよりも1.7~3.6倍高かったためである。
政府の特別委員会がHPVワクチンによる副作用の報告を分析したところ、症例数は2500人で、うち617人(25%)では症状が”重篤”であると判明した。
驚いたことに、この特別委員会は、以下のように表明した。
『ワクチン接種を受けた女性において、ワクチンの副作用といわれるような身体的原因は見いだされなかったため、我々としては何らかの特別な治療法を推奨することはできない。
彼女らに見られるいわゆる副作用は、心身相関によるものだというのが我々の結論である。彼女らが心身相関反応による症状から解放されるよう、政府は彼女らにカウンセリングを行うべきである』」

『驚いたことに(Amazingly)』という表現(あまり論文に出てくる言葉ではない)に、柳澤先生の抑制した怒りがこもっているように感じる。
確かに、とんでもない話だ。
特別委員会は、HPVワクチン接種後に症状が現れた原因は、『心身相関(psychomatic)』だとしている。これは、平たく言えば、「気のせい」ということだ。
症状が現れたのは一人二人じゃない。2500人が、明らかな体調不良を訴えたんだよ?「何となく体調が悪いけど、気のせいかな」って特に症状を申告しなかった人を含めれば、潜在的被害者はもっと多いに違いない。
それなのに特別委員会は、ワクチン接種は副作用の身体的原因ではない、としている。原因は、気のせい(精神的影響が体に現れている)、だから、政府はカウンセリングを行って彼女らの心のケアにあたる、という(原因とそのケア、という意味では筋が通っている笑)。
もうね、文明国の対応じゃない。正気の沙汰じゃない。
特別委員会(the official task force)ってバカの集まりなの?ワクチンが原因で、心が傷つき、その結果、体にも影響が出た、だって?
こんなデタラメがまかり通るのが、日本の医療行政なんだよなぁ。
論文はさらに続きます。

「副作用の重症度
副作用を訴える女性らに対して、他の専門家が再度診察したところ、1112人(44%)が重症であると診断された。
初発症状はHPVワクチン接種から数週後から1年後に起こっていた。具体的には、頭痛、めまい、筋肉の虚弱および疼痛、嘔気、過眠、学習困難、書字障害、羞明、震顫(手、足、指)、関節痛、月経不順、歩行障害、記憶喪失、皮疹、にきび、といった症状である。
医療機関を受診した彼女たちは、様々な診断名をつけられていた。たとえば、以下のような病名である。
1.高次脳機能障害
2.ギランバレー症候群
3.多発性硬化症
4.ADEM(急性散在性脳脊髄炎)
5.SSPE(亜急性硬化性全脳炎)
6.CRPS(複合性局所疼痛症候群)
7.POTS(体位性頻脈症候群)
8.抗リン脂質抗体症候群
9.SLE(エリテマトーデス)
10.リウマチ性関節炎
11.慢性疲労症候群
12.線維筋痛症
13.クッシング症候群
14.橋本病
15.高プロラクチン血症

また、各種検査データでは、以下のような所見が見られた。
1.採血の生化学データでは著変なし。
2.血中の炎症マーカーには異常なし。
3.ただし、髄液中の炎症性サイトカイン(IL-2、IL-10、TNF-α)は上昇していた。
4.血流シンチグラフィーでは脳血流が減少していた。
5.アルミに対する白血球の過敏性が高まっていた。」

病院が好きで、病気予防のためにワクチンをよく打つという人は、上記の症状を覚えておくといい。
HPVワクチンに限らず、一般にワクチンにはアジュバンドとしてアルミや水銀などが入っているもので、これが様々な病気の原因になり得る。
ただ、HPVワクチンのように、接種後すぐに症状が現れればわかりやすいが、接種から1年ほど経って症状が現れたのであれば、因果関係がぼやけてしまって、患者本人もまさかワクチンが原因の症状とは思わない。
だからこそ、上記に挙げたような起こり得る副作用について、事前に知っておくべきだ。知っておいて、ワクチンの副作用ではないかと疑えるようにしておくべきだ。
というかそもそも、医者に言われるがままにワクチンを打っている時点で、相当な情報弱者だというより他ないんだけど^^;

論文はまだまだ続きます。
肝心の、オーソモレキュラー療法による回復症例のことにまだ言及してないし^^;
ただ、長くなりそうなので次回に。