院長ブログ

IQ

2018.9.25

IQが高い人ほど、社会的地位が高く収入が多く学問的に成功し、逆にIQの低い人ほど、失業したり貧困に陥る可能性が高いということが統計的に示されている。(Cattell,1983; Itzkoff,1991,1994)
では、どういうふうにIQを上げればいいのか。
政府の大々的な支援のもと、環境因子の調整によってIQを上げようという試みが、かつてアメリカで行われた。Head Start Programである。
「5,6歳の子供たちは貧困階級に生まれただけであって、自らの失敗のせいで貧困に陥ったわけではない」とリンドン・ジョンソン元大統領は話し、公立学校の教育内容の抜本的な改革に取り組むことを宣言した。
112億ドルもの予算が投じられた。結果はどうだったか。
学業成績の短期的な向上は見られた。でもそれだけだった。IQの上昇もなく、ましてや貧困階級から抜け出せるでもなく、まったくの失敗に終わった。(Spitz, 1986)

この結果は、一部の専門家にとっては別段予想外のことでも何でもなかった。
IQに大きく影響するのは、遺伝的要因あるいは生物的要因であって、環境要因ではないことをすでに彼らは知っていたのだ。(Brody, 1992; Plomin, 1993; Vernon, 1989)
環境要因こそがIQを左右する原因だ、という思い込みのために、政府は莫大な予算をつぎ込みながらも、生物的要因へのアプローチは一顧だにしなかった。

ビタミンやミネラルのサプリを使った生物的要因へのアプローチのほうが、はるかに有効性が期待できる。(Schoenthaler, 1991)
ビタミンやミネラルは身体的、精神的な機能に直接的に影響する。たとえば不摂生な食生活をすれば、カロリーだけは過剰でありながらある種のビタミンやミネラルが欠乏する。(Axelson & Brinberg, 1989)
逆に、そうした栄養素をサプリで補うことによって、IQが向上することが示されている。(Dean & Morgenthaler, 1990; Dean, Morgenthaler & Fowkes, 1993)
IQの向上ばかりではない。栄養面の改善によって、犯罪者の反社会的行動さえ大幅に改善することが見出されている。(Eysenck, 1991)

栄養が身体的にも精神的にも重要であることは、何も新しい考え方ではない。「人は、食べ物でできている」とは昔からある言葉である。
学者が追及すべきは、「各個人間のIQのばらつきは、ビタミンやミネラルの摂取量の違いによるものである、と統計的に言えるかどうか」である。
栄養学者はこの問いにNOと言っている。政府の定める栄養摂取量(RDA)さえ守っていれば、栄養的に万全である、と。しかしRDAは、栄養欠乏症に陥らないためのギリギリの値に過ぎないのである。
たとえば脚気にならないための最低限のビタミンB1摂取量であり、壊血病にならないための最低限のビタミンC摂取量が基準値になっている。
つまり、基準値の決定に際して、体の症状の有無を目安にしているわけで、精神面での必要量はまったく考慮されていない。

精神面でのパフォーマンスを調べるのに、学者たちは記憶力に注目した。(Cherkin, 1987)
ナイアシン、コリン、葉酸の欠乏によって認知症になり得るが、これらをサプリで摂取することで症状が改善することが示された。
ナイアシンは健康な人においてさえ、短期記憶を大幅に強化した。(Loriaux, Deijin, Orleheke, & De Swart, 1985)
また、アミノ酸(チロシン、トリプトファン)や、コリンやアセチルCo Aといったアセチルコリン前駆体にも同様の効果がある。
「極度に栄養失調の子供はIQが低い傾向がある」ことは事実として分かっている(Stein & Kassab, 1970; Winick, Meyer, & Harris, 1975)。
ただし、極度の栄養失調児には虐待や貧困など、IQを下げる交絡因子が多いため、ここから結論めいたものを引き出すことはできない。

上記は、以下のサイトから僕がテキトーに訳しました。
https://books.google.co.jp/books?hl=ja&lr=lang_ja|lang_en&id=BMXVZzvLXz8C&oi=fnd&pg=PA363&dq=vitamin+iq+&ots=K0kWqG0SsD&sig=8zKmWrSxkdjSzpiiFVO9yt79Et8#v=onepage&q=vitamin%20iq&f=false
1999年出版だから、20年近く前の本ということになる。
データがどれも古いけど、今でも学ぶべきものがあると思う。
遺伝子組み換え食品が当たり前のように食卓に上るようになり、砂糖ばかりでなく人工甘味料もバンバン使われるようになり、グリホサートとか新たな農薬も使われるようになり、医学と製薬業界のタイアップはますます強固になり、、、
つまり、現在の状況は20年前より悪化している。
昔から栄養の重要性は言われているのに、僕らの食事はひどくなっているし、医学は相変わらず栄養よりも薬だし、医者がサプリを嘲笑するのも相変わらずだし。
時代が進むにつれ、科学も進歩し、それにつれて人間は賢くなっていかなきゃいけないのに、相変わらずバカなまま。
栄養が足りてなくて、IQが低いせいかもね笑

もう少し新しい論文から。
http://pediatrics.aappublications.org/content/111/1/e39.short
ドコサヘキサエン酸(DHA)やアラキドン酸(AA)は哺乳類の神経系の発育に重要である。特に、ヒトでは妊娠中の第4四半期から生後数か月の期間に、脳におけるAAやDHAの容量が急速に増大する。
胎児(あるいは新生児)は、AAやDHAを完全に外部からの供給に依存している。
「妊娠中あるいは授乳期間に、母体が高用量の脂肪酸(DHA、EPA)を摂ることによって、児の知的発育に好影響を与えるのではないか」という仮説のもと、実験を行った。
妊婦あるいは授乳中の母親を2群に分け、一方にはn3系超長鎖多価不飽和脂肪酸(PUFA。タラの肝油)を、もう一方にはn6系長鎖PUFA(コーン油)を与えた。
結果、4歳時点で知能検査を行ったところ、タラ肝油摂取群はコーン油摂取群よりも有意に高いスコアを示した。頭部の周囲径にも有意な差が見られたが、誕生時の体重や胎児径に相関はなかった。
児の4歳時の知能スコアは母体のDHAおよびEPAの摂取と有意な相関が見られた。重回帰モデルにおいて、妊娠中のDHAの摂取が子供の4歳時点での知的スコアの統計的有意差を説明する唯一の変数であることが示された。

みなさん、頭のいい子供ってどう思いますか。
個人的には、別に頭がいいからかわいい、ってわけでもないと思うんだな。
実家で猫飼ってて、その猫、畳で爪とぎするなって何べん言ってもガリガリするアホ猫なんだけど笑、もう、すごくかわいくて。
知能が高いということと、その子が我が子としてかわいいか、愛着が持てるか、っていうのは別の話な気がする。
あ、猫と人間を一緒にしたらアカンか笑
でも、IQ低くて社会的に成功しなくても、人間として愛すべき人柄とか性質を備えてさえいれば、そっちのほうが本当の幸せをつかむ可能性が高いんじゃないかな。

ちなみに、子供が飲めばIQが高くなるというエビデンスのあるサプリを、僕もしばらく飲んでみた。
個人的な感想としては、IQが上昇したかどうかは分からないけど、僕の場合は、やたらと数学や統計学の問題を解きたい気分になった。
ロジックを使う知的作業に打ち込みたくなるような感覚。脳に負荷を与えて、かつ、それに耐え抜いて見せるぞ、という意欲がわいてくる感覚があった。
こういうのを子供のときに飲んでれば、確かに人生が変わってたかもなぁ。