院長ブログ

不妊

2019.2.18

不妊に悩む人は、まず、歯磨きを変えよう。
なぜかって?
以下のような論文がある。https://academic.oup.com/jn/article-abstract/103/9/1319/4777152?redirectedFrom=fulltext
タイトルは『フッ化物摂取がマウスの生殖系へ及ぼす影響』。要約を訳す。
メスのマウスに低濃度(0.1~0.3 ppm)のフッ化物を含む食事と、フッ化ナトリウムを含む飲み水(0,50,100,200 ppm)を与えた。
フッ化物の毒性作用は、100 ppm群と200 ppm群のマウスにおいて、成長遅延と生殖障害として出現した。高濃度の投与群ほど、致死率が高かった(5週間で50%が死亡した)。
低濃度のフッ化物摂取群において、2世代にわたって進行性の不妊を発症した。
成長率、胎子の大きさは、低濃度フッ化物摂取によって影響されなかったが、50 ppmを摂取しているマウスよりも胎子を産むマウスの割合が低下し、最初の出産齢が高くなる傾向が見られた。

要するに、フッ素というのは猛毒で、高濃度摂取では死んでしまう。しかし低濃度であっても、不妊など生殖系への影響が出る、ということだ。
では、その機序は?フッ素はどのような機序で生殖系に悪影響を与えているのか。
それを調べたのが、次の研究だ。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23459146
タイトルは『メスラットの生殖機能に対するフッ化ナトリウムの作用』。要約を訳す。
本研究の目的は、フッ化ナトリウム(NaF)がメスの生殖器に及ぼす作用を調べ、Nafに曝露したラットの卵巣や子宮の形態を研究することである。
80匹のSprague-Dawley(SD)ラットを無作為に20匹の四つのグループに分ける。第1群はコントロール群で、他の三つはNaFを投与した群である。三つのNaF投与群には、それぞれ100、150、200 ppmのNaFが飲み水経由で6カ月にわたり与えられた。コントロール群には蒸留水を与えた。
卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)、テストステロン(T)、プロゲステロン(P)、エストラジオール(E2)の血中濃度を酵素結合免疫吸着法(ELISA)を使って測定した。
ヘマトキシリン・エオジン法と免疫組織化学法で染色した後に、子宮と卵巣の病理形態学的評価を行った。
NaFを投与した群の妊娠成功率はNaFの投与量が多いほど減少した。生殖系ホルモンの濃度は、三つのNaF投与群で有意に低かった。子宮内膜に損傷が見られ、卵胞の成熟が抑制されていた。
さらに、NaF投与群では全例で卵胞の全体数が有意に少なくなっていた。これらの結果は、NaFへの曝露によって女性の生殖機能が抑制され、卵巣や子宮の構造的損傷が引き起こされることを示唆している。
このようにして、NaFはメスラットの妊孕性を有意に減少させる可能性が示された。

フッ素が女性器(卵巣、子宮)にダメージを与え、かつ、性ホルモンを狂わせることで妊娠できなくなるという、メカニズムまで判明したわけだ。
「どっちもマウスの実験でしょ?人では問題ないんじゃないの」という方に、次の論文を供覧します。http://www.fluorideresearch.org/503/files/FJ2017_v50_n3_p343-353_sfs.pdf
タイトルは、『飲み水のフッ化物とその妊娠、不妊、流産への影響について~西アゼルバイジャンにおける疫学研究』。要約を訳す。
動物実験を含め各種の研究によって、フッ化物イオンが哺乳類の生殖系に悪影響を与えることが示されている。
しかし、この関係性にまつわる遺伝子・環境の相互作用の機序はいまだ明らかではない。
本研究の目的は、イランのポルダシュト郡の二つの地域における飲用水中のフッ化物濃度を測定し(低い地域では平均1.90 mg/L、高い地域では平均8.10 mg/L)、飲用水中のフッ化物濃度と当該地域に住む女性の(1)妊娠、(2)原因不明の不妊、(3)原因不明の流産の関係を調べた。
フッ化物濃度の低濃度地域、高濃度地域の女性を比較すると、それぞれの割合は以下のようになった。
(1)妊娠 105/1993 5.3% ; 70/1224 0.5%
(2)不妊 17/1993 0.9% ; 24/1224 2.0%
(3)流産 6/105 5.7% ; 11/70 10.0%
これらの生殖系のパラメーターについて、フッ化物の低濃度地域、高濃度地域の間で、女性を5歳階級でわけると統計的有意差は出なかったが、データをまとめて全年齢階級(10~49歳)を一つの群と考えると、低濃度地域の女性はより妊娠しやすく、不妊率も流産率も有意に低かった。

フッ素の生殖系への悪影響は、動物実験だけじゃなくて、疫学研究でも確かめられているということだ。
それでも、フッ素の使用は野放し状態になっている。
歯医者で普通に使われているし、歯磨きのテレビCMなんかでも『フッ素配合』っていうのがむしろ宣伝文句になっている。
フッ素の毒性を知れば、『猛毒入り』って言葉に等しいのにね。
不思議でしょ。科学的に毒性が明らかな物質が、まったく規制されないままだなんて。
規制どころか、今後TPPの影響で水道会社が民営化されて外資が参入し、飲用水にもフッ素が添加されるようになるだろう。
この流れは、止められない。
だってこの国は、敗戦国だからね。
地球の人口を是が非でも減らしたい一部勢力からいろいろと仕掛けられて、日本人の健康が徐々にむしばまれている。
こういうのをソフトキリングと言います。激しいドンパチだけが戦争じゃないんだよ。
僕は政治には失望しているから(というかもともと冷淡だから)、政治には期待していない。
ただ一介の医者として、不妊に悩む人がいれば、自分が知っている限りの知識で相談に乗る(歯磨きやシャンプーはどんなの使ってますか、とか、ビタミンEいいですよ、とか)。
僕にできることは、目の前の一人一人の悩みに向かい合うことだけだ。