院長ブログ

自閉症

2019.7.11

自閉症は1960年代には数万人に1人の発症率で推移していた。「ものすごく稀な病気」だったわけだ。
しかし今や、数十人に1人、つまり学校の1クラスに1人はいる「どこにでもある病気」になった。
ざっと百倍の増加ということになる。

これだけ急激な増加なのだから、必ず原因がある。
しかし今なお、原因は不明のまま。
あり得ない。
こんな異常事態が、放置されていいわけがない。
国は何をやっている。
医学者は、統計学者は、何をやっているのか。無能も甚だしい。
子供は国の未来。
国は原因究明に向けて、早急に対策を打つ必要がある。

「無能ですって?とんでもない。厚労省としては、自閉症の原因がワクチンにあることはとっくの昔から把握しています。しかしそれを公言することはできないんです。国民の健康福祉よりも忖度せざるを得ない諸事情(アメリカの意向、製薬利権その他からの外圧)があって、その事実は一般には公表できません。
ワクチンには疾病の予防効果などほぼ皆無で、それどころか自閉症だけでなくアレルギー、膠原病など様々な疾患の発症リスクを上げることがわかっています。
アジュバントとして水銀とかアルミが入った溶液を、免疫系が未熟な子供の中に直接注入するんですよ。害がないわけないじゃないですか。そうと知っていながらも、厚労省としては非常に不本意なことですが、ワクチン推奨の姿勢を取らざるを得ないんです」
ふと、そんな推測がよぎったけど、僕の妄想に違いない笑

そう、自閉症の増加の原因は、いまだに謎、ということになっている。
医学も統計学も、なんて無力なんだろう。情けないね。
我が子が自閉症を発症したら、蔓延する現代の奇病に罹患した不運を嘆くしかない。

が、全くなす術がないかといえば、そんなことはない。
発症する可能性のある行為を受けないことがまず第一だけど、不本意ながら受けてしまい、かつ、自閉症になったとしたら、どうすればいいか。
こんな研究がある。
バーナード・リムランド博士は、190人の自閉症児に対して24週間に渡ってビタミンを服用させる研究を行った。
この研究を行うにあたって、まず、患児のご両親の許可をとった。さらに、主治医の許可も必要だが、リムランド博士、ここで強い反発に出くわした。「ビタミン?そんなもの、私は断じて認めない。そんな研究には協力できない」そういう先生が多くて、当初自閉症児を300人集めたにもかかわらず、結局研究に参加するのは190人だけとなった。
研究の最初の5週間は、導入期。ビタミンの錠剤を、ちょっとずつ増やしていく。
1日10錠を飲む期間を12週間続けたら、次の2週間は休薬期。サプリを飲むのをきっぱりやめる。その後再び、1日10錠のサプリを復活してもらう。
サプリの内訳は、以下の通り。
ビタミンC 1000mg、ナイアシンアミド(B3) 1000mg、ピリドキシン(B6) 150mg、チアミン(B1) 5mg、パントテン酸(B5) 50mg、葉酸 0.1mg、ビタミンB12 0.01mg、パラアミノ安息香酸 30mg、ビオチン 0.015mg、コリン 60mg、イノシトール 60mg、鉄 10mg。
ビタミンにかかる費用は1ヶ月あたり約10ドルだった。
期間中、ご両親と主治医にお願いして、定期的に患児の症状をレポートにまとめてもらった。自閉症の症状が、ビタミンの服用によってどれぐらい改善するか、また、休薬によってどれぐらい悪化するか、を報告してもらい、その程度を分析した。
全体的な結果として、190人のうち86人(45%)で大幅な改善、78人(41%)で適度な改善、20人(11%)で変化なし、6人(3%)で悪化となった。
つまり、栄養サプリの摂取によって自閉症児のおよそ4分の3に好ましい効果があり、逆効果だったのは3%だけだった。

一般に自閉症に対して、薬の適応はない。エビリファイやSSRIを使う医者もいるが、もちろん効かない(一桁年齢の子供に使う薬じゃないでしょうが)。
しかし上記のように、リムランド博士の研究によると、ビタミンの投与がかなり著効したというんだな。親や主治医の観察に基づく研究だからエビデンスレベルは高くはないけど、意味のある研究だと思う。

てんかんにビタミンB6の投与が著効することがある。つまり、何らかの機序で神経系を保護する働きがあるようだ。
この点に着目したリムランド博士、次なる研究を計画した。「前回の研究はすごく大変だったけど、RCTじゃないから説得力ないとか散々言われた。今度はぜひともプラセボ対照二重盲検でやりたい。さらにクロスオーバー形式にして、エビデンスレベルを高めよう」
https://europepmc.org/abstract/med/345827
15人の自閉症児を被験者として、実薬(ビタミンB6)群とプラセボ群に振り分けた。B6群には、各々の年齢や体重に応じて1日75〜800mg投与した。一定期間後、実薬群とプラセボ群を入れ替えた。結果、15人中10人でビタミンB6が有効、1人で不変、4人で悪化、となった。

リムランド博士が自閉症の研究に没頭したのは、純粋に科学者としての好奇心からではなく、実は多少、私情がからんでいる。自分の息子が自閉症だったのだ。
彼はMMRワクチン(三種混合ワクチン)が自閉症の原因だと考えた。アメリカ自閉症協会を立ち上げ、本の出版や講演を通じて、ワクチンの危険性を啓発した。
当然、巨大組織からにらまれ、様々な妨害にあうことになった。
それでも、晩年まで自説を主張し続けた。

「ワクチンを打たせてしまったがために、子供がこんなことに。私の無知のせいで」と自責の念を抱える親御さんがいる。済んだことは悔やんでも仕方ない。それよりも、前を向いて行かないといけない。つまり、「これからどうするか」のほうがはるかに重要だ。
しかし、ここでエビリファイやフルボキサミンに頼ってしまうようでは、子供の未来は明るくない(こういう親は、無知を悔いるのが妥当かもしれない)。
ビタミンは、一般の薬と違ってほとんど副作用はない。上記のビタミン以外にも、フォスファチジルセリンや有機ゲルマニウムなど、有効性が示唆される栄養素はほかにもある。まずはビタミンを試してみるべきだろう。

参考
“How to Live Longer and Feel Better”(Linus Pauling著)