ナカムラクリニック

阪神・JR元町駅から徒歩5分の内科クリニックです

2019年

美容整形

2019.7.4

「なんで美容に行ったかって?
一応これだけは言っておくけど、金に惹かれたんじゃないよ笑
収入は、まぁ標準的な医者よりはもらってる。でも全然割に合わない。
本当にもうけたいのなら、開業だよ。
もちろん、開業したからってうまくいくとは限らない。大手を向こうに回して成功するには、よほどの何かがないとダメだと思う。専門分野のなかで突出した腕があるとか、宣伝に充分お金をかけられるとか。
僕もできれば開業したいけど、正直それだけの自信がないから、〇〇(某美容クリニック)に勤めてる。

なんぼもらってるかって?えらい切り込んでくるなぁ笑
3と4の間くらいかな。でもはっきり言って、僕なんて全然だよ。美容やってる人の平均って、4と5の間って話だから。
でも君も知ってるように、1千超えたら手取りは大して変わんないよ。この国は累進課税で、稼ぐ奴がいじめられるようにできてるからね。

もうね、お金じゃないよ。本当に割に合わない。
全然労働に見合った収入じゃない。
専門は豊胸術だけど、何でもやってる。二重まぶたから脂肪吸引、植皮、ワキガ、ボトックス、ヒアルロン酸とか、いろいろね。
そうやって、月に25日、クリニックのために何でも屋として働いてる。
QOLは悪いな。家族ともっと一緒に時間を過ごしたいけど、なかなかね。
先月さ、僕の労働がクリニックの収入にどれだけ貢献しているか、ちょっと計算してみたんだよ。
そしたらね、ざっと4000万円だった。
僕の給料は固定プラス歩合で、歩合は売り上げの2%。4000万売り上げたからその2%でプラス80万円。
まぁ、ひどいよね。たったの2%だよ。4000万稼いでも、そのうち98%はクリニックの上前。
搾取されてる感がハンパじゃないよ。

しかしまぁ、聞かれたからこんなふうにグチが出たけど、本当は金のことは別にいい。女房子供を食わせるだけの金は稼いでる。
高級外車とかバカ高い腕時計とか、全然興味ないしさ。必要以上の金は、いらない。
知ってる?美容整形で使う薬とか道具って、オーダーメイドならともかく、ほとんどは二束三文の安物なんだよ。
で、そんな安物を使って、ビックリするような施術料をとる。もちろん、そこには技術料が含まれているわけだけどね。
安いものを高く売る。商売の基本だよね。そこは別に構わない。
ただ、仕事の何が苦痛ってさ、クリニックの方針で、効果がないような施術も売り込まないといけないところ。
たとえば、うちのクリニック、いびきにレーザーを使った治療をやってるんだけど、効かないよ、あんなの。エビデンスはない。でも患者は高い金を払ってる。
正直あんな仕事はやりたくない。

君はさっき、患者を本当に助けたいから栄養療法を始めた、って言ったよね。対症療法で症状をまぎらすだけの医療はやりたくない、毒みたいな薬を処方して威張ってるだけの医者にはなりたくない、って。
良心的だね。プロって、そういうことだと思うよ。
自分で言うのも何だけど、そこは僕も同じだよ。
せっかく仕事をするからには、患者の悩みを解決してあげたい。誇りが持てる仕事をしたい。
若い女性で、いびきに悩む人って意外に多いんだ。そういう人たちが、ネットで探して、レーザー治療を受けにうちに来る。そこの勤務医として「こんなの金のムダですよ」なんて言うわけにはいかない。効果がないとわかっていても、規定の施術をし、規定の料金を頂く。
胸が痛いよ。くだらねえ仕事してるなって思ってさ、自分が嫌になる。

なんで美容に行ったのか、ってことだけど、僕はね、変な話だけど、魔法を使いたいって思ってた。
昔テレビで、美容整形を真っ正面から取り上げた番組をやってた。ビフォーとアフターが激変するんだよ。本当に、生まれ変わったみたいにきれいになって。魔法のようだって思って、すごく憧れた。
僕もあんなふうに、女の子をきれいにする魔法を使って、それでその子の人生が変われば、すばらしいことだなって。
「腫れぼったいような一重まぶたが嫌いで、自分の顔が好きになれない」
「小さな胸がコンプレックスで、女性として誇りが持てない」
そういう人が僕の施術を受けて、自分に自信を持つようになる。そして恋愛に積極的になって、人生がどんどん拓けていく。
僕が自分の仕事にやりがいを感じるのは、自分のかけた魔法が成功したって思える、そういう瞬間なんだな」

電子レンジ4

2019.7.3

「現在、電子レンジは何ら規制されることなく野放しに使用されている。この責任の一端は我々科学者にある。
我々の責務は、この状況に警鐘を鳴らすことだ。同時に、自然と調和した技術を開発しそれを社会に広めることだ。
技術によって自然と調和した便利な社会を作ることは可能なはずだと、私は思っている」
ハンス・ヘルテル博士の言葉である。
彼は、電子レンジによって加熱した食品が人間の血液および生理にどのような影響を及ぼすかを調べた最初の研究者である。
それは小規模ながら、非常に質の高い研究だった。
「極力多くの変数を減らすために、マクロビオティックの施設で暮らす8人に被験者として協力してもらった。
彼らは厳格なマクロビオティック食を実践していて、酒もタバコもやらない。8週間、私はそういう人たちと同じホテルで過ごした」
電子レンジで加熱したものを食べることで、どのような変化が生じるか。その変化は、非常に微妙なものかもしれない。
変化を敏感に検出するためには、他の変数は極力小さくしたい。
タバコ、酒、ジャンクフード、農薬、ホルモン剤、抗生剤、環境汚染などが影響しては、研究の結果をゆがめてしまうからだ。

採血データの異常は明らかだった。
電子レンジで調理した食品を食べると、赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット、白血球の値が正常範囲内下限にまで低下した。
「この結果は、貧血傾向を示唆している。8週間の期間中、後半4週間でその傾向は一層顕著になった」とヘルテルは記している。
「そのように低下する項目がある一方で、コレステロール値は上昇していた」

水分子を含む物体にレーダーやマイクロ波を照射すると、その物体の組成が変化する。
それは、水分子(特に酸素分子)に加わった激しい摩擦熱(熱効果)による変化と無熱効果による変化である。
この変化によって生成した物質は、放射性分解化合物(radiolytic compounds)と呼ばれており、自然界に存在しない。
この放射性分解化合物は、電子レンジで加熱した食品中にも当然含まれている。

国の機関や一般の学会では、電子レンジによって生じる放射性分解化合物の量は、普通の加熱方法(煮たり焼いたり)で生じる放射性分解化合物の量よりも多くはない、とされている。
これは明らかに事実と異なる。
しかし不思議なことに、公的機関や一般の学会は実際にこの放射性分解化合物を調べる実験を行わないし、これを食べると採血データや健康状態にどのような異常が生じるかを研究しない。
そうしたなかで、ヘルテルが電子レンジの有害性を明快に示す研究を行い、広く公表したのだった。

1992年電子レンジの販売を担うスイス産業会(FEA)がヘルテルを裁判所に訴えた。
「被告(ヘルテル)の主張は事実無根であり、原告(FEA)は多大な風評被害を被った」というのが訴状の主旨である。
この裁判の結果は、どうなったか。
ヘルテルの主張は科学そのものなんだから、再現性もあれば普遍性もある。裁判に訴えられたところで、負けるわけがない。
そう思うでしょう?
違います。
あろうことか、ヘルテルに裁きの鉄槌が下された。
原告の訴えが通り、ヘルテルには箝口令が命じられた。「その研究結果を口外するな」というお達しである。

「真実を語った人は叩かれる」というのが世の常だ。
ヘルテルもその例外に漏れず、見事にしてやられた。
「科学が人を不幸にすることがあってはならない」という信念のもと電子レンジの危険性を告発した科学者は、巨大企業の圧倒的な資金力を前にして、一瞬で踏みつぶされた。
この姿が、僕にはライナス・ポーリングの姿とダブって見える。
本当に良心的な科学者は、世界中のあちこちに、きっといる。でもその声は、一般大衆の耳に届く前にかき消されてしまう。

そして僕らは今日も、当たり前のように電子レンジを使っている。
その危険性を知れば、加熱完了の「チーン」が、死の暗示、仏壇の前で聞く「チーン」に聞こえるはずなんだけどね。

電子レンジ3

2019.7.2

食品を電子レンジにかけると、自然界に存在しない物質が生成する。
一般に、こういう人工的な物質を体内に入れると(消化管経由であれ静脈経由であれ)、体はその代謝に四苦八苦する。
毒物の代謝といえば、肝臓の出番だ。
体はこの「電子レンジ毒」の流入に対して、肝臓に蓄えたグルタチオンやらビタミンCやらを総動員して、何とか毒性を丸め込もうとする、というのが以下の論文。
https://www.researchgate.net/publication/303589584_Impact_of_microwave_heated_food_on_health_Journal_Journal_of_Advances_in_Biology
要約
本研究の目的は、電子レンジで加熱した食餌をマウスに与えて、血液や臓器にどのような生物学的影響があるかを調べることである。
オスのスイスアルビノマウス(1か月齢と3か月齢)に同食餌を与えたところ、血中総タンパク質濃度が低下する一方、アルブミンやビリルビンが上昇した。
グルタチオンペルオキシダーゼやSOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)が減少し、同時にマロンジアルデヒド(酸化ストレスのマーカー。生理学的異常の原因)が増加した。
本研究の結果は、電子レンジによるマイクロ波の照射によって肝機能に悪影響が生じ、組織学的障害や生理学的障害が起こり得ることを示唆している。

上記論文の本文(5.Discussion)にも興味深い記述があるので、抜き書きして紹介しよう。
Veneman et al(2004)によると、電子レンジで加熱した食餌を食べたマウスのみならず、電磁場に曝露したマウスでも肝細胞の損傷が起き、アルブミンとビリルビンが増加していた。
同様の研究はLohmann et al(2000)にもあり、ここでは50Hzの磁場にさらすことでマウスの血中アルブミン、ビリルビン、AST、ALTが増加することが報告されている。
本研究と同じ結果であるMoussa(2009)では、マウスを3.5GHzの磁場にさらすことでアルブミンとビリルビンの増加が確認されている。
処置をしたマウスにおいて、肝酵素のマーカー(AST、ALT)、アルブミン、ビリルビン、総タンパクで増加が見られる(Clark et al.2003)
本研究はBurgert et al(2006)と一致しており、ここではアルブミンとビリルビンの増加のみならず、肝細胞の損傷に起因するALP(アルカリフォスファターゼ)の増加を報告している。
本研究では血中総タンパク濃度は減少したが、これと同様の結果はBohr(2000)でも報告がある。これは、電磁波によるタンパク質の変性についての研究である。
Moussa(2009)の結果は、これとは逆で、マイクロ波に曝露させたマウスで血中タンパク濃度がむしろ増加していた。
本研究では肝酵素の変化を評価しているが、電子レンジで加熱した食餌を8週間食べ続けたマウスと同様、電子レンジから照射される2.45GHzのマイクロ波に照射されたマウスでも血中のALP、ALT、ASTの上昇が見られた。
本研究がPashovkina and Akoev(2001)と一致しているのは、肝細胞の細胞膜の透過性が変化しALPが有意に増加する、ということである。電子レンジ照射群で見られたALP活性の上昇は、肝細胞の損傷を示すものである。
Dufour et al(2000)は血中マーカーとして肝酵素(ALP、ALT、AST)を測定することは、肝細胞の損傷や壊死のみならず、肝機能不全を検出する上でも有用だと指摘している。
Abdel-Aziz et al(2010)は、ラットを電磁場に2週間さらしたところ、AST活性が有意に増加したことを報告した
Oh et al(2006)は、血中ALT濃度と非アルコール性脂肪肝(NAFLD)、心血管疾患の間には相関があることを報告した。Claek et al(2003)はALT増多の原因で最も多いのはNAFLDだと指摘している。
電子レンジで加熱した食餌を与えた後のAST、ALPの増加は、肝損傷の指標となるばかりではなく、その他の組織の損傷マーカーでもある。(Hajimehdipoor et al.2006)
本研究の結果は、実験群マウスでの血中ALT増加を示しているが、これはMaria and Stuchly(1995)とも一致している。

日本で、電子レンジがない家庭はほとんどないだろう。普及率は、ほぼ100%に近いに違いない。
しかし電子レンジで調理することで、食品中に毒性物質が生じることを知る人はほとんどいない。
人々の健康を守るべき医者でさえ、電子レンジが原因で病気になり得ることを知らない。
だから医者は患者の異常な採血結果を見ても、その原因が電子レンジの過剰使用によるものだなんて、疑うことさえできない。
でも実際の臨床現場では、電子レンジに起因する病気の患者が必ずいるはずだ。
電子レンジの普及率を考えれば、いないはずがないんだ。

「総蛋白もアルブミンも高くて、いいですね。しっかりタンパク質が食べれてて、肝臓が元気な証拠ですよ」
「ALPが高めで、いいですね。ALPの活性中心には亜鉛がありますから、これは亜鉛がちゃんと摂れてる証拠なんですね」
自戒を込めて言うんだけど、毎日電子レンジで加熱した食事をしているような患者を相手に、僕はこんなふうに説明していた。
知識がなかったら、的外れな読み方をしてしまう。
生かせないデータなら、とったところで意味がない。

電子レンジ2

2019.6.30

電子レンジの何がよくないのか。
マイクロ波照射によって自然界には存在しない物質が食品中に発生し、それを食べる危険性。もう一つには、電子レンジから漏れる電磁波(マイクロ波)の影響だ。
後者については、高圧電線の近くにいたり車(特にハイブリッド車)や新幹線に乗っても被曝するし、電子レンジ以外の電化製品(テレビ、携帯電話、ファンヒーター、IH調理器など)も強い電磁波を放つ。
簡単な電磁波測定器がネットで4千円くらいで買える。いいのなら3万円くらいするけど、安いのでもけっこう精度が高い。小さなお子さんがいる親御さんは、一度家庭内のあちこちの電磁波を測ってみるといい。あるいは小学生の子供には、理科の自由研究なんかにうってつけのテーマだろう。
稼働中の電子レンジのそばに電磁波測定器をかざしてみよう。「フタをきちんと閉めて使えば、電子レンジから電磁波が漏れることはない」というメーカー側の説明がウソだということが、すぐに確認できるだろう。

以下もう少し具体的に、電子レンジがなぜ、どのように悪いのか、掘り下げてみよう。
たとえば、こんな文献がある。
リタ・リー博士の論文から(ランセット1989.12.9)
「赤ちゃん用のミルクを電子レンジにかけると、ミルク中のトランスアミノ酸が合成のシス異性体に変換された。合成の異性体は、シス型アミノ酸であれトランス型脂肪酸であれ、生物学的な活性を持たない。
さらに電子レンジによって、アミノ酸のひとつであるLプロリンがD型の異性体に変換されたが、これには神経毒性と腎毒性があることが知られている。
多くの赤ちゃんが母乳ではなくニセのミルクを与えられていることは憂慮すべきことだが、今や電子レンジによって事態はますますひどいことになっている」

電子レンジがもとで起こった医療事故がある。
輸血の際、冷蔵保存した血液を、冷たいままで患者に入れることは当然できない。適温(30〜37度)に戻すことが必要だ。本来なら、恒温槽を使ったりお湯に浸けて温めるべきところ、あるナースが、いつもと違うやり方で血液を温めた。電子レンジを使ったのである。
手術自体は、ごく一般的な股関節置換術だった。しかし術中、この「チン」をした血液を輸血された患者ノーマ・レビットさんは、死亡した。この医療行為、輸血用血液を電子レンジで温めたことと患者の死亡の因果関係をめぐって、1991年に裁判が行われた。

「電子レンジで温めることは、他の方法で温めることと何ら違いはない」というのがメーカー側の言い分だが、この主張にはずいぶん無理がある。
物体にマイクロ波を照射することによる加熱は、他の加熱方法と一体何が違うのだろうか。
マイクロ波自体は自然界にも存在するものだ。たとえば太陽や月の光もマイクロ波を放っている。しかしこれらのマイクロ波は直流だが、電子レンジやレーダーによる人工的なマイクロ波は交流で、これは自然界に存在しない。
交流マイクロ波の照射を受けた物体は、その物体を構成する原子、分子、細胞が1秒間に10億〜1000億回の「揺さぶり」を受ける。水分子を含む物質には極性(プラスとマイナス)があって、マイクロ波照射によってそのプラスとマイナスが行ったり来たりして、激しい摩擦が生じるわけだ。
どんな原子、分子、細胞も、こんなに激しいエネルギーに耐えることはできない。家庭用の電子レンジは数百ワットだが、ミリワット単位のエネルギー照射でさえ物質の変性を起こす。

分子構造が引き裂かれ、分子が強制的に変形して、構造異性体を生じる。これはもともとあった分子とまったく異質なものだ。従来の加熱方法は、熱力学の法則に基づいた単なる熱の移動だから、加熱部分から徐々に温まっていくし、こんな妙な物質は生じない。
逆に、マイクロ波の照射は、物体をその内部から温めていく。電子レンジに入れた食べ物は熱くなっても、それを入れている容器はそんなに熱くならないでしょう?それは、マイクロ波が食品中の水分子に作用して摩擦熱が起こっているからだ。陶器の茶碗には水っ気がないから、温まらない(食品から容器に熱が移動して熱くなることは当然ある)。

マイクロ波を照射する影響は、摩擦による分子の破壊(熱効果)だけではなく、無熱効果というのもある。現在の技術では無熱効果を測定することはできないが、この効果も分子構造を歪ませ、質の変性をもたらす。
この無熱効果は、たとえば遺伝子組換技術の分野で実際に用いられている。マイクロ波によって細胞膜が弱体化する。細胞機能が破綻し、電気ポテンシャルが中性になる(生きた細胞は通常細胞膜の内側がマイナス、外側がプラスに帯電していて、この電位差こそが細胞の命そのもの)と、細胞はウィルスや細菌に容易に感染する。細胞の修復機能も抑制されているため、細胞は何とかこの状況を生き抜こうとして、好気呼吸から嫌気呼吸に切り替える。水や二酸化炭素を排出するのではなく、過酸化水素や一酸化炭素などの毒性物質を排出するようになる。
マイクロ波を照射された物質に上記のような変化が起こるが、同様の変化は、マイクロ波の照射を受けた我々人間の体内でも起こる。

以下は、ロシアの研究による。
・肉を電子レンジにかけると、dニトロソジエタノールアミン(発癌物質として有名)が生成した。
・牛乳とシリアルを電子レンジにかけると、食品中のいくつかのアミノ酸が発癌物質に変化した。
・冷凍したフルーツを解凍するときに電子レンジを使うと、グルコシドやガラクトシドが発癌物質に変化する。
・野菜(生野菜であれ調理済みの野菜であれ冷凍野菜であれ)をごく短時間電子レンジにかけるだけで、植物アルカロイドが発癌物質に変化した。
・電子レンジにかけた植物では、発癌作用のあるフリーラジカルが生成した(特に根野菜で顕著だった)。
・電子レンジによる分子構造の変化のため、調べた食品すべてにおいて、栄養価が60〜90%低下していた。また、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、必須ミネラル、脂溶性栄養分の生物学的利用能が低下していた。

つまり、食品を電子レンジにかけるということは、含まれる栄養が壊れるだけでなく、発癌物質など体に好ましくない成分が生じるということだ。
このことは、義務教育で子供たちに教えるべきだろう。
個人的には、昔のロシアみたいに、国策として電子レンジを廃止するのが一番早いと思う。それだけで、世間にあふれる病気の半分は自然に治るんじゃないかな。
でも、電子レンジが各家庭や外食産業に不可欠なくらいに浸透している現状もわかる。なくせないなら、せめて選べるようにすべきだろう。まず、電子レンジによる調理が体に悪いことを周知徹底する。その上で、使用するしないは個人の判断に任せるといい。
「体に悪いならできるだけ使わないでおこう」と思う人もいるだろうし、「いや、昼休憩のときに弁当を温めるのに欠かせないから」などと、使い続ける人もいるだろう。利便性と健康のトレードオフで、どちらを優先するかは個人の自由だ。
タバコの害は充分知られている。喫煙者は肺癌のリスクを承知の上で、タバコを楽しんでいるわけだ。好きにすればいい。電子レンジについても、同様のスタンスで考えるべきだ。
しかし危険性についての知識がないと、拒否しようとさえ思わない。

たとえば、働いているお母さんがいる。まだ乳離れしていない数ヶ月の子供のために、お母さんは朝、仕事に行く前に、毎日おっぱいを哺乳瓶に搾って冷蔵庫に保管し、お手伝いさんにことづけている。「お昼や夕方に、この母乳を電子レンジで温めて、この子に飲ませてやってくれ」と。
子を思う美しい母心だと思う。
しかし医者としては、このような母子を見て感傷に浸っているわけにはいかない。恐らくこの乳児は、後年小児癌を含め様々な病気にかかりやすくなるだろう。
電子レンジは無害、ということになっている。この前提に立てば、すばやく温めるために輸血用血液をチンした人を責めることはできないし、子供に温かいミルクを飲ませるためにチンする愛情も否定できない。
しかしこんな前提はとっくに崩壊している。愛ゆえの行動が、子供の人生を奪いかねないなんて、こんなデタラメは絶対にあってはいけないんだ。

参考
https://pdfs.semanticscholar.org/53a1/d37f97fb2115db9fbe449793fd6897235cc5.pdf

電子レンジ

2019.6.28

パニック発作に悩む若年女性。本やネットの情報を参考にして、やれることは一通りやった。鉄剤も飲んだしプロテインも飲んだ。その先生がいいと勧めるビタミンも片っ端から飲んだ。でも良くならない。途方に暮れて、当院に来院した。
僕を頼って来てくれたのはうれしいが、僕にだって「答え」があるわけじゃない。
「うーん、困ったなぁ。何で治らへんのやろうなぁ」と一緒に悩みつつ、答えを模索していくしかない。「ナイアシンもビタミンCもダメかぁ」
他に彼女が試していない手段は、あるにはある。脂溶性ビタミンはE以外まったく飲んでいない。有機ゲルマニウムもアダプトゲンも試していない。
試してみる価値はあるのだが、彼女の持参した血液データを見て、ふと、思うところがあった。
「ひょっとして、電子レンジをよく使いませんか?」
「使います」
「どれくらいの頻度で?」
「毎日です。使わない日はほぼないですね」
「家で料理するのは、ガス?それともIH?」
「IHですけど」
ここらへんかな。引き当てたかもしれない。ハズレかもしれないが、いったん試してみる価値はある。
「ひとまず、2週間だけでいいので、電子レンジを使うのをやめてみませんか。
2週間だけでいいです。それで何も改善しなければ、今まで通り、電子レンジを普通に使って頂いてけっこうです。ただし、この2週間はちょっと本気を出して、徹底して避けてください。外食も電子レンジで調理した料理が出るかもしれないので控えましょう」
「わかりました。よくなるのであれば、何でもします」
相乗効果が期待できる場合を除いて、同時に複数の変化はつけたくないのだが、「今のこのパニック感を少しでもやわらげるサプリはないですか」とのことなので、D3とK2、Aを勧めた。
2週間後。見違えるように回復していた。
「今まで悩んでいた症状がウソのようになくなりました。パニックがなくなったのはもちろん、妙な倦怠感や肩こりもなくなりました。もうすっかり良くなったので、病院に来なくていいような気もしましたが、お礼の気持ちもあったので、来ました」と笑顔を見せた。

変数が2つある。電子レンジの使用をやめたことと、脂溶性ビタミンを始めたこと。
どちらが奏功したのかはわからない。でも、結果オーライ。
僕は研究者じゃなくて臨床医だから、患者の治癒こそがプライオリティだ。患者が治れば万々歳。原因の究明や考察はひとまず後でいい。
脂溶性ビタミン、特にビタミンD3の認知機能への影響については、以前このブログでも書いたことがあるから、ここでは触れない。そこで今回は、電子レンジのことについて書こう。

ヘモグロビン低値、白血球高値(ただしリンパ球低値)、コレステロール低値(特にHDL/LDL比の低下)を見て、どう考えるか。
若年女性でヘモグロビン低値なら貧血を疑うところ。しかしこの患者は自分なりに勉強して、すでにいろいろやっている。鉄もビタミンB群もとっているから、小球性、大球性、いずれの貧血も考えにくい(ビタミンA欠乏性貧血の可能性は残っている)。
ここで、普通の医学部教育では教わらないが、実臨床ではぜひ知っておきたい貧血がある。『電子レンジ誘発性貧血』である。

スイスの科学者ハンス・ヘルテルが1991年に行った以下のような実験がある。
被験者に以下のような食事を空腹時に食べさせる。
(1)生乳(2)従来の方法で加熱した牛乳(3)低温殺菌した牛乳(4)電子レンジで加熱した生乳(5)有機農場で採れた生野菜(6)従来の方法で加熱した野菜(7)いったん凍らせた後電子レンジで解凍した野菜(8)電子レンジで加熱した野菜
一つの食事を食べたら、2〜5日の間隔を置いて、次の食事をとらせるようにした。各食事の前後には採血を行った。
結果、電子レンジで加熱した食品(以下、チン食品とする)を摂ったときに被験者に見られたのは、上記の変化、ヘモグロビン低値、白血球高値(ただしリンパ球低値)、コレステロール低値(特にHDL/LDL比の低下)である。
同時に、被験者から採った血液を、発光バクテリアを使って評価した。発光バクテリアは、チン食品を摂取した被験者の血液に触れると、有意に強い発光を示した。この発光の強さは、食品に照射したマイクロ波の量と有意に相関していた。

こうした結果を踏まえて、ヘルテルは以下のように考察した。
「白血球数は、採血の時間帯によって多少日内変動しているものだが、チン食品を食べた後の増加は、それでは説明のつかないほど大きかった。
この白血球増多は体の生理に基づいたものであり、すでに他の文献でも示されている。発光バクテリアを使った研究は、それを裏付けただけのことだ」
以下、ヘルテル博士非常に興味深い考察が続くのだけど、長いので省略。

ただ、ちょっと触れておきたいのは、電子レンジは英語で”microwave oven”という。つまり本来、マイクロ波オーブン、とでも訳すべきものだ。あまりにもナマナマしいから、訳語として採用されなかったんやろうねぇ。実際、電子レンジは、マグネトロンを使って電磁場を起こし、マイクロ波を食品に照射することで分子同士の摩擦を引き起こし、加熱する仕組みだ。

ヘルテル博士は、マイクロ波を照射した食品を食べることによってだけでなく、生体に直接マイクロ波を照射することによっても、大きな悪影響があると指摘する。
これから、4Gから5Gの時代になって、町の中を行き交うマイクロ波の照射量が飛躍的に増大することになる。すると、どうなるか。
レーダーが開発されて以後、レーダー(マイクロ波)の人体に及ぼす影響は1950年代のロシアで精力的に研究された(この研究を踏まえ、健康への影響を重く見たロシアでは、長らく電子レンジの使用が禁止されていた)。
まずマイクロ波照射による最初の兆候は、低血圧および徐脈である。慢性的に照射を受けると、今度は交感神経が興奮し、高血圧になる。そして、頭痛、めまい、眼痛、不眠、イライラ、不安、胃痛、神経質、集中力低下、脱毛などの症状が現れる。具体的な病態としては、虫垂炎、白内障、生殖障害、癌の発生が増加する。慢性症状が続くと、副腎疲労、虚血性心疾患が起こる。
5G導入後には、当院に来る患者にも、こういう主訴が増える可能性を当然念頭に置いておくべきだろう。

何が一番問題かといって、電子レンジやマイクロ波が病気の原因になり得ることを、医学部でまったく教えていないことだ。教わってないんだから、鑑別に挙げようがない。医者は自分で論文にあたって学ぶしかない(医学部を出てからが、本当の勉強だ)。
しかし仮に病気の根っこの原因が電子レンジだったとしても、そういう患者が栄養療法を始めた場合、完治とはいかずとも多少改善する可能性はあると思う。たとえばビタミンCが抗酸化やデトックスの働きをして、根本的な原因にアプローチしてないものの、症状を抑えてくれるかもしれない。でもこれは、長期的には微妙なことだね。だって、この患者はなまじっか回復したばかりに、電子レンジが病気の原因とは疑いもせず、ずっと使い続けるだろうから。
文明の利器の目に見えない悪影響っていうのは、何とも困ったもんやね。

参考
https://pdfs.semanticscholar.org/53a1/d37f97fb2115db9fbe449793fd6897235cc5.pdf