院長ブログ

虚血性疾患4

2019.12.15

心筋梗塞と脳梗塞は、血栓がどこに詰まるかの違いであって、根は同じ病気『血栓性虚血性疾患』である。
一般の医学では微小血栓が原因だとはまったく思われていない疾患のなかにも、実はこれに該当する疾患は相当多いはずだと僕は踏んでいる。
以前のブログに、「ハメマラ」について書いたが、細動脈のカタマリという意味では腎臓ももちろんそうである。実際、ルンブロキナーゼを飲むと最初に実感するのは、尿量の増加である。病的なレベルまでは行かないまでも、糸球体にフィブリン塊がつまっている人は多いのだろう。腎臓や腎盂の機能が高まって「おしっこをきちんと出すべきときに出す」ということができるようになると、夜におしっこのせいで起こされる、ということがなくなる。結果、睡眠の質が高まるだろう。
さらに、視力の改善を自覚する。「老眼のせいだろう」「PCのスクリーンから出るブルーライトのせいかな」と思っていた視力の不調が、いくらかマシになっていることに気付く。網膜動脈に微細な塞栓があったのが解消されて、血流がよくなって、結果、抗酸化力が高まったものと推測できる。ただし、ブルーライトの見つめすぎは絶対よくないから、「目が良くなった」と慢心してはダメだよ。ブルーライトの曝露は極力避けないと。
さらに、皮膚がきれいになる。ルンブロキナーゼの治験に参加した人のほとんど全員が、研究者の聞き取りに対して「なぜか肌の調子がいい」と答えた。手術後の瘢痕や古傷がルンブロキナーゼ服用後に「傷跡が薄くなった」という報告もあった。美肌効果を厳密に検証するには、ルンブロキナーゼ服用前と後で比較する研究が必要で、この研究はまだない。つまり、エビデンスはない。ただ、経験的には明らかに実感される効果のようだ。これはある意味当然で、皮膚に微小塞栓があってそれが改善すれば血流がよくなるだろうし、傷に対してフィブリンの壁で出血を阻止したその名残がスカーなのだから、フィブリンの溶解でスカーがきれいになっても不思議ではない。
『フィブリン糊と創傷治癒』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1631748

「ハメマラ」の諸症状が改善するのはもちろんである。歯周病は、ルンブロキナーゼで血流をよくしビタミンCで免疫を高めてやれば、だいたい治るし、マラのほうにも大層な効果がある。
【症例】48歳男性。糖尿病の治療のためにルンブロキナーゼを飲み始めたが、糖尿病が改善したのは予想通りだとして、本人が一番驚いたのは男性機能の高まりだった。飲み始めて15日ほどすると、これまで15年間、朝立ちなど一度もなかったのに毎朝元気になった。ずいぶんご無沙汰になっていた夜の営みが、急に激しくなり、女房から「もう勘弁して」と言われるほどになった(美原先生の本に挙げられていた症例)。

さらに、なんと、統合失調症患者が服用して症状の改善を見たという話もある。なぜ、微小血栓の解消が、統合失調症の改善につながったのか。その機序には非常に興味がある。
ひとつの仮説として、そもそもルンブロキナーゼが溶かすのは、本当にフィブリン塊だけなのか、という考えがある。つまり、ルンブロキナーゼはタンパク分解酵素のひとつである。だとすれば、たとえば腸壁に形成されるバイオフィルムをも溶解させるのではないか。以前のブログで、統合失調症とカンジダの関係について言及した。カンジダ菌の形成するしつこいバイオフィルムが、ルンブロキナーゼのタンパク分解作用により溶解し、カンジダが除菌された。その結果、症状が軽快したのではないか。この仮説を補強する事実として、ルンブロキナーゼを服用した直後に、統合失調症の症状が一瞬悪化して、しかしその後は着実に快方に向かう患者がいることが挙げられる。この一時的な悪化は、die-off現象、つまり、ルンブロキナーゼによりカンジダのバイオフィルムが崩壊し、生体内の免疫系がカンジダを直接攻撃することができるようになり、結果、死んだ菌体から大量の毒性成分が血中に流れ出たことによるのではないか。
おもしろい仮説だ。甘いものばかり食べて腸内のカンジダを延々養っているようではなかなか治らないだろうが、食事改善とルンブロキナーゼの服用を併用すれば、大幅な効果が認められるだろう。

血流が改善すれば、交感神経を興奮させて末梢まで無理に血液を送ろうと頑張らなくてもいい。つまり、相対的に副交感神経が優位になって、リラックスモードになる。
安保徹先生の「自律神経と免疫の法則」の考え方を援用すれば、ルンブロキナーゼの服用によって好中球過剰が軽減し、リンパ球の割合が増加して、免疫が適正になると思う。
職業柄、僕は比較的健康には気を遣っているほうだけど、そういう僕でも、ルンブロキナーゼを飲んで効果を実感した。たとえば右手の甲にある古傷(お灸が誤爆してやけどを負った)がルンブロキナーゼを飲みだして少し薄くなったし、時々痛む右上奥歯の根尖性歯周炎が完全になくなった。
健康なつもりの人がこれを飲むと、「もう一段上の健康ってのがあるんだな」と実感されることと思う。