院長ブログ

網膜症

2018.8.11

今日も姉とごうちゃんと一緒。
盆ということで、養父にあるごうちゃんのご先祖の眠るお墓にご挨拶に。
その後、神崎郡にある古民家を改築したレストランで食事。
さすがごうちゃん、いつも通りの変顔。

その後、越知川というとてもきれいな清流で遊んだ。
川面を覗くと、アユがたくさんいた。


スイカを食べ過ぎたせいで、帰りにやたらと小便が近くなった。
トイレに何度か寄ってもらいつつの帰り道の車中、ごうちゃん、
「ほら、暗順応、明順応ってあるでしょ。たとえばこうやって高速を運転してて、トンネルに入れば、目はその暗さに対応するし、トンネルを抜けたときには明るさに対応する。でも最近、その調節がうまいことできてないねん。普通より時間がかかる感じ。なんでやろ?
いや、視力は何も問題ないよ。目は普通の人より断然いいほう。
何かオススメのサプリメントある?」

こういうことを尋ねられたとき、いわゆる目にいいサプリメントをオススメすることはできるんだけど、たし算よりはまず引き算をすべきことが多い。
つまり、現時点の生活習慣、食習慣のなかに、目に良からぬことをやってる可能性がないかどうか、というのをまず聞きたいところ。
たとえば外食ばかりしていて、化学調味料満載の食事を摂り続けると、目にどのような影響が現れるか。ネズミで実験をすると、網膜の形態と機能に異常が現れたという。(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0014483502920178?via%3Dihub)
著者は、欧米よりもアジアに緑内障が多いのは味の素の消費量と相関してるのではないか、としているけど、おもしろい指摘だと思う。一般的な眼科の先生で、緑内障の原因として、MSGの過剰摂取を疑う人はまずいないだろう。でも、動物実験の結果からは、絶対鑑別にあげるべきなんだけどね。
あと、人工甘味料もよくないよ。たとえばアスパルテームは網膜症の原因になる。機序としては、アスパルテームに含まれるアスパラギン酸の神経興奮毒性とか、やはりアスパルテームに含まれるメタノールがホルムアルデヒドに変換されて、これが視神経に悪影響を及ぼしている可能性が考えられる。(https://www.nature.com/articles/1602866)

ごうちゃんはバッチリこの条件に当てはまっている。独り身で外食することが多いし、お客さん相手の仕事柄、口臭が絶対あったらダメだから、フリスクとかガムなんかの口中清涼剤(人工甘味料満載)をしょっちゅう食べている。

こういう人には、まず引き算、というのが基本。
外食に慣れた人にとって自炊を始めることは難しいだろうけど、フリスクをやめることはまだしもできるだろうから、そのへんから始めることを勧める。
同時に、目にいいサプリメントをオススメすることもできて、それは確かにお助けになるかもしれないけど、生活習慣の改善がないのに症状自体が軽快してしまうことは、ブレーキとアクセルを同時に踏んでいるようなものだ。原因の除去がなくては根治には至らないから、長い目で見ると結局本人のプラスにならないと思う。
だから、まず、引き算。
目にどのような栄養素が有効かということについては、また後日ね。