2019.9.27
古代インドの神話。
人間が悪に堕落したことを危惧して、自然界(動物界、植物界、鉱物界)の神々が会合の場を持った。
動物界を代表して、クマが言った。「世界から悪をできるだけ減らそう。そのためには、悪の根源である人間の寿命を縮めるべきだ。人間が長生きしては、自然界が破壊されてしまう」
どうやって人間の寿命を縮めるつもりなんだい?
「病気にかかるようにすればいい」
植物界、鉱物界の神々は、動物界の強硬な意見にしぶしぶ同意したが、植物界は人間のことを哀れんだ。
植物界の代表はタバコだった。「気の毒なことだ。もうすぐ人間たちは病気に苦しむようになる。その苦しみを、少しでもやわらげてやりたい」そう思ったタバコは、他の神々に大きな声で言った。「私が聖なるハーブになって、人間がかつての聖なる生活を取り戻せるように、手助けしようと思う」
タバコは、植物界の代表として、様々な植物たちに、ハーブとして人間の苦痛をやわらげてやるよう指示した。
鉱物界の神々も、クマの提言を聞いて、人間を哀れに思っていた。彼らも人間の病苦を癒してやりたいと思った。
鉱物界の代表はクォーツ(石英)だった。「しかし、自分は石。どうやって人間の助けになれるだろうか」
クォーツとタバコは非常に仲がよかったことから、この2人の神は語り合った。
ふと、クォーツが腕を伸ばしてタバコを抱いた。「兄弟よ。君が聖なるハーブになるというのなら、私は聖なる鉱物になろう」
神話は字義通りに解釈するべきものというよりは、何らかの比喩であることがしばしばあるものである。
クォーツとタバコが抱き合うというのは、一体何の比喩だろうか。クォーツがタバコを「兄弟」と呼ぶのはなぜか。
現代科学が、この問題に答えを与える。
タバコは、ミネラル成分として、非常に高濃度のケイ素を含んでいる。ケイ素はクォーツの別名と思ってもらえればいい。
植物のなかには土壌中のケイ素を大量に吸収して蓄えるものがある。タバコ(葉)、スギナ(葉)、キュウリ(実)、サルサパリラ(根)、甘草(根)、エキナセア(全草)、穀物などが有名だ。
なかでもタバコ葉のケイ素含有量は植物のなかでもトップクラスだ。
葉にフィトリス(phytoliths)と呼ばれる小顆粒があって、そのなかにケイ素がぎっしり埋め込まれている。
そう、タバコとクォーツ(ケイ素)が抱き合ったということは、タバコが土壌中のケイ素を吸収して内部に取り込み、植物界の神、鉱物界の神、両者が人間の病苦を癒やすためにこの世に顕現したということだ。
古代インドの神話は、現代科学の目から見ても充分に正しかったということだ。
ケイ素は、骨、皮膚、髪の構成要素であることはもちろん、精神への影響も大きい。
飲み水、食品など、ケイ素の摂取量が多い人ほど、認知機能が高く、アルツハイマー病を発症しにくいことがわかっている。
https://academic.oup.com/ajcn/article/81/4/897/4649100
これは2005年の研究だが、すでにこの30年前にEdith Carlyleが著書”Silicon Biochemistry”のなかで、「脳は、事実上、ケイ素でできている」と述べている。
脳は体の他のどの部位よりも、ケイ素の取り込みが多い。特に、海馬、尾状核、レンズ核で濃度が高かった。
記憶を司る海馬でケイ素の濃度が高いことは、非常に興味深いことではないか。
ケイ素の摂取量の減少がアルツハイマー病の発症率の増加につながることと関連しているに違いない。
ここから類推すれば、タールなどの添加物を含まない純粋なタバコ葉を吸っている人では、ケイ素が多く供給されるため、認知症の発症率が低いと考えられる。
さらに、認知症患者では、脳内のアルミ濃度がケイ素濃度より高い。アルミが蓄積すると、ケイ素を押し出してしまうことがわかっている。
必然か偶然か、ケイ素はコンピューターの半導体メモリーに欠かせない。
人間の記憶にもPCの記憶にもケイ素が関わっているというのは、妙に不思議な一致じゃないか。
PC、ケータイなど各種デバイスには、必ず半導体が、つまりケイ素が使われている。つまり、ケイ素は現代文明を根底から支える元素であり、そういう意味で我々の周りにはケイ素があふれているが、我々の食事からはケイ素がどんどん減っている。
精製した穀物はケイ素を豊富に含むヌカやフスマの部分を捨ててしまうし、現代の農地からは土壌中のケイ素がますます減少している。
ケイ素が不足しがちな現代人だが、食品やサプリを使ってケイ素をしっかり摂取してみるといい。
そうすれば、奇跡が起こる。どんな奇跡かって?
タバコを吸いたい欲求が、魔法のように消えるはずだ。
ケイ素こそ、魔法のミネラルと呼ぶにふさわしい。
次回以降、ケイ素がどのように著効するか、その具体例を見ていこう。
2019.9.27
嫌煙の風潮がますます強まり、喫煙者は肩身が狭い受難の時代である。
「世間の圧力に負けてなるものか。なに、タバコ税の分だけ、国の税収に貢献していいるぐらいなんだ。堂々と胸張って吸うぞ」と強がる愛煙家も、
「勝手にタバコを吸って健康を害しているくせに、非喫煙者と同じように健康保険を利用できるのって、どうなの?あと、受動喫煙で好きでもない煙のにおい嗅がされてる人の気持ち、わかる?」などと攻撃されれば、なかなか反論しにくい。
生きにくさはひしひしと感じている。本音としては、「いっそ、禁煙しようか。タバコ代も積もり積もればバカにならないし、健康のことを思えば、やめれるものならやめたい」と思っている喫煙者もいるに違いない。
というか、思い立って禁煙を試みた人もいるだろう。それも一度二度ではなく、何度も。ところがそのたびに、抑えがたい喫煙欲求に屈服してきた。
「俺はなんて意思が弱いんだろう」挫折のたびに、自己嫌悪を感じる。
「自分を責めないでください。タバコをやめられないのは、あなたの意思が弱いからではありません」
著書”The Natural Cure For Cigarette Smoking” のなかでAnthony Shkreli氏は、説いている。
「タバコがやめられないのは、ある種の欠乏症によるものです」
世の中には2種類の飢えがある。
空腹による飢えのことは、誰しも知っている。しかしもうひとつ、あまり知られていないタイプの飢えがある。
この飢えは20世紀になって、Curt RichterやLeslie Harrisといった科学者が発見した『特殊飢餓(special hunger)』と呼ばれる飢えである。
食事を充分に摂取しているつもりでも、その食事にある種の要素が欠乏していれば、それを渇望する特殊飢餓を発症する。
ミネラル欠乏に陥った人(特に若年女性)が、粘土、ガラス、爪、洗濯のり、土など、異物を衝動的に食べる現象が古くから知られていて、pica(異食症)と呼ばれている。
アフリカのある原住民はこの性質をよく知っていて、妊娠を控えた女性が食べるための石(食用の石)が市場で販売されている。このpicaも特殊飢餓の一例だ。
「喫煙者も同じではないか。煙という、”食品ならぬもの”への欲求が抑えられないというのは、ある種の欠乏による特殊飢餓ではないか」と著者は指摘する。
「あなたはタバコに依存しているのではない。あなたは、飢えているのだ」
そうであるならば、食事の改善など何らかの方法でその欠乏を満たすことができれば、タバコへの欲求も自然と消失するはずだ。
Richterはラットの食事から1種類だけ栄養成分を抜いて、様々なタイプの特殊飢餓を作り実験を行った。
たとえば、食事からチアミン(ビタミンB1)を抜くと、脚気のラットができる。このラットの前に、13本の食事ボトルを並べる。そのうち12本はビタミンB1を含まないが、ただ1本だけはB1を含んでいる。
そうすると、ラットは見事にこのB1入りのボトルを選び、他のボトルは一顧だにしない。
「このB1入りのボトルへの執着はすさまじく、ケージのボトルを交換しようとすると、ラットがボトルに噛み付いて何としても離そうとしないほどだった」とRichterは記録している。
たまたま選んだのではない。欠乏を補ってくれるものを、本能がしっかり察しているのだ。
Richterは他にも、副腎を除去したラットを使った研究を行った。副腎を除去したラットに通常のエサを与えていると、普通は1週間ほどで死亡する。これは、副腎が塩(えん)の代謝に関わっているためだ。
このラットを、塩の溶液が自由に飲める環境においてやると、この溶液を選び生存する。
副甲状腺を除去したラットは、血中カルシウム濃度を保てなくなり、死亡する。しかしカルシウム溶液を置いておくと、やはりこの溶液を選んで生存する。
体内のアンバランスを是正するのに何が必要であるかを、適切に察しているということだ。
さらに研究は続く。
ラットにビタミンB群を抜いたエサを長期間与えた。ポイントは、その他の栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミンB以外のビタミン、ミネラル)はしっかり与えていることである。
Richterはこのラットのケージ内に健康なラットの糞を入れてみた。通常の食事をしているラットでは、糞など見向きもしないところ、これらのB群欠乏ラットは、なんと、エサそっちのけでこの糞を食べ始めた。
自分の生存に必要なものは本能が告げ知らせる。それが生存に必要であるならば、ウンコだろうが何だろうが構わずむさぼり食う。それが生物というものだ。
タバコへの衝動を抑えられない人は、タバコのなかに含まれる何かによって、自身の特殊飢餓を満たそうとしているのではないか。
だとすれば、その「何か」とは何だろう。
著者は、「古代インドの神話のなかに、そのヒントがある」という。
2019.9.27
職場の同僚が「ニコチン補給してくるわ」といって、タバコを吸いに外へ出る。
そう、同僚のこんな口癖に見られるように、タバコに対する依存性は、ニコチンが引き起こしている、ということになっている。
それは医療関係者でなくても、誰もが知っている”常識”だ。
しかし、これまで世に出た医学文献のうち、ニコチンの依存性を実証した文献はただのひとつとして存在しない。
http://www.ecigarette-politics.com/is-nicotine-addictive.html
逆に、ニコチンがいかに体によいか、ということを示した論文なら、無数にある。
神経疾患(ADHD、強迫性障害、統合失調症、うつ病、アルツハイマー病、パーキンソン病)、自己免疫疾患あるいは炎症性疾患(潰瘍性大腸炎、癌、風邪など)、ニコチンの有効性が確認されている疾患は多い。
そもそもニコチンは、普通の食事に含まれている成分のひとつだ。
ナス科植物(ナス、ピーマン、トマト、ジャガイモなど)に当たり前に含まれていて、血中ニコチン濃度を調べたら誰でも陽性になる。
しかし、ナス科植物のタバコだけは、そこに含まれるニコチンだけは例外で、体に悪い、ということになっている。
不思議だ。
様々な研究データの示すところを素直に読めば、逆が事実であるはずなのに、なぜか僕らのなかでは「ニコチン=害悪」というイメージができあがっている。
ところで、ニコチンの分子はこんな形をしている

シンプルな構造の分子で、当然のことながら、以下のナイアシン(ニコチン酸)に似ている。

実際、ニコチンが体内で酸化されればニコチン酸(ナイアシン)になる。
わかりやすい話でしょう?
そう、ニコチンは毒物なんかじゃない。
ナイアシンが不可欠なビタミンであるように、ニコチンもれっきとした栄養素だ。
多くの被験者に純粋なニコチンを高用量で6ヶ月に渡って投与しても、誰一人として依存を生じなかった。ニコチンの依存性を証明しようとした研究は、ことごとくすべて失敗している。
もういい加減認めよう。
ニコチンは依存性物質ではないのだ、と。
では、なぜ、ニコチンには依存性がある、ということになっているのか。
「ニコチンは依存性があり、体に悪い」という社会通念を広めることで、金もうけをしている人がいる。
禁煙したい人に対して「タバコ依存はニコチン依存なのだから、ニコチンを別の方法で摂取することで禁煙できる」という理屈のもと、禁煙補助薬を売り込むことができる。
実際にはろくに効きもしないのにね。
『ニコチンパッチを6ヶ月以上使っても、禁煙には無意味』
https://www.cardiosmart.org/News-and-Events/2015/03/Duration-and-Effectiveness-of-Nicotine-Patch-Use
では、タバコ依存に陥っている人は、ニコチンでなければ一体何に依存しているのか。
一般的なタバコを吸っている人に対して、有機無添加のタバコ葉をパイプで吸っているような人は、タバコ依存にならない。
このあたりをヒントに考えれば、タバコに何らかの依存性を引き起こす添加物が加えられている、という推測は自然だろう。
しかし企業秘密なのだろうか、僕が調べた範囲では、その物質に関する情報をつかむことはできなかった。
ただ、調べていくなかで、おもしろそうな本を見つけた。
“The Natural Cure For Cigarette Smoking” (Anthony Shkreli著)
取り寄せて読んだところ、タバコの依存性の本態について、非常に興味深い説が述べられていた。
次回のブログではこの点を掘り下げていこう。