フレッチャー・プラウティ大佐は軍の高官で、国防長官を務めたほどの人物だから、ペンタゴンの内情に精通しているのは当然として、彼が独特なのは、リエゾン・オフィサー(連絡将校)としてCIAの内部にも詳しかったことである。ペンタゴンとCIA、両方の重要機密を知る立場にあった人物は、彼をおいて他にいない。
CIAがどのように組織され成長してきたかを実際に見てきた生き証人であり、米ソ冷戦やベトナム戦争の背景にあった思惑、ケネディ大統領暗殺の真相、アメリカ政府と地球外生命体との交渉などについても当然把握していた。ロックフェラーなどのグローバルエリートが、どのように世界を動かすかを間近に見てきた彼が、なんと、暴露本を出してしまった。
著書”The Secret Team: The CIA and Its Allies in Control of the United States and the World”は、出版直後、”その筋”からの力が働いて全米の書店から回収されたが、結局情報の拡散を止めることの不可能を悟ったのか、この本、今でもネットで普通に買えます。僕も買ったけど、初版が1973年と50年近く前の本だけど、内容が全然古びてない。表に見える事件の背後にはグローバルエリートとその手先のCIAの暗躍がある、という構造が、現代でもまったく変わっていないからだと思う。
さて、そのプラウティ大佐が、石油についてこんなことを言っている。
ざっと訳してみました。
『石油貴族へのわいろ』(Greasing the Palms of the Oil Barons)
http://www.prouty.org/coment13.html
「そもそも、石油とは何でしょうか?85%が炭素、13%が水素、0.5%が酸素、あとは硫黄や窒素が混じったこの石油という物質は、一体何なのでしょう?
たいていの御用学者(石油産業からお金をもらっています)は、石油は有機物の分解物に由来すると主張しています。有機物というのは、つまり、かつては生物であったということですから、量的には非常に限られたものであり、従って、石油の供給可能量は有限である、と学者たちは言っています。
石油はよく、”化石燃料”と言われます。「化石」という言葉を使えば、いかにも、かつては生きた有機物だった、という感じがしますね。石油の採掘油田が地殻の化石層にあるのなら、これはもっともらしく聞こえると思います。でもご存知ですか、今日採掘される石油の大部分は、どのような化石も存在しない、はるか深い地下層から汲み上げられています。
おかしな話ですね。石油はかつて生命体であった有機物由来ということになっているのに、化石の見つかる地層よりもはるか地底、岩石しかないところに石油が存在するというのは、どういうことでしょうか。
答えは簡単です。石油が有機物由来だという前提自体が、ちゃんちゃらおかしい話なのです!
もっと言うなら、仮に、かつてこの地球に生存したすべての植物、昆虫、動物をすべて絞り出して、巨大な泥状物質にまとめたとしても、今日産出されるほどの莫大な石油量になるはずがないのです。
さらに、これまでに採掘された油田は、いわゆる科学的な方法で発見され、採掘されたことになっていますが、実のところ、テキトーに、ランダムに掘ったとしても、同じだけの量を採掘できたのです。御用学者にしつこくこの点を問いただせば、彼らもしぶしぶこれが事実であることを認めるでしょう。要するに、地下には大量の石油があるのです。ほとんどあらゆる地下に、です。ただひたすら、掘ればいい。当たらなければ、もっと深く。それだけでいいのです。
なぜ、我々はこのような間違った知識を持っているのでしょうか。答えは一つしかありません。
石油産業を支配する人が、独占したいからです。そして、その独占によって、ガソリン1ガロンの値段をどれくらいにするか、好きなように決めることができますし、毎年数千億ドルの利益をあげています。
彼らとしては「今の石油の使用量のペースでいけば、石油を使い切るまでに、恐らくあと20~30年ほどしか持たない」と私たちに思わせたいのです。このように思わせるためには、「石油は有機物の分解物である」という化石燃料神話が、非常に好都合なのです。
1956年から1971年にかけて、巨大油田の数は二倍以上になりました。採掘の深度が上がって、古生代とかあるいはもっと深くの地層まで掘るようになったのです。今日、実際には石油は供給過多なのです。しかし石油を支配している人々は、生産を抑制して価格を高く保つために、もう、ありとあらゆることをやっています。各国の政府を動かすことさえ、やっています。
ウィリアム J.ケイシーがCIAの長官になる直前に、アメリカ法曹協会でスピーチをしました。そこで彼は、「産出量のリザーブを確立し、価格を維持するための国際協定」が必要だと主張しました。これは石油権益を支配する人に有利は政策です。その同じ会の場で、CIAでケイシーの直属部下となる一人のハンス・ハイマンが「我々の所有する莫大な石油の在庫積み増し」のことについて言及し、さらに「国際市場に影響力を持つ人々が極めて簡単にその影響力を行使できるための制度体系や行動規範が、CIAには備わっている」と述べました。
国際市場に影響力を持つ人々、とは誰のことでしょうか。もちろん、石油利権を握る人々のことです。彼らが我々から毎年数千億ドルもの大金を吸い上げているのです。それも、ほとんどすべての西側政府を動かすことによって。」
石油は化石燃料ではない、とプラウティ大佐は言っている。
学校で教わったことやマスコミが言っていることと、とずいぶん違うと思いませんか?
そもそも、石油はどのように生成するのか?石油は、何から、どのようにしてできるのか?
実はこれには有機起源説と無機起源説があって、論争が続いている。いや、正確には、有機起源説には相当無理があって、学説としてそもそも破綻しているんだけど、これを認めてしまえば石油が化石燃料だという論理が崩れてしまうので、石油産業側としては何が何でも有機起源説を推したい。さらに、無機起源説を認めてしまうと、ケルブランの元素転換を認めることになってしまう。
長文になりそうなので、この点については次回に。