院長ブログ

腰痛

2019.3.27

「医者が癌になったとき、99%の医者は抗癌剤を使わない」という。
https://www.buzzfeed.com/jp/seiichirokuchiki/kenkobon-01
本当か?
ソースが気になるところだ。
非常にセンシティブなテーマだが、一体誰がどうやって、こんな統計をとったのだろう。
仮にそう思っている医者がいるとしても、よほど親しい人に対してでないと、こんな深い本音は出さないと思うんだけど。
ただ、99%というのは言い過ぎだとしても、自分が癌になったときに抗癌剤を使わない医者は、一般の人が思う以上に多い、というのは確かだと思う。
そりゃ、現場でたくさん見てるもんな。「この人、明らかに抗癌剤のせいで死期を早めたな」っていう症例を。
医者もバカじゃないから、さすがに現代医療の矛盾に気付いてるって。
抗癌剤はじめ、製薬会社の薬にまったく何の疑いを持ってない医者もいるにはいるだろうけど、むしろ少数派じゃないかな。

そう、医者が病気になったとき、本音が出る。
普段患者に提供している治療法と、自分が病気になったときに選ぶ治療法。
当然同じだろうと思われるかもしれないが、一致しないことは案外多いに違いない。
患者には平然と出す薬でも、自分が飲むかどうかとなったら絶対飲まない、なんて薬は、山ほどあるだろう。
「そんなダブルスタンダードが許されていいのか」と咎めることはできない。
愛社精神のあるサラリーマンだって、常に自社製品ばかり使っているわけではなく、競合他社の製品を使うことだってあるだろう。
「正直、こんな商品、俺なら買わないな」と思いながらも営業しないといけないのが、勤め人のつらさだろう。
医療だって同じことだ。
ビジネスなんだから、医者だけが経済的利益を度外視して、聖人君子であることを求められてはたまらない。
医者も経済活動に従事する一人の人間なんだから、医者の良識に期待なんてしちゃいけない。

医者がコモンな疾患、たとえば腰痛になったとして、すなおに病院を受診するだろうか。
整形外科を受診すればどういう診察の流れになるか、行く前からわかっている。
レントゲンなりMRIなりを撮って、「特に問題ありませんね」で、痛み止めを処方される。
単なる対症療法。根本的な原因にアプローチしてないのだから、こんな薬を飲み続けても一生治らない。
こんな「治療法」とも呼べない治療法しかないのが、西洋医学なんだ。
同業者だから、気持ちはよくわかる。別に商売の邪魔をするつもりはない。
しかし、自分が患者として、こんなバカバカしい『ごっこ』に付き合うのは、ごめんこうむりたい。
医者はこう考える。「いわゆる代替療法のほうが、まだしも希望が持てる」と。

たとえば整体。
ただのマッサージ、とバカにしてはいけない。
きちんとした治療哲学を持った整体サロンのほうが、痛み止めを処方するしか能がない病院よりも、はるかに根本的な改善策を提供してくれるものだ。
ミオンパシーという治療手技がある。https://www.uroom.jp/
腰をギューギュー押してもらうだけのマッサージだと思って施術を受ければ、ずいぶん意外な感じがするはずだ。
加圧と弛緩を繰り返す、いわゆるマッサージではなくて、一定の姿勢を把持することで組織への血流を回復させることを主眼に置いている。
腰痛の背景には、血流低下(およびそれに起因する組織の酸素不足・栄養不足)がある、というのが基本的な考えだから、偏った食生活やストレス過多の生活習慣の改善をも含めて、指導する。
すばらしい。
本来、この指導をするのは一般の医療であるべきだ。
しかし情けないことに、整形外科での治療は、痛み止めの処方に終始している。ロキソニンやリリカによって真の救いが得られるかどうか、考えればわかることだろう。
医療機関ではなくて整体サロンなので、一般の医療保険を使うことはできないが、やっていることは一般医療よりももっと医療らしい。
そう、医者が病気になったときこっそりお世話になるのは、こういう治療院だ。

もちろん、栄養療法に頼るのもいい。
栄養療法の魅力は、何と言っても、副作用の少なさだ。
単なるビタミンで治ればもうけもの。まず、一番最初に試すべき代替療法だろう。
腰痛に対しては、ビタミンDを補いたい。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC558660/
『ビタミンD欠乏が慢性腰痛に関与している可能性』
慢性腰痛をどう抑えていくかというのは医療従事者にとって難しい課題であり続けているが、ビタミンDの重要性をきちんと認識している人は少ない。
ビタミンD欠乏が多くの人に見られることは、多くの研究の示しているところである。
たとえば、ミネアポリスのクリニックに慢性の筋骨格系の疼痛で通院している150人の患者のうち、93%にビタミンD欠乏が見られた。
腰痛(6カ月以上特に誘因のない腰痛)のために6年以上神経内科に通っている患者のほとんど(83%)に、血中ビタミンDの異常低値が見られた。
ビタミンDのサプリを飲ませると、当初ビタミンDの濃度が低かった人の全員で、臨床症状の改善が見られた。
著者らは、腰痛患者では受診時の血中ビタミンDによるスクリーニングを義務化すべきだと結論付けている。
オーストラリアの医学雑誌に寄せられた報告によると、慢性腰痛で脊椎固定術を受けたものの手術が失敗した2例の患者において、重度のビタミンD欠乏があったという。
いずれの患者も、ビタミンDサプリの投与によって症状の好転が見られた。
「腰痛を診る外科医や内科医は、潜在的なビタミンD欠乏がある可能性に注意すべきである。なぜなら、ビタミンDを補うだけで症状が軽快する可能性のある患者が、治療による合併症(脊椎固定術の失敗、再手術や入院期間延長による費用の増加など)を避けることができる可能性があるからである」と著者らは強調している。
ガンコな筋骨格系の痛みを伴う患者はすべて、ビタミンD欠乏に気付かないまま放置している可能性が高い。
慢性腰痛を診る現行の臨床ガイドラインでは、ビタミンD(25ヒドロキシビタミンD濃度の測定による)の評価が含まれていないが、これを調べ、欠乏が見られた際にはビタミンDのサプリを補うよう助言すべきである。

この論文は、「長年悩んだ腰痛がビタミンDのサプリを飲むだけで、あっさり完治してしまう可能性がある」、と言っているわけだ。
腰痛があまりにもひどくて、手術さえする人がいる。こんな悲劇は、あってはいけない。
重度の腰痛の背景にはビタミンD欠乏があるということは、整形外科医なら当然知っているべきなんだけど、残念ながら一般の医者はこんなこと、まず知らない。
だから、一般の無知な整形外科に通ったところで、時間と労力のムダということだ。
自分でさっさと知識を仕入れて、ビタミンDを飲んで、自分で治しちゃうのが一番手っ取り早いよね。