院長ブログ

白血病とビタミンK2

2019.5.16

『白血病新薬キムリアを保険適用 1回当たりの価格は約3350万円』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190515/k10011916561000.html

「中医協では、1回当たりの薬の価格を3349万円と決めました。
厚生労働省によりますと、現在、国内で保険が適用されている薬では最も高くなるということです。
患者が医療費として払う額には上限が設けられ、超えた部分は保険料と税金などで賄われるため、専門家などからは、高額な医薬品への保険適用が相次げば、医療保険財政に影響を与えかねないと懸念も出ています」

正気の沙汰じゃない。厚労省の役人は何を考えているのか。
こんな超高額な新薬が次々に出てくれば、保険料や税金からの補填では間に合わず、いずれ公的医療保険制度の崩壊は免れないだろう。
患者団体がこのニュースを歓迎するのはわかる。
しかし保険システム自体が崩壊して困るのは、患者団体も同じはずだ。

アメリカで骨折したら、治療費に2000万円請求された、という話。
対岸の火事じゃないよ。日本でも早晩こういう状況が訪れることだろう。

なぜこんなことになるのか。
僕らが払う保険料や税金の行き先は?
そのあたりに思いをめぐらせば、誰が一人勝ちで笑っているのか、だいたい予想がつく。
超高額な薬でボロ儲けできる人たちにとって、ビタミンによる栄養療法の存在はさぞ不都合なことだろう。ビタミンで治ってもらっては、せっかくの金ヅルを逃してしまうから。そこで彼らは、ビタミンの副作用を誇張して不安を煽り徹底的に弾圧し、効きもしない薬の「有効性」を示す論文を捏造し、影響力のある医者に金を掴ませて薬の宣伝をさせる。
多くの医者も、そういう影響下にあって、薬屋の片棒を担いでいる。大学教育自体が製薬会社の支配下にあって、医学生は大学6年を通じて、教育という名の洗脳を受ける。
こういう具合だから、本当に人を救う医療は、なかなか表に出てこない。

白血病に対して、国家予算を圧迫しかねないほど超高額な治療薬しかないかというと全然そんなことなくて、安価なビタミンで治ってしまう、という報告はすでに1990年代からある。
たとえばこんな論文。
『ビタミンK2およびその派生物が白血病細胞のアポトーシス(細胞の自死)を誘導し、オールトランスレチノイン酸の効果を高める』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9177427
おおまかな内容は、
・ビタミンK2とビタミンAの合わせ技がそれぞれ単剤で投与するときより効く。
・ビタミンK1はどの白血病細胞にもまったく効かなかった(だから、Kを飲むならK2でないと意味がないよ)。
・K2はこの研究ではMK3、MK4、MK5を使ったけど、どれも効いた。

『ビタミンK2と1α25ジヒドロキシビタミンD3の併用による白血病治療は、細胞質p21CIP1の誘導によるアポトーシス抵抗性を伴う単球分化を促進する』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16142303
ビタミンK2とビタミンD3を一緒に使うことで、白血病や骨髄異形成症候(MDS;造血幹細胞がアポトーシスを起こして、白血球、赤血球、血小板が減少する病気)によく効く、という話。
癌細胞というのは、要するに、細胞の成熟能力が損なわれている。
細胞が何らかの機能に特化して、組織の一部になることを「分化」というんだけど、それができなくなっているわけだ。
ただ、分化のできなさには程度があって、本当に全然できないものを特に、未分化癌という。これはすぐにあちこちに転移や浸潤して、非常に悪性度が高い癌として恐れられている。
逆に、分化度が高い癌ほど、悪性度としては低いと言える。
ビタミンK2は白血病細胞に対して、分化するかアポトーシスするかの二択を迫ることで治療効果を発揮するというのがこの研究の要点だ。

症例報告(“Vitamin K2 and the Calcium Paradox” Kate Bleue著の135ページより)
・骨髄異形成症候群の80歳女性に対して、K2(MK4で)を1日45mg経口で投与を開始した。14か月後、症状は軽快し、白血球数が改善したため、輸血が必要なくなった。
・急性白血病の診断を受けている72歳女性に対して標準治療(化学療法)を行い、症状は寛解したが、8か月後に再発した。
ビタミンK2(MK4として)を経口で1日20mg投与開始したところ、2か月後には癌細胞が完全に消失した。骨髄の生検にて寛解が確認された。
・前白血病状態が白血病に進行した65歳男性に対して、MK4を1日90mg経口で投与を開始した。6週間で異常細胞が有意に減少し、正常細胞が増加した。
10か月後には服用量を半分にしたが特に悪影響はなく、その後も標準的な化学療法なしに健康を維持できている。

東京オリンピックでメダルを期待されている池江璃花子氏が白血病を発症した、というニュースがしばらく前に流れたが、その後池江さんはどうしているのだろう。
化学療法には副作用が多いし、寛解(症状の消失)ではなく本当の治癒が得られるかどうか、個人的には疑問に思っている。
若い女性でもあるのだから、まずは副作用の可能性の少ないビタミンK2(D3、Aも併用)による治療をするべきだ(ビタミンで完治すれば、こんなめっけものはないでしょ)。
それで効果がなければ、化学療法を試せばいい。それからでも遅くないだろう。
しかしまぁ、もう化学療法をやっちゃってる可能性が高いだろうなぁ。