院長ブログ

スペイン風邪

2018.6.6

ちょうど100年前、1918年に、医学の歴史上、最悪の大惨事があったんだけど、何かわかりますか。
それは、いわゆるスペイン風邪の流行です。
1918年といえば、第一次世界大戦の最中。
もちろん戦争自体も大変なことだったけど、スペイン風邪の猛威は戦争の悲惨さをはるかに上回るものだった。

1918年から1919年の間に世界人口の20%が罹患し、そのうち6000万人が死んだ。
これは第一次世界大戦の死亡者の約3倍にあたる。戦争のドンパチで死んだ人より、スペイン風邪のせいで死んだ人のほうが断然多かったわけ。
また、この数字は、第二次世界大戦の死亡者数に匹敵する。

たとえば、癌は怖い病気ってされてるけど、人類規模の目線で言えば全然怖くない。個人が散発的に亡くなるような疾患は、種全体の存続を脅かすようなことにはならない。
本当に恐るべきは、感染症だ。
癌で人類が滅亡する、ということは考えにくいけど、ある種の感染症ではそういうことが普通に起こり得る。

これほどまでに多数の命を奪った感染症なんだけど、1919年以後、同様のパンデミックは起こっていない。

大惨事から百年が経ったが、スペイン風邪とは何だったのか。
たまたま世界戦争中に起こった不幸な流行病だったのか。それとも、、、

以下はHenry Makowという人の文章から、僕がテキトーに訳したものです。真偽のほどは知りません。

1948年、ゲシュタポの元長官ハインリヒ・ミュラーはCIAの取り調べに対し、「1918年のインフルエンザ・パンデミックは人工的に起こされたものだ」と語った。「1918年3月カンザス州ライリーで米軍による細菌実験が行われていた。兵士をウィルスに感染させる人体実験をしていたのだが、何らかのミスがあったのか想定外だったのか、細菌部隊の『手に負えなくない』事態になってしまった」
スペイン風邪は、世界を裏で操るエリート層の人口削減計画の一端だったとの声もある。こうした計画は今も一部で着々と進行しており、スペイン風邪の原因ウィルスと鳥インフルエンザウィルス(2005年)の類似性が指摘されている。
スペイン風邪(Spanish Flu)と言われているが、それは世界で最初の報告例がスペインだったからである。アメリカ、イギリス、ドイツなど各国でこの流行病の死者が記録されていたが、戦時下にあるこれらの国が正確なデータなど公表するはずもない。中立国だったスペインがバカ正直に症例を報告したがために、自国の名称を冠した不名誉な病気の名前を付けられた、というだけのことである。
また、いわゆる現在我々が言うところのインフルエンザという疾患概念は1933年に成立したものであって、1918年当時の人々にとっては、インフルエンザが流行している、という認識はなかった。

米軍の軍事施設から制御不能となったパンデミックであるから、アメリカ国内で猛威をふるったのは当然である。当時の米国民の28%が罹患し、50万人から67万5千人が死亡した。しかし被害は米国にとどまらなかった。
英国で20万人、フランスで40万人が死亡した。アラスカや南アフリカでは村の部落の全員が死亡し、村そのものが消滅した、との報告がある。オーストリアでは1万人、フィジー諸島ではわずか2週間の間に全島民の14%が死亡した。

実に、1918年のパンデミックは空前の事態であり、デング熱、コレラ、チフスなどと誤診されることが多かった。特筆すべき症状としては、粘膜(特に鼻、消化管)からの出血である。耳からの出血や皮膚の点状出血もしばしば観察された。また、この病気に特徴的なのは、死亡者の99%が65歳以下、特に20歳から40歳の若年成人であったことである。こんな感染症は他に例がない。というのは、通常インフルエンザで命を落とすのは小児(特に2歳以下)や高齢者(70歳以上)だからである。

1944年ベルリンで行われたナチスの細菌戦対策会議で、ドイツ陸軍衛生部隊の主任ウォルター・シュライバー将軍は、ミュラーにこう語った。「1927年に私はアメリカに2か月ほど滞在し、米軍の衛生部隊の責任者と話したのだが、そこで彼らははっきりこう言っていた。『我々は二重攻撃ウィルス(double blow virus)の開発に成功し、1914年の戦争で使用した。当初は降伏したドイツ兵の殺傷を目的としていたのだが、その病原体は細菌部隊にも制御不能の事態になった』とのことだ。」
CIAベルン支局の所長ジェイムズ・クロンタールは、「double blow virusとは何だ」と尋ねた。
ミュラーは「ご存知のように、私は医者でも科学者でもないが」と前置きした上で、以下のように答えた。「double blowとは、ボクサーのパンチのように効くウィルスだ。最初の一撃で、まず、免疫系を攻撃する。これにより、二発目の打撃に対する防御力を低下させる。そして二発目の打撃は、肺炎だ。しかし免疫力の低下した状態では、致命的となる。シュライバーから、この細菌兵器を実際に開発したのはイギリスの科学者だと聞いた。この細菌兵器の恐ろしいところは、病原体がそれ自身、変化することだ。最初は制御可能なものだったとしても、すぐに変化して、開発者にも手が付けられなくなってしまう」
上記のスペイン風邪についての会話は、チフスについて話しているときにたまたま言及されたのだった。ナチスは収容所のロシア人捕虜にチフス菌を注射し、300万人を殺した。チフス感染はアウシュビッツおよびその他の収容所にも広まった。

米ソ冷戦のさなか、ミュラーはこう語った。「もしスターリンがヨーロッパを侵略するなら、スターリンの兵士のなかに病原菌をばらまけばいい。それだけで軍は崩壊し、ヨーロッパは守られるだろう。小さな病原菌の一瓶と、原爆一個、どちらが安上がりかは明らかだろう。おまけに、スターリンの側は、兵士を食わせ、服やら弾薬やらを支給しないといけないが、こちら側の持つ病原菌の一瓶は、何万人もの兵士に匹敵する働きをするのだ。一方、戦争の不安があるおかげで、経済には大変な恩恵があるのも事実だ」

生物兵器?そんなもの、本当にあるのか?というのが世間一般の普通の反応だろうと思います。
個人的には当然あると思っています。2006年の鳥インフルエンザも、米軍による意図的な病原体の散布によるものだと思います。でも、生物兵器の存在を信じない人を説得しようとかは全然思いません。
ただ、ひとつ、以下に科学的なデータを提示します。生物兵器の存在を肯定する人、否定する人、どちらにも有用な情報だと思います。

鳥インフルエンザの症状として特徴的なのは、鼻出血や歯肉出血など、粘膜からの易出血性です。
これは、壊血病の症状と同じです。
つまり、鳥インフルエンザウィルスが感染すると、感染者の体内ではビタミンCが急速に消費され、急性の低アスコルビン酸血症を呈します。
治療法は、可能な限りすぐにビタミンCを投与することです。50gのアスコルビン酸を静脈点滴で行い、これを4時間ごとに繰り返します。同時に経口からもビタミンCのサプリメント(5gを1時間おきに)摂取します。
これで数日で回復します。(参考: Thomas Levy “Curing the Incurable”)

仮に生物兵器で攻撃されたとしても、それが生物兵器だと認識できないのはその性質上当然のことですが、最も効果的な治療薬は、医師の処方するヘタな薬ではなく、ビタミンCなのだということは、ぜひ知っておきましょう。