院長ブログ

2018.8.28

子供のとき、姉がりぼんを買っていたので、僕もそれを読んでいた。
ちびまる子ちゃんは毎週読み切りで、ジャンプでいうこち亀みたいな感じで、ストーリー展開に引き込まれる、みたいな魅力はないんだけど、作者のさりげない人間観察に何とも言えない味があるマンガだった。
ギャグもあれば、人生の本質を突くようなドキッとする表現もあったり。マンガという表現形式で随筆を書いているような印象を受けた。
りぼんによくある、「クラス一の美男子に密かに恋するちょっとパッとしない主人公が、なんだかんだでその美男子と結ばれる」的な、「女の妄想全開」の典型的少女マンガにはいまいち共感しなかったけど、りぼんに載ってる作品のなかでさくらももこと岡田あーみんはちょっと異質で、僕はむしろそういうのが好きだった。

そのさくらももこ氏が亡くなったという。
俳優や作家のような、死後にその作品が残る人の場合、作品のイメージに影響するから死因をはっきり公表しないこともあるという。
たとえば「心不全」と公表しても、人間誰しも死ぬ前には心臓が止まるから、間違いではない。でもこの人の場合、はっきり「乳癌」と公表している。
小林麻央さんのときのように、このニュースの影響で乳癌検診の受診者は間違いなく増加するだろう。
しかし乳癌検診はむしろ有害無益、というのが疫学研究の示すところである。(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1206809)
そもそも何のための検診か。癌を早期発見し、早期治療に結び付け、患者の寿命を延ばすこと。これが目的だ。
乳癌検診の導入によって、なるほど確かに、初期癌の患者数は倍増したし、進行期の乳癌は減少した。
しかし一番肝心な、「患者の寿命の延伸」にはつながっていない。
癌治療に関して、何か最も根本的なところで、西洋医学は大きな勘違いをしているのではないか。
さくらももこ氏が乳癌に対してどのような治療を行ったのか明らかではない。
しかし、小林麻央さんについては、闘病の経過をブログに公表していたこともあり、抗癌剤治療を行っていたことが明らかになっている。
抗癌剤治療は、本当に「治療」として機能したのだろうか。
むしろ、「早期発見、早期死亡」という、逆の結果につながった可能性はないのか。

「従来型の癌治療(手術、抗癌剤、放射線)では癌は治癒しない。癌の根本治療は、ビタミンCの大量投与および糖質制限によって可能である」というのが、ポーリング、ホッファーを始祖とするオーソモレキュラー医学の考え方である。
「末期癌患者にビタミンC1日10gを最初の10日間は静脈投与で、その後は同量を経口投与したところ、対照群と比べて4倍長生きした」というポーリングの報告を始めとして、ビタミンCの抗癌作用を示す報告は無数にある。(http://www.pnas.org/content/73/10/3685.short)
しかし、それだけのエビデンスがあるにもかかわらず、一般の医学は癌治療の選択肢として「ビタミンC大量投与」を認めていない。
僕も大学でこんなことは習わなかったし、一般病院でこういう治療が行われている光景を見たことがない。
「効くことはわかっている。しかし、行われていない」という、デタラメがまかり通っているのが、今の癌治療の実情だ。
厚労省は本気で医療費の削減に取り組む気があるのだろうか。高額で、しかも根治につながらない抗癌剤などすぐさま廃止して、代わりに、安価かつ有効性の高いビタミンCの大量投与療法を保険適応すればいい。
そうするだけで、大幅な医療費の削減が可能だし、日本の癌死亡者は激減するだろう。
でも、同時に、製薬会社の闇の深さを知っている僕には、そういうことはまず起こらないということもわかる。
僕一人の力でそういう闇を変えることなんて、絶対できないこともわかる。
僕にできることは、縁あって僕のクリニックに来てくれた人に、僕なりのベストを尽くすことだ。
「大きなことはできませんが小さなことからコツコツと」の西川きよし的精神で行くということ、これしかないな。