すべての真菌類のうち、約1%が酵母である。
酵母は出芽(非対称的な分裂)によって増殖(無性生殖)するが、これは血中に存在するマイコプラズマ(CWDs)も同様である。
一般には「細菌は形態を変化させることはない」とされている。
「感染性疾患は強固な細胞壁をもつ病原性細菌によって引き起こされる」
「この細胞壁は殺菌(パスチャライゼーション)や毒物(塩素や抗生剤)によって破壊できる」
これらは皆、パスツールを源流とする考え方である。
一方、CWDs(細胞壁欠如細菌)は体内の環境に応じて、形態を変化させる。
しかも、細菌のように細胞壁を身にまとうこともあれば、真菌のようなふるまいも見せる。
桿体細菌から球体細菌へと形状を変化させたり、さらには酵母のように出芽さえ行う。
細菌のようでもあり真菌のようでもあり酵母のようでもある。
こんな摩訶不思議な有機体が僕らの体内に存在し、病気の発生に関与している。
医者はCWDsの存在さえ知らない。
だから病気の発生プロセスを正しく解釈することができないし、まして正しく治療することなど、到底できようはずがない。
しかしそれは、疑いようもなく存在する。映像にもしっかり記録されている。
Earth’s Tiniest Living Organisms: Somatids (Identify: Friend or Foe?)
ネサンはマイコプラズマ(ソマチッド)のライフサイクルを映像に記録した。
マイコプラズマは、通常の健康な血液では、形を変えないが、酸性度が増すにつれて、段階的に16種類の異なる形態(芽胞、最近、マイコバクテリア、酵母、真菌など)をとる。
それは、細胞壁があってもなくても生存可能な細菌のようであり、しかも酵母のように出芽による無性生殖を行い、酵母のように芽胞を持ち、真菌のように強固な細胞壁(糸状菌糸様)を作ったりする。
この図を複雑だと思われるだろうか。
しかし、マイコプラズマのとり得るこれらの形態バリエーションをさえ把握すれば、現代医学の下す無数の診断名は必要なくなる。
パスツールの教えるように病原微生物が外部から体内に侵入する場合だけではなく、体内から生じる場合もあるのだと認識することが重要である。
健康な血液はアルカリ性である。酸性に傾くと、マイコプラズマは酵母や真菌の形態に変化することをネサンは確認した。
実際、一般の真菌も湿潤・酸性の環境下で最も成長するものである。
体内の酸性度と変性疾患の症状は相応している。つまり、体内の究極の酸化は、死である。
死後、我々の肉体は朽ちてゆく。これはCWDsの働きによるものである。
生命の循環は、真菌なくして回転しない。死にゆく細胞および死んだ細胞を破壊し、次なる生への糧を供給するのが真菌の仕事である。
一方、生命は、つまり生きている我々は、生まれついてのアルカリ性であるが、加齢に伴って次第に酸性にむしばまれてゆき、やがて究極の酸性(死)へと至る。酸化のスピードが速い人もいるし遅い人もいるが、終着点は同じである。
肉体はどのようにむしばまれていくのだろうか。
以前、死体の分解速度について触れたが、肉体は外部からだけでなく、内部からも崩壊してゆく。
古代エジプトではミイラが作られていた。ミイラ加工(mummificaton)はまさに、この腐敗プロセスに対する抵抗そのものである。
内臓を除去し、体を乾燥させ、塩や香辛料などで抗酸化をはかる。こうすることで、湿潤・酸性環境を好む真菌の生育を阻害しているのである。
それでも、CWDsは体内に存在している。ただミイラ加工によって乾燥・アルカリ性環境となったため、CWDsは有機物の分解作業に従事できないだけである。
パスツールが完全に間違っていた、というわけではない。彼の説のすべてが正しいわけではなかった、ということである。
体外の病原微生物によって感染性疾患が成立し得ることは、もちろん正しい。しかし同時に、我々の体内のCWDsが感染性疾患の原因の場合もある、という認識が大事なのだ。
いや、「原因の場合もある」どころの話ではない。
食事を含めたライフスタイルが我々の体を容易に酸性化させる現代において、病因がCWDsであることは例外的ケースというよりは、むしろ一般的である。
そう、我々は酸性化しながら、いわば、少しずつ”死んでいく”。死は、単独の現象というよりは、プロセスそのものである。
CWDsの知識がないままでは、我々の観察する生命現象(生と死、健康と病気、保存と腐敗など)の本質は、まったく見えてこない。
逆に、CWDsについて知ることで、病気の謎(自己免疫疾患、癌など)は、もはや謎ではなくなる。CWDsが関与しない生命現象は存在しない。
変性疾患とは、死の兆候である。細胞レベルでの腐敗であるが、確かに、死の兆候そのものである。
遅かれ早かれ万人に訪れる死ではあるが、その時期を早めることはない。
そのためには、マイコプラズマを敵ではなく味方につけることだ。具体的には、体液のpHバランスを意識するといい。
ソフトドリンクは人間の血液の1万倍酸性度が高い。
ソフトドリンクの販売が開始されて以後、貧血、白血病が激増したが、これは偶然ではない。
血液癌は例外なく、病原性を持ったCWDsが慢性的感染を起こしたことによるものである。
「水道水に含まれている塩素が動脈硬化を促進させる」という話を聞いたことがあるだろうか。この現象の背景にも、CWDsが関係している。
塩素添加された水に含まれる次亜塩素酸は、脂溶性の弱酸であり、胃腸に接触するとすぐに吸収されて血流に乗る(この点はアルコールやカフェインとまったく同じである)。
そうして、血中のLDLコレステロールやCWDsを酸化させる。酸化したコレステロールや酸化して死んだCWDsは心臓や動脈の血管にプラークとして沈着し、動脈硬化が進行する。
動脈硬化のプラークを一般的な顕微鏡で観察すると、酸化して死んだマイコプラズマ(およびその他のCWDsやピロリ菌やカンジダなど)がぎっしりつまっているわけだが、ある研究者はこれを見て「動脈硬化などの心血管系疾患は感染症なのではないか」という説を提唱した。
『動脈硬化は感染性病因があるのではないか』
https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/01.CIR.94.5.872
半分当たり、である。確かに病原微生物による症状ではあるが、それは体の内側からわいたのである。
CWDsの概念がないと、医学はこんなふうに迷走することになる。
根本原理を抑えないと、いつまでも真実は見えない。
参考
“Proof for the cancer-fungus connection”(James Yoseph著)